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「国家デザインを考える議員連盟」関連の新聞記事

3月19日に開催しました「国家デザインを考える議連」の第1回勉強会につきまして、多くのメディアに取り上げて頂きました。

新聞記事の一部を掲載します。

 

 

 

 

外務委員会で質問に立ちました。(平成30年11月28日 議事録)

○玄葉委員 玄葉光一郎です。無所属の会に所属をしています。

今日は、議題となっております日本とEUのEPAと、例の日米の一月から始まるであろう通商協議、そして北領土の問題について、30分という限られた時間ではありますが、質問したいと思います。

まず、日欧EPAについては一点だけでございます。データの取扱いについて気になっております。つまり、EUの規格というのは厳格でありますし、プライバシーの保護が重要視されているわけでありますけれども、今回の日本とEUのEPAの協定におきまして、このデータの扱いはどうなっているのでしょうか。

○山上政府参考人 お答えいたします。                                            ただいま委員御指摘の個人データの越境移転の件でございますが、日・EUのEPA協定それ自体には、具体的な規定というのは設けられてございません。ただし、日本とEUの当局間では、この協定、EPAとは別途、相互の円滑な個人データの越境移転を実現するための取組を進めております。

今年の7月でございますが、日本側においては個人情報保護委員会、EU側におきましては欧州委員会、この双方の委員会の間で、日・EU双方の個人データ保護の制度を同等のものと認定することで一致したところでございます。それを受けまして、現在は日・EUの双方で必要な国内内部手続を進めているところと承知しております。

○玄葉委員 これは、データについてこれから大変大事な時代を迎えていると思うんですね。協定にはないということでありますけれども、ぜひ、これから日本はEUといわば上手に連携して世界全体のデータのルールをつくり上げる、そういう意味で、よいきっかけにしてもらいたいというふうに思っています。そのデータに関連して大変気になっていることがございます。それは、中国のいわばデータ囲い込み戦略ともいうべき、一種の私は長期の国家戦略だと思っておりますけれども、そういった問題でございます。

つまり、GAFAと中国はBAT、いわゆるバイドゥ、アリババ、テンセントとありますけれども、例えば、アメリカは企業で囲い込み、中国は国家単位でデータを囲い込むということが起きているように思います。外国企業は中国で取得した

データを海外に持ち出すことは禁止をされ、これに対して、中国の企業は国外で取得したデータを持ち帰ることができる。さらに、衛星あるいはアンテナあるいは監視カメラなどを使って、さまざまな個人の情報が、中国の場合、結果として国家の手元にどんどん入ってくるという仕組みになっているのではないかというふうに危惧しております。

アリババなどもいわゆる小口の貸出サービスなどが行われていて、決済の情報などは恐らく全て国家の手元に集まってしまうということが起きていて、現実にキャッシュレスで電子マネーの決済でありますから、それが日本にもどうも進出をするということのようでありますから、こういった中国のデータ戦略については、私は、日本国家として危機感を持って向き合わないといけないというふうに思っておりますけれども、この中国のデータの戦略についての認識とその対応策について、外務大臣に、これは事前に通告をしておりましたので、お伺いをしたいと思います。

○河野国務大臣 中国のサイバーセキュリティー法及びその関連規定の中には、中国国内で収集及び発生した重要データは中国国内で保存しなければならず、業務の必要により国外に提供する必要がある場合は、中国の規則などに従うことが求められております。

日本の企業の中には、こうした規制は、運用の仕方によっては、中国市場における外国企業の活動を実質的に阻害することになると懸念があり、こうした懸念を踏まえ、我が国としては、中国に対して、日本企業の正当な権利を害することがないよう、関連する国際ルールなどに則した制度を透明性のある手続のもとで実施するよう求めてきております。

また、2017年12月に開催された第11回WTO閣僚会議において発表された電子商取引に関する共同声明に従って、将来の交渉開始に向け、いかなる事項を対象とし、いかなる形式で規律を作成するかなどについて、日本を含む有志国の間で準備段階の議論が行われているところでございます。

また、2017年12月以降、特定の第三国を念頭に置いているものではありませんが、日米欧の三極で、市場歪曲的措置への対処について議論を行ってきております。ことし9月の第四回会合においては、デジタル貿易及びデジタル経済の成長を促進するための協力を行うこと、あるいはデータセキュリティーの促進を通じたビジネス環境の向上を図ることについても確認をしているところでございますので、御指摘の懸念については、政府としても、企業活動あるいは個人情報の保護その他の観点からきちんと対応してまいりたいと思っております。

○玄葉委員 これはぜひ、経産大臣などとも連携をしてもらって、結局、例えばTPPなどは、現実に中国が行っているような技術移転の要求とかソフトの公開要求というのは明確に禁止をしています。つまり、公平なルールの中にぜひしっかりと組み込むということを、経産大臣などと連携をして、してもらいたいというふうに思います。

次に、前回の質疑で積み残したというか、日米の通商協議のことでございますが、WTOとの整合性について、あのときに山上さんと議論をいたしましたけれども、もう一度しっかりと確認をしたいと思います。改めてこの議事録も確認をしておりますけれども、日米で通商協議を行って、そのでき上がるものがガット二十四条八項に言う自由貿易地域に当たるかどうかということは予断することはできない、仮に、日米間で合意する内容、これを最恵国待遇を適用する、他の国にも均てんするということであれば、二十四条八項の問題にはならないという面もございます、こういういわば一般論で答弁をされているわけであります。

でも、論理的にはあり得ても、実際上はあり得ないというふうに私は思います。つまりは、日米でこれから協定が結ばれることになっているわけでありますけれども、その協定の内容が全てWTO加盟国、他の国にも均てんされる内容を想定しているとはとても私には考えられないわけであります。

そういう意味で、例えば、聞き方を変えますけれども、これまで日本が二国間の通商協定、幾つも日本が持っている協定がございますけれども、日本が持っている二国間の通商協定で決められたことについて、いわゆるMFN、最恵国待遇で全ての国に開いた、そんな例はあるのでしょうか。

○山上政府参考人 お答えいたします。

過去の例というお尋ねでございましたので、例えば、日米間で交渉をいたしまして一定の市場開放措置をとることとした、その措置をガットの最恵国待遇の原則に従って実施していくという形は、過去に例としてはございます。

例えば、古い話でございますが、八〇年代、牛肉・かんきつ交渉などを行ったときは、日米間の交渉を踏まえて、日本は輸入数量枠の拡大あるいは関税の引下げといった措置をとることにしたわけでございますが、そこの日本側の書簡でも、ガットの最恵国待遇の原則に従い実施するということが明記されている、こういう例はございます。

○玄葉委員 それでは、今回、日米で取り決める協定でございますけれども、協定で、先ほど申し上げたように、決められた税率、場合によっては、例えば農産物はTPP並みに、最大限の譲歩はTPP並みが最大である、こういうふうに決めているわけでありますけれども、仮にそうなった税率が他の国にも均てんされるということは本当にあり得るんでしょうか。

○山上政府参考人 お答えいたします。

お尋ねの件は、このTAG、日米物品貿易協定の内容、どのような形でまとまるかということかと存じます。

いかんせん、アメリカとの具体的な交渉は、今後、茂木大臣とアメリカ側のライトハイザー通商代表との間で行われることになるわけでございます。その結果につきまして、今、交渉が始まっていない現段階で予断することは困難でございまして、その点は差し控えさせていただきたいと存じます。

○玄葉委員 私、本当にごまかしの答弁が続いていると思います。あり得ないと思います。現実にそんな協定なら、もうやめた方がいいと思いますね。そんな交渉ならですね。これは、確実にでき上がったものについて、いわゆるWTO上の例外を求めていくということに必ずやなっていくはずであります。そうなると、これはもう実質FTA、RTAじゃないと例外って認められていないので、実質FTAなんですね。その実質FTAということを言われたくないために、こういうふうに、もうだらりだらりというか、そろりそろりというか、ごまかしの答弁が続いているということが実態であります。

大変残念なのでありますけれども、やはり言葉で逃げないで、きちっと正面から内容で勝負をするというふうにしないと、日本の政治が成熟をしていかないという面があると思うので、しっかりこれは正面から受けとめてもらいたいと思っています。

北方領土の問題もやりたいので、時間がだんだんなくなってきますけれども、この間、農産物について、最大限の譲歩がTPP水準であるというのは早く切り札を切り過ぎたんじゃないかということを田中副大臣に言った記憶がございますけれども、改めてもう一言申し上げると、自動車分野の交渉が当然焦点にもう一つなるわけでありますけれども、TPPでは、日本の農産物の市場開放と米国の自動車の関税撤廃がパッケージで合意をされているわけであります。

日本からの自動車2.5%関税は25年かけて撤廃、トラックへの25%関税は29年間維持し30年目に撤廃ということで合意をしています。これ自体、かなり日本は譲っていると思いますけれども、最低限これは当然とりに行くというか、とるということでよろしいですね。

○田中副大臣 今御質問がありましたTAGにおける自動車分野に関する件だと思いますが、これは日米の共同声明においては、パラグラフの五におきまして記載があるということについてのことだろうと思います。

この記載は、あくまでも具体的な措置ではありません。米国がこれまで表明してきた基本的考え方をそのまま述べたものであります。日本としては、自由貿易の旗手として、やはり、自由で公正な貿易を歪曲するような、管理貿易につながりかねない措置については反対ということであります。その旨は米国にも明確に伝えているところであります。いずれにいたしましても、我が国として、いかなる国とも国益に反するような、そういう合意は行うつもりはございません。

○玄葉委員 簡潔に答えてください。

TPPで日本側が、相当譲歩していますけれども、いわばとったと言われている、自動車関税をいずれ撤廃するということについて、必ずとりに行きますねと聞いています。イエスかノーかで結構です。

○田中副大臣 今御質問ありました件でありますが、具体的な交渉はこれからということであります。そういった意味では、交渉の結果を全て予見することは困難であると思いますが、今御質問あったような形で、国益に沿うような形での交渉は進めていきたいと思っています。

○玄葉委員 そんな弱気でどうするんですか、これから交渉するのに。TPPでとったことは最低とらないと。

もっと言えば、今申し上げたような自動車の関税の問題がとれないなら、当然、逆に言えば、農産物のTPP並みの譲歩もしちゃだめですよ、やはり。そういうことでいいですね。

○田中副大臣 当然、交渉の内容ということに入っていくわけでありますが、我が国としては、やはり攻めるべきものは攻めて、そして守るべきは守るというスタンスであります。

これは茂木大臣も発言しているところでありますけれども、例えばアメリカ側から農業問題について要求が来たということであれば、当然、自動車も含めた工業製品、こういうものに関してはTPPでも関税がゼロとなってくるというわけでありますので、しっかりとこのラインは守るべき、攻めるべきは攻めたいと思っております。

○玄葉委員 正直、頼りない答弁でありますけれども、やはり、ある意味、農産物はあそこまで発言しちゃっているんですね、日本側は。それはやはり、自動車の関税がせめてゼロにならないか、あそこまで、私は、最大限の譲歩であると言っているわけですから、最大限と言っているわけですから、別に全てにおいてそこまで譲歩する必要はないので、やはりきちっとほかのものでとれなかったらそこまで譲歩しないという決意でぜひ臨んでもらいたいというふうに思います。

北方領土の問題でありますけれども、北方領土について、まず日ソ共同宣言。首相は、日ソ共同宣言にある交渉の対象は四島の帰属の問題だ、こういうふうに答えておりますが、対象は四島でよろしいでしょうか。

○河野国務大臣 今回、総理とプーチン大統領は、1956年の日ソ共同宣言を基礎として平和条約の交渉を加速するということで合意をいたしましたので、その両首脳の合意に沿って交渉してまいりたいと思います。

○玄葉委員 いや、安倍さんは、日ソ共同宣言の読み方として、交渉の対象は四島である、こう言っているわけでありますが、それでよろしいですね。

○河野国務大臣 従来から、政府は、領土問題を解決して平和条約を締結するということを申し上げてまいりまして、それが基本方針でございます。

○玄葉委員 何で四島と答えられないのかわかりませんけれども、首相も言っているわけであります。

ちなみに、第九条、歯舞諸島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する、この引き渡すという意味はどういう意味でしょうか。

○河野国務大臣 これから日ロの交渉を加速化しようということでございますので、政府として、交渉の場以外のところで政府の考え方、方針を申し上げるのは差し控えさせていただいております。

○玄葉委員 これは基本中の基本だと思います。

例えば、プーチン大統領はこの問題について発言をしています。そのことについて、日本国の立場が全く、いわゆる交渉以外の場で発言してはいけないということになると、むしろ交渉ポジションを弱めることになるのではないかというふうに思います。プーチン大統領も、別に交渉の場で話をしたわけではございません。

では、別の聞き方をいたしますけれども、例えば、この間、政府の中から、北方領土問題について、従来の方針とは変わらない、こういう発言が出ているわけでありますが、従来の方針とは何でしょう。

○河野国務大臣 領土問題を解決して平和条約を締結するのが政府の基本方針で、この方針に変わりはございません。

○玄葉委員 菅官房長官は、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、そういう従来方針に変わりはないと言っておりますが、それでよろしいですか。

○河野国務大臣 領土問題を解決して平和条約を締結するのが我が国の基本方針で、変わりはございません。

○玄葉委員 そうすると、外務大臣と菅長官は言っていることが違うということになりますけれども、それでもよろしいですか。

○河野国務大臣 同じことを言っております。

○玄葉委員 それではもう一度聞きますけれども、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するというのは、従来の方針ですね。

○河野国務大臣 領土問題を解決して平和条約を締結するのが我が国の基本方針でございますので、方針に以前と変わりはございません。

○玄葉委員 先ほどの日ソ共同宣言の交渉対象が四島だと安倍総理が発言をしていて、外務大臣は答えない。今回、この基本的な基本でありますけれども、日本のこれまでの従来方針について、菅長官と外務大臣が違う答弁をしている。

もう一回お聞きしますけれども、菅長官は確実におっしゃっています。四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するというのが従来方針であるということですが、これでよろしいですね。

○河野国務大臣 政府の方針に変わりはございません。(発言する者あり)

○若宮委員長 ちょっと速記をとめていただけますか。

〔速記中止〕

○若宮委員長 では、速記を起こしてください。

河野大臣。

○河野国務大臣 菅長官の方針が政府の方針と同じでございます。

○玄葉委員 それで結構です。

内閣府のホームページに、政府の基本的立場、北方四島に対する我が国の主権が確認されることを条件として、実際の返還の時期、態様については柔軟に対応する、これが日本の政府の基本的立場だというふうにホームページで書いてございます。

私も、かつて、北方四島の日本への帰属が確認されれば、そのいわゆる返還の時期であるとか態様であるとか、そういったことについては柔軟に対応するということを何度も外務委員会の場で答弁した記憶がございます。これが私は従来の方針だと考えておりますが、それでよろしいですか。

○河野国務大臣 これから交渉を加速化しようというところでございますので、政府の考え方、方針を交渉の場以外で申し上げるのは、交渉を有利に運ぶことになりませんので、差し控えております。

○玄葉委員 これは従来方針は変わっていないというふうにおっしゃるから、私は改めて聞いて確認をしているわけです。これが私は日本国政府としての従来の方針だと思います。仮にそうではないということであれば、従来方針は転換をされたというふうに言わざるを得ないと思いますけれども、いかがですか。

○河野国務大臣 これから交渉に当たるわけでございますので、その中で、政府の考え方、基本方針というのは交渉の場で申し上げることにしておりますが、交渉の場以外で政府の考え方、方針を申し上げるのは、交渉を有利に運ぶことにつながりませんので、差し控えさせていただいているところでございます。

○玄葉委員 いや、従来方針の説明ですから。今、交渉にどう向き合うかということを聞いているわけではありません。従来の方針を教えてほしい、改めて確認をさせてもらいたいと言っているわけですから、交渉に影響を与えるわけではありませんから、むしろ、言わないことが交渉のポジションを弱めるということにつながりかねないというふうに思います。いかがですか。

○河野国務大臣 玄葉委員はそう考えていらっしゃるかもしれませんが、政府としては、そのように考えておりません。交渉の場以外で政府の考え方、方針を申し上げるのは、交渉の立場を弱めると考えておりますので、差し控えさせていただいております。

○玄葉委員 だから、交渉の立場を言っているわけではない、聞いているわけではない。従来の方針を聞いている。従来の方針を言うことが、なぜ交渉と直接関係あるのか。今、ある意味、向き合い方が変わっているわけですから、新しいアプローチと言っているわけですから。ですから、従来の方針を説明してほしいと言ったときに、従来の方針が説明できないということであれば、明らかに従来の方針は転換されたということだろうと思います。

ちなみに、予算委員会で不法占拠ということについて答えなかったということでありますけれども、法的根拠なく占拠し続けている、この言葉は言えますか。

○河野国務大臣 これから日ロで交渉することでございますので、こうした一連のことについて、政府の方針、考え方を交渉の場以外で申し上げるのは差し控えております。平和条約が締結された際には、国会にお示しを

して、しっかりと批准のための審議をしていただきたいと思います。

○玄葉委員 それでは、また別の聞き方をしますけれども、日本国としては、北方四島は、何ゆえ、日本国の歴史的にも法的にも固有の領土だというふうに主張してきたのですか。

○河野国務大臣 これから交渉するところでございますので、政府の考え方、方針を交渉の場以外で申し上げることは、交渉の立場を弱くすると考えておりますので、差し控えさせていただきます。

(発言する者あり)

○若宮委員長 速記をとめてください。

〔速記中止〕

○若宮委員長 速記を起こしてください。

玄葉君。

○玄葉委員 では、いろいろな質問の仕方はあると思うんですけれども、日本がなぜ固有の領土ということを主張しているのかということを聞いています。

○河野国務大臣 これから領土問題を含む日ロの交渉を加速化させようということでございますので、交渉の場以外のところで政府の考え方、方針を申し上げるのは、政府の立場を著しく弱めると政府は考えておりますので、交渉の場以外でそうしたことを申し上げるのは今差し控えさせていただいておりますので、御理解をいただきたいと思います。

平和条約が締結された折には、国会にそれを提出し、批准のための審議をしていただくことになりますので、政府のしっかりとした説明をその場で行わせていただきたいと思います。(発言する者あり)

○若宮委員長 御静粛に願います。

〔速記中止〕

○若宮委員長 速記を起こしてください。

河野大臣。

○河野国務大臣 これから日ロ間の交渉が始まることになりますので、この交渉において我が国の立場をなるべく強くしておきたいと思っております。

交渉の責任者として、いかにこの交渉をしっかりやるかというところに日々心を砕いているところでございますので、交渉の場以外で政府の考え方その他を申し上げると、これがまたメディア等を伝わってロシア側にも当然話が伝わることになります。それに対するリアクションもいろいろあって、それは交渉を進める上で好ましくないと政府は考えているところでございますので、交渉の場以外で政府の考え方を今申し上げるのは差し控えさせていただいているところでございますので、何とぞ御理解を賜りたいと思います。

○玄葉委員 私も、もちろん外交に機微があるということは十分承知をしているつもりであります。

他方、説明責任というのもやはり最低限あるわけであります。国民の理解を得ながら進めていかなければならない面もあるはずです。平和条約を締結をした後、説明するから、それまでは一切政府の原則的な立場も話せないということであっては、全く国会は要らないと言っていることに等しいじゃないですか。これは過度に臆病になり過ぎていると思います。

私も、交渉以外の場での発言で交渉がうまくいかなくなるという懸念というのは常にあるというのはよくわかります。だけれども、過度に臆病になっていると、それは逆に、さっきも申し上げましたけれども、私は、日本の立場を弱めるということになります。だから、ここはバランスだと思うんですね。今、はっきり申し上げて、私の考え方では、河野大臣は臆病になり過ぎているというふうに思っています。

原則的な立場、あるいは従来の方針、あるいは、なぜ日本の領土だと言えるのかということについての最低限の説明が日本の政府から国民に対して、あるいは国会議員に対してなされないというのは絶対あってはいけない話ではないかというふうに思いますけれども、自民党の議員の皆さんも、どう思われますか。そう思いませんか。それは、私も、本当に機微にわたるのはわかるんですよ。でも、交渉の突っ込んだ内容を聞いているわけじゃないんですから、はっきり申し上げて。原則的な立場を申し上げているので。いかがですか。

○河野国務大臣 今度の交渉は、原則的な立場が違う二カ国間の間の交渉でございますので、原則的な立場を申し上げているだけでは、これは交渉にはなりません。そういうことで、政府の考え方、立場、方針、そうしたものは交渉の場で相手方とやりとりをする、そういうことにさせていただいているということを御理解いただきたいと思います。

○玄葉委員 委員長、ぜひこれは理事会で、やはり過度に臆病になっていて、これでは国会で議論にならないということになってしまいます、今後もずっと、交渉中。だから、一体どこまで議論できるのかということについて、前向きな理事会での議論をお願いしたいんですけれども、いかがですか。

○若宮委員長 かしこまりました。

ただいまの件につきましては、理事会で引き取らせていただきます。

○玄葉委員 委員長、最後に。

ぜひこれは、最低限の説明責任は負っていただきたいと思います。それは確かに、機微だから、どこまで言っていいんだろうかということは常にある意味緊張した答弁を強いられることにはならざるを得ないと思いますけれども、それも外務大臣の私は務めだというふうに思います。

私は、今のままいくと、今からもう予言しておきますけれども、二島で最終決着になる可能性がはっきり申し上げて高いというふうに思います。

ですから、さまざまな懸念を持たざるを得ない今回の交渉であるがゆえに、しっかり国会で議論していく必要があるというふうに思います。

以上です。ありがとうございました。

外務委員会で質問に立ちました。(平成30年11月14日 議事録)

 ○玄葉委員 無所属の会の玄葉光一郎です。

 まず、米軍の再編、特に日米同盟の抑止力を維持しながら沖縄の負担を軽減していくということは、大変重要なテーマだというふうに思います。その関連で、特に、普天間の移設の問題とグアム移転、沖縄にいる海兵隊のグアム移転問題と、嘉手納以南の土地の返還の問題、この三つの相互関連性についてお尋ねをしたいというか、確認をまずしていきたいというふうに思います。というのは、十月だったと思いますけれども、菅官房長官が、この三つがまるでリンクをしているかのような発言があったというふうに記憶をしています。改めて確認をしていきたいというふうに思います。

 つまり、2012年4月に2プラス2があったわけでありますけれども、それ以前は、今申し上げた普天間の移設の問題とグアム移転問題と嘉手納以南の土地の返還の問題は、まさに三つの措置はパッケージとして相互に関連をしていたというふうに承知をしています。

 普天間の移設が進展をしなければ、沖縄にいる海兵隊のグアム移転も進まない、あわせて嘉手納以南の土地の返還も進まない、そういう関連性があったというふうに思いますけれども、2012年の4月の2プラス2の合意によって、このパッケージ、三つのパッケージを解いて、普天間の進展を切り離して、グアムの移転の問題、さらには嘉手納以南の土地の返還を進めていくということにしたというふうに私は認識をしているところでありますけれども、外務省にまずお尋ねをしたいと思います。

 グアムの協定改正議定書というのがつくられました。今申し上げた2012年4月の2プラス2の合意を受けて、平成25年10月3日署名、平成26年4月23日国会承認、平成26年5月24日交換公文の交換が行われておりますけれども、この主な改正内容について御説明願います。

○船越政府参考人 お答え申し上げます。                                            

 改正されましたグアム協定の規定によりまして、まず、議員御指摘のとおり、日米安全保障協議会が2012年4月27日付の共同発表におきましてロードマップにその概要が示された計画を調整することを決定し、並びにその調整の一部として、第三海兵機動展開部隊の要員の沖縄からグアムへの移転及びその結果生ずる嘉手納飛行場以南の土地の返還の双方を普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離すことを決定したことを想起しという前文にさせていただきました上で、第三条、第九条の中で、移転は、ロードマップに記載された普天間飛行場の代替施設の完成に向けての日本国政府による具体的な進展にかかっている等の規定を削除したところでございます。

○玄葉委員 今御説明がございましたけれども、グアムの協定改正議定書は今の説明どおりでありまして、その前の、いわゆる改正前の議定書というのは、手元にございますけれども、06年の再編実施のためのロードマップをもとにして、2009年に、たしか中曽根当時外務大臣とヒラリー・クリントンさんが署名をしている、たしか2009年にですね、そういうものだと思います。

 この改正前の議定書というか、この協定だと、今お話しのように、まさに、普天間が進展しなければ、グアムの移転、沖縄にいる海兵隊のグアム移転、八千人の海兵隊のグアム移転も、いわば、普天間の進展がなければ進まない、それに伴って、嘉手納以南の土地の返還も進まないという趣旨のことが、前文にも三条にも九条にもそれぞれ書かれているわけであります。

 しかし、2012年4月、これは私も外務大臣でありましたけれども、2プラス2の合意がございました。きょう手帳を見てひもとくと、2011年の12月の19日のようでありましたけれども、日米の外相会談がワシントンDCでありまして、この三つのパッケージを解くことについて局長間で検討をスタートさせようということで、ヒラリー・クリントン当時の国務長官と合意をしたことが始まりだったというふうに記憶をしています。そのときはプレス発表はいたしませんでしたけれども、その後調整が進んで、2012年の2プラス2で合意を見たということであります。そのときの思いというのは、いわば膠着状況がありましたので、何とか打開の糸口を探りたいということもありましたし、本来この問題というのは沖縄の負担の軽減が先行されるべきなのではないかという思いもあって、もちろん日米それぞれの思惑が一致したということもあると思いますけれども、そういう思いの中で合意に至ったというふうに思っています。 もう一つ確認ですけれども、それでは、嘉手納以南の土地の返還というのは、その後、進んだんでしょうか。

○船越政府参考人 お答え申し上げます。

 嘉手納以南の米軍施設・区域につきましては、2012年の2プラス2の合意の後、2013年に沖縄統合計画を作成いたしました。その作成計画に基づきまして、具体的には、例えば、これまでに、西普天間住宅地区、これは約51ヘクタールでございますが、の返還が平成27年3月に実現したほか、平成27年12月には、地元からの返還要望が特に強かった市道用地としての普天間飛行場の一部、これは約4ヘクタールでございます。また、渋滞緩和のための国道拡張を目的とした牧港補給地区の一部返還、約3ヘクタールの前倒し返還を決定し、平成29年7月、平成30年3月に、それぞれ返還が実現しているところでございます。この返還は、それぞれ人口が非常に多い地域での返還であると承知しております。

○玄葉委員 まさに、普天間の進展にかかわらず、嘉手納以南の土地の返還も進んでいるということでございます。ちなみに、先ほどの2プラス2、2012年の2プラス2の合意後、3年後に、このグアム協定の改正議定書が署名されるわけでありますけれども、そのときの署名は、2プラス2ですから、小野寺さんもここでまさに署名をされているわけです。改めて外務大臣に確認をいたしますけれども、普天間の移設の進展と、沖縄にいる海兵隊のグアム移転と、嘉手納以南の土地の返還というのは、この3つのパッケージは、まさにパッケージではなくて、パッケージは解かれている、リンクしていないという認識でよろしいですか。

○河野国務大臣 そういう認識でよろしいかと思います。

○玄葉委員 私もそう思います。そのことで沖縄の負担をしっかりと軽減をしていって、沖縄の理解を得ていくということが大切だと思うのですが、なぜ菅官房長官は、まるで普天間の移設が進展をしなければ、グアムの移転の問題も、あるいは嘉手納以南の土地の返還も進まないぞ、3つはリンクしているぞというような趣旨の発言に聞こえたのでありますが、そういう発言をしたのでしょうか。

○河野国務大臣 かつて普天間飛行場の移設問題がなかなか進展しない中、米国議会において、米国防授権法により、グアム移転事業に係る資金支出が凍結されたことがあり、また、当時の仲井真沖縄県知事が辺野古の埋立承認を出し、目に見える形で工事が進んだときに、米国議会において、米国防授権法による資金凍結が解除されたということがありました。御指摘の官房長官の話は、結果的にはリンクしているんではないかということで、官房長官がそうおっしゃったのではないかというふうに認識をしております。

 

○玄葉委員 私は、その認識は間違いだというふうに思います。普天間の移設の進展とかかわりなく嘉手納以南の土地の返還とグアムの移転というのは進んでいくというふうに取決めがなされて、それは今なお生きているということでございます。ちなみに、2014年の資金の凍結解除、これは議会のですね、というのはもともと、私も在職中、覚えておりますけれども、アメリカ政府が米議会にグアムの移転計画というものを出せと言われていたのを出さなかったという経緯が実はあったんですね。それを出したから資金の凍結解除がなされたのであって、そこは菅官房長官の認識が私は間違っているというふうに思いますし、そのことを殊さら、今、官房長官として、しかも沖縄担当として発言をしない方がいいというふうに思います。

 つまりは、まるで沖縄を恫喝するかのように、普天間の移設が進まなければグアムの移転もしないぞ、沖縄の海兵隊は減らないぞ、あるいは嘉手納以南の土地の返還も進まないぞというふうに聞こえてしまいますからね。ですから、私は、これは、官房長官は本来慎重な方ですけれども、不用意な発言だったなというふうに指摘をしておきたいというふうに思います。

外務大臣、何かあったら御発言いただけますか。

○河野国務大臣 しっかりと政府として、普天間飛行場の移設が行われ、返還ができるように努力してまいりたいと思います。

○玄葉委員 ぜひ、普天間の移設の問題は問題として、先ほど申し上げたように、海兵隊のグアムへの移転、嘉手納以南の土地の返還、沖縄の負担の軽減、これをぜひ進めてもらいたいというふうに思います。

次に、きょう与野党から、それぞれ外相専用機の話が出ておりました。

先ほど聞いていて、お昼に質問通告というか、聞くかもしれないということで外務省に一報を入れたのでありますけれども、外務大臣の意見は私はよく理解をいたします。おっしゃったように、特に、島嶼国を訪問するとか、あるいはアフリカの横移動だとかというのは非常に効率が悪いということで、なかなか外務大臣が多くの国を回りにくい、トランジットに時間がかかるというのはそのとおりだと思います。外交力強化の一環として、あるにこしたことはないというふうに私も思っています。ちょっとお聞かせいただきたいのは、お昼に申し上げたんだけれども、ほかの国、特にほかの先進国なんかでは外相専用機というのはどういうふうになっているかわかりますか、答えられますか。

○河野国務大臣 多くの場合、閣僚の飛行機というものを政府が何機か持っていて、それを使うというふうに承知をしております。ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、こうした国々は、政府専用機を首相、外務大臣あるいはほかの閣僚が共用する、アメリカの場合には、政府専用機を大統領以外の政府の人間、閣僚で共用しているというふうに理解をしております。

 カナダの場合は、通常は商用機でありますけれども、制度的には閣僚も政府専用機を使用できる、外務大臣も、商用機が利用できない場合に限定的に政府専用機を利用しているというのが、主なG7の外務大臣の専用機の利用方法というふうに承知しております。

○玄葉委員 実際に閣僚が出張するというのは、首相以外でいうと、外務大臣が一番多いと思いますけれども、財務大臣も多い、経産大臣も多い、防衛大臣も多いと思います。ですから、例えば関係各省庁の予算を効率化して、外相専用ということではなくて要人専用という形で、兼用で持つ。結果としては外務大臣が一番使うことになると思いますけれども、それも一つの方策ではないかなというふうに提案をいたしますけれども、外務大臣、いかがお考えですか。

○河野国務大臣 外務大臣専用機と言っておりますが、当然に、外務大臣が365日飛んでいるわけでもございませんし、御指摘ありましたように、防衛大臣、経産大臣、財務大臣、その他の大臣も今、海外出張が頻繁に行われる時代でございますから、これは閣僚の間で必要な者が使うということに、恐らくそうするのが一番自然なんだろうというふうに考えております。

○玄葉委員 私もこれは、外務省にというよりは政府全体に善処を求めたいなというふうに思います。

次の質問ですけれども、日米の、実質FTAだと私は思いますけれども、新しい通商交渉についてお伺いをしたいというふうに思います。

まず結論的に一言、まず冒頭申し上げたいのは、ぜひ、言葉で逃げるのではなくて、私はこの間の議論を聞いていて、これはFTAだなと思いました。だとすれば、FTAだということを認めて、言葉で逃げないで、内容で勝負をするというのが本来だというふうに思っていますので、その観点から質問をさせていただきたいと思います。

まず、今申し上げたように、なぜ、これは実質FTAなのに、何と言っているんですか、トレード・アグリーメント・オン・グッズ、TAGというふうに言っているのか、説明願います。

○河野国務大臣 我が国はこれまで特定の国や地域との間で物品貿易やサービス貿易全般の自由化を目的とする協定をFTAというふうに呼んでまいりました。今回の日米の交渉は、トランプ大統領と安倍首相の間で合意をされた枠内で交渉するというものでございますので、これまで我々が申し上げてきたFTAという用語ではなく、TAGというふうに呼んでいるわけでございます。

○玄葉委員 今、おっしゃったのは、安倍さんとトランプさんが交渉した範囲がそうだからということのようでありますけれども、多くの人がもう指摘をしていますけれども、日米共同声明の、日本語で読んでも、大体、英文で読めばそうだという指摘が多いんですけれども、日本語で読んでも、私は実質FTAだというふうに言わざるを得ないのではないかというふうに思います。

つまり、日米共同声明の第三項では、物品プラスサービスを含めた早期に結果が出せる重要分野の二つの交渉を同時にスタートさせるということが三項に書いてあって、四項には、それが終わったら、今度はほかの貿易・投資の事項についても交渉する、こう書いてあるわけです。普通に考えれば、合わせわざ一本というか、普通ならFTAだというふうにいうわけでありますけれども、最初の部分だけを取り出して、TAGだということで、小手先というか目くらましというか、そういうことは私はやめた方がいいというふうに思いますが、これは担当は内閣府なのでしょうか、副大臣、来ていれば、答弁願います。

○田中副大臣 お答えいたします。

 まず、9月末の日米合意でありますが、これは、日米交渉を進めるに当たっての基本的な枠組みですとかお互いの立場を確認したものであります。具体的な交渉はまさにこれからでありますが、今回のTAG交渉、これは基本的にはグッズ、物品、これを対象とするものであります。その上で、これとあわせて早期に結論が出るものについても交渉するということで合意しましたが、しかし、これは、例えば通関の手続ですとか貿易の円滑化に関する措置、あるいは輸出入の手続の透明性の問題など、物品と同じタイミングで結論が出せる分野に限定されているものと考えております。一方、金融とか保険などのサービス分野では、やはり、制度改正を要するものは、交渉に時間がかかって、交渉の対象にはならない。

 また、四項の部分でありますが、これは、物品の交渉が完了した後に協議することとした、その他の貿易や投資の分野についても、どの分野を交渉するか、これは、その交渉の範囲も決まっていませんし、この分野で協定を結ぶと決めたわけでもありません。

 したがいまして、今回の合意は、これまで我が国が結んできた多くの協定とは異なって、サービス貿易全般をカバーするFTA、さらにルール分野も含むEPAとは言えないものであります。その先のまた包括的FTA、これを前提とした合意でないというものも、この共同声明の内容からも明らかであると思っております。

○玄葉委員 全く明らかじゃないと思います。

経産副大臣もお務めなんでしょうかね、副大臣は。そうではない。経産省のホームページを見ますと、FTAについて何と言っているかというと、関税の撤廃、削減を定めるFTA、関税だけでなく知的財産の保護や投資ルールの整備なども含めたEPA。関税のFTA、より幅の広いEPA、こういうふうに言っているわけです。いわば包括的なFTAをEPAというふうに、ホームページでそう定義をしているんですね。だから、私は本当に、ある時期にもう言葉で逃げるのはやめた方がいいというふうに思います。

ちなみに、WTOとの整合性を説明してください。

○山上政府参考人 お答えいたします。まず、WTOとFTAの関係でございますが、WTOの条文上は、FTA、フリー・トレード・アグリーメントということで、定義条項が設けられているわけではございません。ただ、ガット二十四条八項に、自由貿易協定ではなくて自由貿易地域ということで定義がございます。

 実際、この二十四条を満たしているかどうかという適合性の問題と、満たしているものをFTA、自由貿易協定と呼ぶかどうかという問題については、直接の関係はないと理解しております。

○玄葉委員 これは当然、山上さんでもいいんですけれども、日米物品協定と例えば呼んだとして、ここで決まったことというのはWTOの例外として認めてもらう、つまりは、最恵国待遇、内外無差別、つまりは、日米に適用されるものであって、日米以外に全て適用されるものではないという意味で例外として認めてもらう、こういう理解ですね。

○山上政府参考人 お答えいたします。

TAGが一体どういうものになるのかというのは、まだこれから交渉していくものでございますので、交渉の結果次第であるということかと思います。ですので、もちろん、日本政府の立場としては、いかなる、どのようなものをつくるにしても、それがWTO協定と整合的でなければならない、こういう基本的な立場に立って交渉を進めてまいりたいと考えております。

○玄葉委員 ちょっと冒頭の、初めの部分というのは、私、よく理解できませんでした。つまりは、基本的に、ここで決まったことはWTOの例外として認めてもらうという前提で交渉しているものだろうというふうに私は認識をしています。ちなみに、先ほどの説明でいうと、いわゆるWTO、ガットの中でいう自由貿易地域であることは、このTAGで定められる協定は自由貿易地域ということで認識していいんですね、それは。

○山上政府参考人 お答えいたします。この点も、日米間でどういう交渉結果をまとめるかということでございますので、今の時点で、できるものがガット二十四条八項に言う自由貿易地域に当たるかどうかということは、予断することはできないと考えております。あくまでも一般論で申し上げますけれども、委員おっしゃるように、このガット二十四条八項というのは、ガットの一条にございます最恵国待遇の原則の例外として認められているものでございます。ですので、仮に、日米間で合意する内容、これを最恵国待遇を適用する、他の国にも均てんするということであれば、二十四条八項の問題にはならないという面もございます。こういったことも含めて、日米間で交渉して決めていくということを申し上げている次第でございます。

○玄葉委員 ちょっと私、この点は驚きですね。ほかの国にも全て適用していくような協定を日米で今つくり上げようとしていると。物品の関税とかですよ。本当にそうなんですか。これは、担当副大臣、そういうことなんですか。

○田中副大臣 まず、交渉は、今申し上げたように、まさにこれからということであります。そういった意味では、現時点での交渉の具体的な結果、これはやはり予見することは困難であるということでありますが、ただし、いかなる貿易協定も、やはりこのWTO協定と整合的である必要があるもの、そのように考えております。

○玄葉委員 ちょっときょうの議論は驚いたんですけれども、私は、このTAGとやらは、WTO、ガットの例外として扱われることを想定しているのだろうというふうに認識をしておりました。WTO上例外を認めているのは、いわゆる自由貿易地域というものでありますから、当然、そういうこととして取り扱われるということを想定して交渉しているのだろうと思いましたけれども、それは違うということでありましたので、それはそれでそういう認識だということで、まず、きょうのところは受けとめたいと思います。

もう時間が来ているのですけれども、いろいろな注文があります、この問題は。まず、農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であることを、これは成果として政府は宣伝をされておりますけれども、逆の見方をすれば、これは逆に言えば、早くもそこまで譲歩したというふうにとれなくもない。ある意味、トランプさんに、中間選挙に向けてのプレゼントかなとすら私は思ったんですね。というのは、御承知のとおり、アメリカの畜産団体、これはかなり焦っています。つまり、オーストラリアとのEPAによって、牛肉はどんどんどんどん、オーストラリアから入ってくる関税は下がっています。今度、EUと日本がEPAを結びますので、デンマークから安い豚肉が入ってきます。そうすると、アメリカは、とにかく早く何らかの形で成果を得ないと不利になる、こういうことになるわけですね。ですから、ある意味アメリカの足元を見ながら、本来だったら交渉できるわけですけれども、その最大のある意味切り札を最初の段階で切っちゃったというふうにも言えなくもないと私は思っていますし、もう時間がないからやめますけれども、アメリカからTPP協定交渉の中でかち取ったというか、得られた2.5%の自動車の関税は当然いずれ0%にする、トラックの関税はいずれ、今30パーですか、25パーか、25パーをゼロにするということは当然かち取らなきゃいけないというか、取らなきゃいけない分野だというふうに思いますので、この点は注文にきょうのところはとどめて、指摘に終えたいと思います。

 以上、私の質問を終わります。ありがとうございました。

 

 

福島民報インタビュー記事

9月15日付 福島民報にインタビュー記事が掲載されました。

民進党総合選対本部 本部長代行として、次期衆院選に向けた抱負などをお話させて頂きました。

 

 

 

6月5日、BS日テレ「深層NEWS」に出演します。

6月5日 (月) 22:00~23:00

BS日テレ 「 深層NEWS 」 に生出演します。

http://www.bs4.jp/shinsou/

※北朝鮮情勢、トランプ政権と日米関係等について小野寺五典 衆議院議員(自民党)と             議論させて頂きます。

是非ご覧頂ければと思います。

5月10日、BS日テレ 「 深層NEWS 」に出演します。

5月10日 (水) 22:00~23:00

BS日テレ 「 深層NEWS 」 に生出演します。

http://www.bs4.jp/shinsou/

※「韓国新大統領誕生で緊迫… 北朝鮮包囲網に異変か 危機回避に日本の役割緊迫 をテーマに、野寺五典 衆議院議員(自民党)と議論させて頂きます。

是非ご覧頂ければと思います。

7~9月の映画

 

 

日経新聞インタビュー記事

【7月9日 日経新聞朝刊】

7月8日(金)、参院選の投票日を2日後に控え、選挙情勢についてお話させて頂きました。

 

共同通信インタビュー記事

【 5月1日 共同通信 配信 】

選挙対策委員長として、参院選に向けた戦略等をお話しさせて頂きました。

平和安全法制に関する特別委員会(平成27年6月1日 議事録)

平成27年6月1日 衆院 平和安全法制に関する特別委員会 

○玄葉委員 玄葉です。
 先ほど後藤さんが質問をした点、大事な論点だと思うんです。つまり、軍事的な影響あるいは波及、観点、脅威がない中で、自衛隊が地球の裏側まで行って集団的自衛権を行使するのかしないのか、これは詰めていかなければならない論点の一つではないかというふうに思います。
 先ほど岸田外務大臣が、九八年の高野北米局長の答弁が維持されている、その答弁について撤回する、しないという議論がありましたが、それは後藤さんにお任せいたしますが、その質問が出たので、その当時の議事録を読んでおりました。ガイドラインは九八年に議論をいたしましたけれども、まさに岸田外務大臣もおっしゃった、法制定のときの議論の最終盤の議事録をずっと読んでおりましたらば、こういう議論でございます。
 つまりは、高村国務大臣、外務大臣だと思いますけれども、「法案の中で平和と安全といった場合に、それはやはり軍事的観点が中心になると思われますので、単に経済的側面だけから、それが日本にとって大変重大な影響を及ぼすとしても、この場合の日本の平和と安全ということにはならないのだろう、軍事的観点を中心とした概念である、こういうふうに思っております。」、こういうふうに答弁されています。
 これは、まさに軍事的な波及、影響なしでは周辺事態たり得ないということを言っている意味だろうというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○岸田国務大臣 軍事的観点ということでありますが、周辺事態というのは、日本の平和と安全に重要な影響を与える場合で、経済的のみならず軍事的な観点も含めて日本の平和と安全に重要な影響を及ぼす場合をいう、これは政府としての考え方ですが、要するに、観点、この事案の中に軍事的な観点がどこにも存在しない、経済的な観点のみであるならば、こうした周辺事態には該当しない、これが政府の見解であると認識をしています。

○玄葉委員 おっしゃったように、少なくとも、軍事的観点中心の概念であるというこの答弁は、当然、これは重要影響事態でもまさに維持されているということでよろしいですね。

○岸田国務大臣 結論から言いますと、重要影響事態でも同様であります。
 軍事的な観点がなく、経済的な観点のみであったならば、これは該当しない、これが基本的な考え方であります。

○玄葉委員 まさに今おっしゃったように、重要影響事態の定義というのは、周辺事態の定義から「我が国周辺の地域における」という言葉を削除しただけでありますから、おっしゃったとおり、重要影響事態というのは、やはり周辺事態同様、軍事的観点を中心とした概念であるというふうに言わざるを得ないということだろうというふうに思います。
 あわせて申し上げれば、そうなると、これまで御議論あったように、存立危機事態というのは重要影響事態をより深刻にした概念である、事態であるという答弁がなされているわけでありますから、論理必然的に考えると、どうしても存立事態も軍事的な観点中心の事態と考えざるを得ないというふうに思いますけれども、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 存立事態は、そもそも三要件がございまして、我が国に武力攻撃が発生したこと、あるいは我が国と密接な関係に対して武力攻撃が発生したことでございますから、これはまさに武力攻撃が起こったということでありますから、軍事的観点そのものでございます。

○玄葉委員 まさに今冒頭申し上げたように、総理御自身が盛んに具体例として挙げられたホルムズ海峡の機雷掃海というのは、果たして軍事的観点を中心とした概念である存立危機事態に入るのかどうか。明白な危機といった場合の事態の性質、ここがまさに問題なのでありますけれども、やはり存立危機事態は軍事的観点中心の概念である、こういうふうに断言していただけますか。

○安倍内閣総理大臣 まさに我が国に対する武力攻撃が発生した、そして我が国と密接な関係にある国に対する武力攻撃が発生した、そのことによって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由そして幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険という状況が第一要件に定められているわけであります。
 すなわち、我が国に対する武力攻撃が発生したこと、あるいはまた、我が国と密接な関係にある国に対する武力攻撃が発生したこと。
 つまり、武力攻撃が発生しているんですから、軍事的な観点であるということは明らかでございます。

○玄葉委員 それはつまり、軍事的観点、軍事的影響、軍事的波及、軍事的脅威、それぞれ言葉があるわけでありますが、先ほど来から、これは軍事的観点といえば、例えばホルムズ海峡による機雷掃海は、直接の軍事的脅威はないけれども、軍事的観点といえば存立事態になり得るのだ、しかし軍事的脅威はない、こういうことですか。

○安倍内閣総理大臣 つまり、機雷を敷設するということは、これは武力行使に当たります、国際法上。そして、機雷について、いわばこれを当該敷設した国が停戦を行い、しかし、もうこの機雷について、いわば武力行使の一環としてここにある、存在するものではないということが明らかになってきた中においては、これは遺棄機雷でありますから、こちらがそれを排除することは武力行使には当たらないわけでございます。
 ですから、機雷掃海を行えば常に当たるということでもありませんし、常に集団的自衛権の行使たり得るということでもありません。
 そこで、私たちが申し上げていることは、しかし、国際法上まさに武力行使が行われて、機雷掃海ではありますが、国際法上これは集団的自衛権の行使たり得るという中において、しかし、これは受動的であり、制限的であるから、第三要件にも当たり得る。ただ、第一要件に当たるかどうかというのは総合的に判断をしていかなければならないわけでありますが、今、玄葉委員が議論をしておられる観点からいえば、まさにこれは武力攻撃に当たっているということでありますから、軍事的な観点からもこれは武力攻撃が発生したということであろう、密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したということであろう、このように思います。

○玄葉委員 私は、軍事的な脅威が日本に及ばない中で、ホルムズ海峡まで行って、集団的自衛権の行使として武力行使を行うというのはやはりどうなのか、こういうふうに思っているところであります。
 また、別の観点からこの重要影響事態法について質問させていただきますが、周辺事態法は日米安保条約の枠の中、範囲内であったわけでありますけれども、この重要影響事態法は日米安保条約の目的を超えたという理解でよろしいですか、外務大臣。

○岸田国務大臣 現行の周辺事態法ですが、まず、周辺事態は地理的概念ではありませんが、この制定時において、中東あるいはインド洋において生起することは現実の問題として想定されない、このように答弁をしてまいりました。そして、周辺事態法では、支援の対象は、日米安保条約の目的達成に寄与する活動を行う米軍に限られておりました。
 一方、重要影響事態については、まず、地理的概念でないこと、これは周辺事態と同様であります。そして、安全保障環境が大きく変化した現在においては、重要影響事態が生起する地域からあらかじめ特定の地域を排除する、これは困難である、このように考えております。
 そして、安保条約との関係でありますが、重要影響事態における後方支援活動の実施に当たっては、あくまでも日米安全保障条約の目的の達成に寄与する活動を行う米軍への支援となりますが、これに限られるものではない、このように考えております。
 具体的に申し上げるならば、重要影響事態に対処する上では、日米安保条約の目的の達成に寄与する活動をする米軍だけではなくして、国際の平和と安全の確保という国連憲章の目的の達成に寄与する活動を行うその他の外国軍隊等との連携を強化すること、このことが我が国の平和及び安全を確保する上で不可欠である、このように考えているところであります。

○玄葉委員 そうすると、日米安保条約の目的は超えたということですね。

○岸田国務大臣 今御説明させていただいた意味におきまして、日米安全保障条約の目的達成に寄与する活動を行う米軍への支援に限られるものではない、このように考えております。

○玄葉委員 目的は超えたということですね。

○岸田国務大臣 今申し上げたとおりであります。
 こうした米軍への支援に限られるものではない、これが重要影響事態であります。

○玄葉委員 周辺事態安全確保法では、日米安保条約の「効果的な運用に寄与し、」ということで、まさに日米安保条約の枠内であったわけですけれども、今回は目的を超えたのだということだと思います。つまりは、地理的概念が取っ払われたということと、同時に、支援対象が、今おっしゃったように、国連憲章に寄与する外国軍隊。
 この外国軍隊というのはどこを想定していますか。

○岸田国務大臣 この外国の軍隊については、個別具体的に事態を総合的に勘案した上での判断となります。事前にこの国であるということを決めているものではないと承知をしています。

○玄葉委員 例えば、オーストラリア軍とかインド軍だとかということではないかと思いますが、日米安保に寄与していない米軍、これも含みますか。

○中谷国務大臣 含まれます。
 この法の目的が、我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態という場合の外国軍隊の支援ということでございます。

○玄葉委員 そうすると、ぜひ政府に申し上げたいんですけれども、日米安保条約の枠内であった周辺事態法、目的を超える重要影響事態法、目的を超える具体的なケースをぜひ出してもらいたい。
 言葉を言いかえれば、周辺事態法には当たらないけれども重要影響事態には当たる、こういうケースを具体的に示していただけますか。

○安倍内閣総理大臣 具体的に申し上げれば、重要影響事態に対処する上において、先ほど来答弁をしておりますように、日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行っている米軍だけではなくて、国際の平和と安全の確保という国連憲章の目的の達成に寄与する活動を行っているその他の外国軍隊等との連携を強化することが我が国の平和及び安全を確保するために不可欠であるという考え方でございます。
 また、ある事態が重要影響事態に当該するか否かは、その事態の規模、態様、推移等を総合的に勘案して、個別具体的に判断するわけでございまして、一概にこれが当たるということは申し上げるのは困難でございますが、しかし、その上であえて申し上げれば、例えば、仮に中東、インド洋などの地域で深刻な軍事的緊張状態や武力衝突が発生した場合であって、我が国に物資を運ぶ日本の船舶に深刻な影響が及ぶ可能性があり、かつ米国等がこうした事態に対応するために活動をしている状況が生じたときは、その他の状況も勘案した上で、当該事態が重要影響事態に該当することはいわばあり得る。
 ただ、これはあり得るというわけでございまして、実際には、十分に慎重な判断がなされるわけでございます。

○玄葉委員 今一つの例を総理は出されたわけです。つまり、今までの周辺事態法だったら入らないけれども、重要影響事態法だったら入り得るということだと思うんですね。それは、一つは地理的周辺が取っ払われたから。もう一つは、先ほどの議論はまだ続いているわけですけれども、重要影響事態は間違いなく軍事的観点中心の概念だということは維持されているというふうにおっしゃっていましたから、軍事的観点がその事態で、今挙げた例の中にあるのかないのかというのはわかりませんけれども、ただ、なり得るということなんだろうというふうに思います。
 これは、周辺事態法のときに、私も議論に参加しておりましたけれども、あのときには周辺事態法に当たる具体例を六類型という形で示したわけです。ですから、今回のケースも、いわゆる周辺事態法には当たらないけれども、重要影響事態法には当たるというケースを、今のようなケースをぜひ類型化して政府として出していただきたいと思いますけれども、いかがですか。

○中谷国務大臣 今後、具体的にも御議論をいたしたいと思いますが、一例を挙げますと、かつてテロ特措法、また補給支援法に基づいて、洋上における燃料補給をいたしました。あのときは、米国を含む十一カ国に対して燃料支援活動を行った実績がございますので、これに関して、我が国の重要影響事態であるかどうかという認定をした上で適用されるかどうか判断されますけれども、こういった事例等もございますが、各ケース等につきましては、今後、質疑を通じて話していきたいと思っております。

○玄葉委員 まさに冒頭議論した、いわゆる軍事的観点が入っている事態なのかどうかということも恐らく検討しなければならないのだろうと思いますけれども、確かにそれは一つの検討対象になる、いわゆる自衛隊による給油、九・一一後のですね、それもそうなのかなというふうに思います。
 ぜひ、委員長におかれましても、議論のまだ最初ですけれども、どこかの段階で具体的な例を類型化して政府に出させるようにお取り計らいをお願いいたします。

○浜田委員長 理事会で協議させていただきます。

○玄葉委員 次に、ホルムズの事態とは別次元の問題だと思いますけれども、南シナ海の事態についてお尋ねをいたします。
 この週末、シンガポールでシャングリラ・ダイアログ、アジア安全保障会議が開かれて、中谷防衛大臣が出席をされて、さまざまな発信をされました。スプラトリー諸島での岩礁の埋め立てを鋭く批判されました。私もそのとおりだというふうに思いますけれども。
 安倍総理大臣、現在、南シナ海で起きていること並びに中国の特にナインドットラインという主張について、安倍総理大臣の評価をお聞かせいただきたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 日本の基本的な立場は、力による現状変更は許せないということであります。まさに、それに対しては国際社会が一致協力して声を上げていかなければならない。
 本年のシャングリラ会合においても、中谷大臣から日本の立場について明確に申し上げたところでございますが、私も、昨年のシャングリラ会合に出席をさせていただきました。そこで、法の支配の三原則について提示をしたわけでございます。
 主張する際にはそれは国際法に基づいていなければならない、武力や力による威嚇は行ってはならない、何か問題があればこれは国際法にのっとって解決すべきだという三原則を提示いたしまして、多くの国々から支持をいただいたところであります。
 我々は、ASEANの国々、そして、米国を初め志を同じくする国々とともに、こうした考え方をしっかりと確立していかなければならない、このように思っているところでございます。

○玄葉委員 中谷防衛大臣は、東南アジアのいわゆる能力構築、キャパシティービルディングは大事だ、こういう話をされておられました。私もそれはそのとおりだというふうに思いますけれども。
 新しいガイドラインでは、平時からの協力措置が盛り込まれています。カーター国防長官は、新たなガイドラインに言及して、南シナ海問題への対処を念頭に日米協力強化を示唆したという報道がございましたけれども、例えば、現行法でもできますけれども、今後、共同計画に基づいて、南シナ海において平時からの警戒監視、これを自衛隊が行うというふうにするのですか。

○中谷国務大臣 自衛隊の任務としましては、我が国の平和と安全、国際社会の安全に関与するということでございます。
 自衛隊的に、法的に許されていることにつきましては警戒監視というものがありまして、やはりこの地域の安全、安定というのは大事なわけでございます。
 現在は、我が国周辺ということで、東シナ海を中心に情報収集・警戒監視活動をしておりますが、非常にこの地域の問題につきましては関心を有しておりまして、具体的な計画や実施はいたしておりませんが、今後の課題であるというふうに思っております。

○玄葉委員 東シナ海が手薄にならないようにだけはしなければならないと思いますけれども。
 スプラトリー諸島をめぐって中国とフィリピンが武力衝突を起こしてしまった、アメリカとフィリピンは相互支援条約がございますので、フィリピンに対して米軍がいわば加担をする、こういうことになった。場合によっては、中国が機雷を敷設する、こういうこともあり得るかもしれない。そういうケースは、存立危機事態あるいは重要影響事態、それぞれ要件が該当すればなり得るのですか。

○中谷国務大臣 存立危機事態とか、また重要影響事態について当たるかどうかということでありますが、これも、限られた要件、前提条件だけで判断できるものではなくて、また、特定の国を挙げた仮定のお尋ねでございますので、お答えすることは差し控えますけれども、該当するかどうかにつきましては、実際に発生した事態の具体的、個別的な状況に際して、全ての情報を総合的に、客観的かつ合理的に判断することになるわけでございます。

○玄葉委員 要件を満たせば、重要影響事態にもなり得るし、存立危機事態にもなり得る、こういうことでよろしいですね。

○安倍内閣総理大臣 今例として挙げられた南シナ海でありますが、基本的には、余り特定の地域についてコメントは行わないところでございますが、あえて申し上げますと、この南シナ海のケースにおいても、我が国が輸入する原油の八割、そして天然ガスの三割が南シナ海のシーレーンに依存しているのも事実であります。しかし一方、これは、ホルムズ海峡と同様ではありますが、他方、ホルムズ海峡の場合は原油を輸入する上で迂回路がない、ホルムズ海峡の場合は迂回路がございませんが、南シナ海におきましてはさまざまな迂回路があるわけでございまして、ホルムズ海峡とは、迂回路があるかないかということは大きく違うんだろうと思います。
 また、実際問題として、周辺国にとって、広い海ですから、あそこに大量の機雷を敷設するということは、これは全ての国にとっても、沿岸国にとっては大変なことにその後もずっとなっていくわけでありますから、余り想定し得ないのでございますが、今申し上げましたように、ホルムズ海峡とは違うという状況等についてはお話ししたとおりでございますが、いわば法律との関係においては、法律的には、まさにこれは三要件に合致するかどうか、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断をしていくものであります。
 ただ、今申し上げましたように、なかなか、この南シナ海というのは、それは想定し得ないのかな、これはさまざまな迂回路がある中においてどうなんだろう、このように思います。

○玄葉委員 機雷掃海以外の、例えば、いわゆる集団的自衛権の行使、武力行使、これは全く想定し得ないですか。機雷掃海以外の武力の行使、集団的自衛権の行使、これは全く想定し得ないですか。

○安倍内閣総理大臣 集団的自衛権の行使については、まさに、申し上げておりますように、これは三要件に当てはまるかどうかということに尽きるわけでございまして、我が国あるいは、まさに我が国と密接な関係にある国に対する武力攻撃が発生して、かつ、我が国の存立が脅かされ、国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険、これが存在しなければならないということでありますし、そしてまた、もちろん、これを排除するために、国の存立を全うして、そして国民を守るために他に適当な手段がないという状況に立ち至らなければならないわけであります。
 それまでは外交努力もするわけでありますし、国連の場においてしっかりと議論をしながら、そういう状況を取り除いていくという最大限の努力をする上においての判断であるということでございます。

○玄葉委員 ここに新ガイドラインがございますが、ここで言うアセット防護、これは防衛大臣、何を指しますか。

○中谷国務大臣 アセットというのは武器装備でありまして、それを防護することでございます。

○玄葉委員 例えば、そうすると、非戦闘員を退避させている米軍機、これをいわば自衛隊が警護するというか警戒するというか、そういう事態というのは存立危機事態において行われ得るということですよね。新ガイドラインのこのD項というのは「日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動」で、「武力の行使を伴う適切な作戦を実施する。」、こういうふうに言っているわけでありますから、当然そういうことでよろしいですね。

○中谷国務大臣 アセット防護については法律で規定をするわけでございますが、そこに書かれていることにつきましては一つの例示になりますけれども、我が国による武力行使を伴う作戦として行うものでございますので、憲法上、あくまで新三要件、これを満たす場合に限られるわけでございます。

○玄葉委員 当然、新三要件を満たすときが存立危機事態なので、そのときにそこまでやるかということでありますし、例示をしているわけですから、やるということですよね。これは当然、他国の領域においてもやるということですよね。

○安倍内閣総理大臣 他国の領域ということにおいては、いわば他国の領海、領空、領土ということでおっしゃったんだろうと思いますが、それについては、再三答弁させていただいておりますように、第三要件にございますように、必要最小限度を超えて実力行使をしてはならない、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことということが書いてあります。
 これは憲法との関係でございまして、その上において、一般に海外派兵は許されないというのが基本的な立場でございます。

○玄葉委員 そうすると、こういうアセット防護のようなことは、公海上は行うけれども、他国の領域については慎重に行う、こういうことですか。

○安倍内閣総理大臣 今まで再三答弁をさせていただいておりますが、まさに一般に許されないということでありますから、いわば公海におけることと他国の領海等で行うことについては、この当てはめについては、それはもう慎重の上にも慎重となる、こういうことでございます。
 これについては、既に法制局長官からも答弁しているとおりでございます。

○玄葉委員 この間、安倍総理大臣になってからの安保法制懇、十五事例というのが盛んに議論されました。
 そのときに、この十五事例のうち、事例八から十五まで、これは武力の行使に当たり得る活動である、こういうことで例示をされているわけでありますけれども、これは、存立危機事態にあってはそれぞれ集団的自衛権の行使として行うということでよろしいですね、総理大臣。

○安倍内閣総理大臣 例えば船舶検査、これは武力の行使ではございませんが、八から十五まで、これが全部武力行使ということで申し上げているわけではありません。

○玄葉委員 いや、これは武力の行使として整理されていますよ、政府の方で。

○安倍内閣総理大臣 武力行使の一環として行うということについては、一環として船舶の検査を行うということについては、これは当然三要件の中で行い得るということでございます。

○玄葉委員 基本的には、事例八から十五まで、基本的には行うということでいいですね。

○安倍内閣総理大臣 これは、今お示しになっているものが武力の行使になり得る、そして集団的自衛権の行使になり得るということについては、三要件によるということでございます。

○玄葉委員 ですから、三要件に合致したならば、これらは日本国として、自衛隊が武力の行使をこういった事例においては行うことは可能だ、こういうことですね。

○安倍内閣総理大臣 それはまさにそのとおりでありまして、そのための安保法制懇での議論を積み重ねてきたわけでございまして、集団的自衛権としての武力の行使においては三要件に当てはまらなければならないということでございますが、三要件に当てはまれば行い得るということでございます。

○玄葉委員 こういう武力攻撃を受けている米艦の防護も含めて、だんだん具体例が出てくるわけでありますけれども、これら事例八から十五、それぞれ、政府としては三要件に合致すれば行い得るのだというふうに総理大臣は答弁をされましたけれども、これは他国の領域においてもそうなのか、改めて問いたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 他国の領域につきましては、三要件の第三要件にありますように、必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、こう書いてあります。これは、いわば憲法の要請でございます。
 そこで、政府としては、海外派兵は一般に許されないという立場でございまして、武力の行使を目的としていわば自衛隊を海外派兵するということは一般に許されないという立場でございます。

○玄葉委員 本当にそれは成り立つんでしょうかね。少なくとも、今出されている法律からは読めません、今出されている法律からは。私はてっきり、他国の領域でもこれはやるのかと思いました、あの法律を読む限りでは。
 本当に、総理大臣、よろしいんですか。

○安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、いわば第三要件の、非常にこれは厳しいものでありますから、一般にというものは、ほとんど、これがまさに通例であるということ、一般にということはほとんどのものが該当していくということでございまして、ですから、その上において、果たして、では例外は何かということで念頭にあるのはまさにホルムズにおける機雷掃海でございまして、これ以外のものは念頭にはございません。

○玄葉委員 いや、念頭にないと言ったって、今、事例八から事例十五までも、これはもう行い得るのだということをおっしゃっているわけですよね。(安倍内閣総理大臣「公海でね」と呼ぶ)ああ、いわゆる他国の領域で念頭にあるのはホルムズ海峡の掃海活動だけである、あとは念頭にないということですね、それでは。
 私は、かなりこれは法律では読めないので、本当にそれでよいのかという感じがしますが、もし本当にそういうことであれば、きちっと法律に書いた方がよろしいと思います。

○安倍内閣総理大臣 つまり、これは憲法上の要請でございますから、憲法上の要請として、ここで再三答弁をさせていただいておりますように、武力行使を目的として自衛隊を海外に出す、派兵するということについて、これは一般には許されないというのが基本的な一貫した立場であります。
 繰り返し申し上げているとおりでございまして、同じ議論を実はさせていただいているんですが、その際、法制局長官からも答弁をさせていただきましたが、これは同じでございますが、いわば外国の領土、領空、領海に入っていくのは公海等とは全然要件が違うわけでありまして、まさにこれは一般に許されないという中に入ってくるわけでございますから、その中において、果たして、一般にの中においての外になる、例外に当たるものは何かと考えたときに、我々は、ホルムズ海峡しかないであろう、このように考えているところでございます。
 これは政府の見解であり、いわば憲法上の要請でございますから、既にこれは、法律にあえて書く必要はない、このように考えているわけでありますし、三要件については、三要件自体が法律に事実上書き込まれていると我々は考えているところでございます。

○玄葉委員 抑止力を高めるためにこの法案を出したのだというのでありますけれども、余りそういう答弁が続くと、本当に抑止力が向上するのかなという感じが一方でしないわけでもございません。
 別の質疑を改めてさせていただきますが、集団的自衛権が本来国際法上持っている歯どめの議論をさせていただきたいと思います。
 集団的自衛権には国際法上歯どめがございます。集団的自衛権の行使における国際法上の要件について、事前に通告しておりますので、岸田外務大臣にお聞かせをいただきたいと思います。
 まず、お答えいただけますか。

○岸田国務大臣 一般国際法上、ある国が集団的自衛権を行使するための要件ですが、三つ考えられています。
 一つは武力攻撃を受けた国からの要請または同意があること、他に適当な手段がないこと、そして必要最小限度の実力行使であること、このように一般的に考えられております。

○玄葉委員 そうすると、ホルムズ海峡における機雷掃海ケースが今回たびたび出ておりますけれども、その場合、武力攻撃を受けた国の要請または同意となると、どの国の要請または同意になるのですか。

○岸田国務大臣 ホルムズ海峡の際にどの国の要請または同意が必要なのかということですが、これは、発生した場所によって、その領海を領有している国になるかと思います。

○玄葉委員 普通、ホルムズの海峡というのは、まさに先ほどの機雷を敷設する蓋然性という話が南シナ海とホルムズ海峡でありましたけれども、ホルムズ海峡の場合だったら、イランかオマーンしか、あの領海を見ればないと思いますけれども。

○中谷国務大臣 その前に、この法律上は、我が国と密接な関係にある国に武力攻撃が発生したということで、その国から要請を受けたということがまず前提です。

○玄葉委員 ですから、ホルムズ海峡の機雷掃海のケースはどこの国ですか。

○安倍内閣総理大臣 それは、例えば、敷設をされてしまった、いわば領海が属するオマーンあるいはイラクでございますが、同時に……(発言する者あり)イランでありますが、オマーンとイラン、また同時に、例えばここを航行していて触雷してしまうということが発生した場合、触雷した場合もこれは想定し得るだろう、このように思います。
 いずれにせよ、あらかじめ今それを特定することはできないと思います。

○玄葉委員 これ、本来、集団的自衛権を行使する際の、今、三要件、三要件と政府はおっしゃっているのでありますが、これも極めて大事な要件だと思うんですね。要請または同意、これがなければできないわけですけれども、なぜこれを四要件として入れないんですか。

○岸田国務大臣 集団的自衛権の行使をするに当たって、この要件、三要件に加えてもう一つ、要請、同意、こうした要件を入れるべきではないか、こういった御質問です。
 武力攻撃を受けた国の要請または同意が必要なこと、これは、先ほど申し上げましたように、国際法上、当然の前提であります。こうした国際法を遵守するということ、これは大前提であり、こうした国際法の遵守、国際法の原則においては、従来の法制におきましても、国際法を遵守する、これは当然のことでありますが、具体的に国際法上の要件を法律の中に明記していない、こういったケースは多々あると思います。
 我が国として、武力行使をする新三要件、これは、国際法上、国際法を遵守する、これは当然のことであるということ、これは再三申し上げているとおりであります。実態は、こうした国際法上の要件に加えて、我が国が武力行使を認められるのは、新三要件、国民の命や暮らしを守るために他に手段がなく、そして必要最小限の場合に限られると考えております。

○玄葉委員 要請または同意は当然である、こういうお話でありますけれども、これは国際法上の要件ですけれども、自衛権の三要件に似ているんですね。二は、他に適当な手段がない、三必要最小限の実力行使。二と三は一緒なんですよ。
 だったら、いわゆる存立を脅かす事態であるというだけでいいという話になっちゃいますよ、当然のことだということであれば。この二、いわゆる他に適当な手段がない、必要最小限度の実力行使、これも当然のことだと言ってしまえば、まさに存立危機事態の三要件のうちの第二要件、第三要件は要らないという話になっちゃいますよ。

○安倍内閣総理大臣 これは、今議論しているのは国際法上の要請でございまして、まさに三要件につきましては、憲法上の要請においてこれは設けられた要件でございまして、この趣旨は法律に書き込んでいる。
 当然、集団的自衛権の行使がなぜ許されるかというと、これは国際法上合法である。合法の中においての要件としていわば要請があるということでございまして、攻撃を受けた国の要請または同意は、我が国が独自にこれを法律で定めるまでもなく、国際法上の明確な要件であるということでございます。このため、存立危機事態の要件として重ねて規定する必要はないと考えております。
 なお、存立危機事態に至ったときは、政府は、対処基本方針を策定し、直ちに国会の承認を求めることになりますが、対処基本方針には存立危機事態の認定の前提となった事実を明記することが法律上義務づけられています。このため、攻撃を受けた国の要請または同意については、この認定の前提となった事実として明記することになる、このように思います。

○玄葉委員 私は、やはりしっかり、同意または要請があるというのは一つの歯どめですから、きちっと入れるべきだと思います。
 最後に、問題提起だけしておきますが、国連憲章五十一条、集団的自衛権行使が許されるのは安保理措置がとられるまでの間に限定されているということを明確に規定しているわけでありますが、ホルムズ海峡の機雷掃海のケースで、途中から集団安全保障措置になった場合は、そのまま集団安全保障としての活動を行うのか、撤収するのか、イエスかノーかで結構ですから、お答えください。

○安倍内閣総理大臣 それは、集団的自衛権の行使から、今委員がおっしゃったような条件が整って集団安全保障措置に変わったとしても、それが三要件であり続ければ、当然、機雷掃海は行い続き得るということであります。
 これは、例えば、個別的自衛権を発動している中において、安保理の決議があって、それが集団安全保障措置に変わったとしても、個別的自衛権の行使をやめるわけではないのとこれは同じ理屈というふうに御理解をいただければと思います。

○玄葉委員 集団安全保障措置を行う、集団安全保障活動としての武力の行使を行う要件と、自衛権の要件が同じであるというのは、私は何か腑に落ちないんですね。
 つまり、今、そういうことでしょう。つまりは、集団安全保障活動を行っていて、そして新三要件に該当しなくなれば、撤収するということでしょう。そうじゃないんですか。撤収しないんですか。

○安倍内閣総理大臣 まず、新三要件に該当しなくなれば、これは終わります、撤収する。しかし、当たれば、例えば、集団的自衛権の行使の一環として機雷掃海を行っている、しかし、そこで国連決議等々があって、これは集団安全保障措置となったとしても、三要件に該当すれば、当然それは継続するということであります。
 それで、個別的自衛権の話を例に出しましたのはわかりやすくするためでありまして、我が国に攻撃があって、日本が個別的自衛権の発動をしている、これは集団安全保障措置がとられるまでの間でありますが、しかし、それは、国連決議があって集団安全保障措置として行うということになったとしても、日本が個別的自衛権の行使を、なったらやめるということにはならない。要件が整っていれば、日本に対する武力攻撃が続いているのであれば、当然、個別的自衛権を行使し続けるのと同じこれは理屈であって、そのまま要件が続くのであれば、当然続いていくという理屈になっているというふうに御理解をいただきたいと思います。

○玄葉委員 いや、これは、要は、集団的自衛権の三要件に該当するのでホルムズ海峡で機雷掃海をしています、途中、安保理決議がありました、安保理決議があって、今度はもう集団的自衛権の行使はできないわけですよね。少なくとも行使はできない、これは国際法上の要請です。そうすると、集団安全保障措置の活動に変わりますね。そうですよね。それは確認できますね。

○安倍内閣総理大臣 それは、つまり……(玄葉委員「そのとおりでしょう」と呼ぶ)そのとおりでありまして、つまり、正確に言うと、武力行使を続けるということでありまして、その武力行使を続ける形態が、先ほどもちょっと言い間違えましたけれども、個別的自衛権が集団安全保障措置に変わった中における武力行使が続くということでありまして、集団的自衛権におきましても、集団的自衛権が集団安全保障措置になれば、集団安全保障措置の中の武力行使が続く、こういうことでございます。

○玄葉委員 だから、そうすると、冒頭私が申し上げたように、集団安全保障措置を行うための、集団安全保障措置としての武力の行使を行うための要件が事実上重なっているわけです、集団的自衛権行使の要件と。それは私は奇異に感じるというか、腑に落ちないところがある。
 だから、これは恐らく、私は、国際法上からの議論が未整理というか熟していないままここに出されてきたんじゃないかという不安があるんですよ。だから、聞いていまして、だから今、総理も、いろいろどうしても混同してしまうというところがあります。ですから、これは問題提起としてきょうは申し上げておきたいと思います。
 以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。

 

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外務委員会(平成26年4月25日 議事録)

○玄葉委員 民主党の玄葉光一郎です。
 外務大臣、御苦労さまでございますが、日米首脳会談が昨日行われました。外務大臣も同席をされておられたというふうに思いますので、この日米首脳会談でテーマになった点を中心に議論させていただきたいというふうに思っています。
 まず冒頭、共同声明がまだ発出をされていないということでございます。この共同声明発出の状況、まさか出ないということはないのではないかというふうに思いますけれども、その点について、また、澁谷審議官、首脳会談後もTPPの交渉が今なお続いているという報道でありましたけれども、その状況について御説明いただけますか。

○岸田国務大臣 今回のオバマ大統領の訪日、米国大統領の国賓としての訪日は十八年ぶりということで、改めて今回のオバマ大統領の訪日、そして日米首脳会談、大きな期待が寄せられていたわけですが、それに見合う大きな成果が上がったと認識をしております。
 そして、共同声明についてですが、今現在最終調整中だと委員会に入る前に報告を受けておりました。この最終調整を経て発出されることを期待しております。

○澁谷政府参考人 TPPにつきまして御説明いたします。
 昨日の日米首脳会談の前に、先々週から東京、ワシントンと、甘利大臣とフロマンUSTR代表との間で既に四十時間近く協議を行っているわけでございますが、昨日の首脳会談で、さらに閣僚間で精力的かつ真摯な交渉を継続するよう指示があったため、昨日の午後、再度閣僚同士で協議を行いました。また、昨晩は、けさの明け方まで事務方同士での作業が続けられたところでございます。
 首脳会談と閣僚同士の協議を通じまして、日米間の重要な懸案について道筋を確認したというところでございます。
 今後、日米が協力してTPPを早期妥結に導くことが重要であり、他の参加国との協議を日米が連携して加速化していくということについて両国で確認をしたということでございます。

○玄葉委員 まず、最終調整中の共同声明ですけれども、恐らく、岸田外務大臣が今回の大きな成果だとおっしゃったその理由は、いわゆる尖閣を含めた日本の施政にある領域に関する五条適用というのを大統領自身が明言されたということだと思いますが、このことも最終調整中の共同声明にしっかりと書き込まれるというふうに考えてよいかどうかということが一つ。
 あと、澁谷さんには、現実のところ、我々報道でしかわからないのですけれども、何がどこまで詰まっているのか、そもそも議題になっているのはどの分野なのか、少なくとも車と農産物ということはオバマ大統領自身が会見でおっしゃっているわけでありますが、その点について説明ください。

○岸田国務大臣 今最終調整が行われている共同声明について、日米安全保障条約五条が尖閣を含む地域に適用されるという点について盛り込まれるかということでありますが、まだ最終調整中ですので、私から内容について明らかにするのはちょっと控えなければならないと思いますが、当然のことながら、昨日の共同記者会見におきましても、オバマ大統領みずから、御指摘の点については明言をされております。それを踏まえた共同宣言が出されるものと考えております。

○澁谷政府参考人 日米で議論の中心となっておりますのは、いわゆる農産物の重要五品目と自動車ということでございます。
 論点としては、それぞれについてかなりの論点にわたるわけでございますが、間合いは確実に縮まってはきておりますけれども、正直、行ったり来たりのところもございます。一つとして完全にセットされたものはない状況でございます。
 よく大筋合意であるとかいろいろ言われますけれども、そういう形のものではなくて、むしろ間合いを縮めながら、事務方で整理すべきもの、閣僚できちんと判断をしていくべきものということの整理もあわせて続けているということで、先ほど道筋について確認したというのはそういう趣旨でございます。

○玄葉委員 せっかくなので、澁谷審議官。
 一つとして完全にセットされたものはないのだというお話でありました。
 例えば、報道であれば、米とか麦とか砂糖の関税は少なくとも大枠維持されるのだ、そういう報道があるわけです。特に焦点になっているのは肉で、牛肉、豚肉の関税の率、下げる率であるとか、あるいは差額関税制度そのものであるとか、あるいは自動車では安全基準であるとかという報道なわけでありますけれども、行きつ戻りつしながらそういったことについて議論しているというのは、大体そう考えてよろしいんですね。

○澁谷政府参考人 交渉事は全てパッケージでございますので、交渉の仕方として、このテーマについては合意をして、ピンどめをして、次に移ろうという交渉の仕方もあるかと思いますが、日米の交渉の実態を申し上げれば、全体をパッケージとして議論していくという中で、そういう意味では、特定の項目について俗に言うピンどめをしているとか、そういう状況にはなっておりません。

○玄葉委員 その点はわかりました。ピンどめができている状況ではないのだ、全体をパッケージなので、ここは大体セットできそうかなと思ったら、ほかのテーマが出てきて、それもまた御破算になって議論を蒸し返される、こういう状況が続いている、こういうふうに考えてよろしいですね、確認ですけれども。

○澁谷政府参考人 御指摘のとおりでございますが、行ったり来たりの振幅がだんだん狭まってきているという趣旨でございます。

○玄葉委員 はい、わかりました。
 それで、日米首脳会談に戻りたいというふうに思いますけれども、今回の日米首脳会談全体の評価について、改めて外務大臣にお伺いをしたいと思います。

○岸田国務大臣 今回の日米首脳会談におきましては、まず、両国首脳間におきまして、日本の積極的平和主義、そして米国のアジア太平洋重視政策、こうした政策が地域の平和と繁栄に資するものであるとして、相互に評価し、歓迎をした上で、今後とも、平和で繁栄するアジア太平洋地域を実現するために日米同盟が主導的な役割を果たしていく、こういったことを確認することができました。
 両国首脳間におきまして、安全保障あるいは経済等、二国間関係につきましてもしっかり意見交換をすると同時に、アジア太平洋地域の地域情勢についても意見交換を行い、さらには、グローバルな課題におきましても日米で協力をしていく、こういった点も確認をすることができました。
 こういったことによりまして、日米同盟が強靱なものである、揺るぎないものであるということを内外にしっかりと示すことができた、これが今回の首脳会談におきまして大きな成果だと認識をしております。
    〔委員長退席、左藤委員長代理着席〕

○玄葉委員 私も、まだ共同声明文も読んでおりませんし、きのうの共同記者会見をテレビで拝見しただけということでございます。
 その中での印象を私自身申し上げると、日米が結束を確認できたという点は一定の成果だというふうに思います。ただ、やはり、靖国神社への参拝を契機とした日米のぎくしゃく感というのは、私が見た印象では、まだ残っているなというのが率直なところでありました。
 先ほど岸田外務大臣が評価された、また私自身も評価したところは、日米安保五条の尖閣への適用を大統領御自身が共同会見で御自身の発言として世界に発信をしたというところであります。これは確かに、一つは、大統領は軍の最高司令官だということがまずあります。これまでも、国務長官も国防長官も言及をされていましたけれども、今回は大統領みずから言及をしたということは、素直に私は評価してよいというふうに思うんです。
 特に、私もこの間心配だったことは、オバマ政権も第二期になったわけですけれども、外交、安全保障を支える方々が結構かわったんですよね。ホワイトハウスから発信される発言というのが正直弱いなというふうに感じていた面もあったんです。
 個人名を挙げてしまってよいのかどうかということはありますが、私の言葉じゃなくて、ある識者の言葉をかりてあえて言えば、例えば、ライス補佐官が大学で講演をされた、そのときに、いわゆる米中の新しい大国関係のモデルをつくるのだというふうに、いわば中国側からの要望をそのまま受ける形で応えるということがあったわけです。
 これは、今までのパターンでいくと、中国は、そうあったときには、当然、そうであれば、お互いのいわゆる核心的利益を尊重し合おうではないかという話に大体なる。その核心的利益に例えば尖閣を含めようみたいな話をしてくる可能性があるわけです。ですから、私は、ホワイトハウスからたまに出てくる発言に対して、大丈夫かなという気持ちを少々持っていたわけです。
 でも、今回、大統領みずからがしっかりこういう形で発言されたということで、私はその点は、先ほど申し上げましたが、評価をしたいというふうに考えているわけです。
 ただ、同時に、きのう、共同会見を見ておりましたらば、あえて、オバマ大統領は、アメリカは中国とも緊密な関係を保っているのだという発言をされました。また、あわせて、領有権に対する立場は示さない、こういう発言をたしかしたと思います。
 あえてこういう言葉もオバマ大統領が共同会見の場で発言をされたということについて、岸田外務大臣はどのようにお考えになられますか。
    〔左藤委員長代理退席、委員長着席〕

○岸田国務大臣 御指摘のオバマ大統領の発言、まず、日米安全保障条約第五条は日本国の施政のもとにある領域に適用されるものであり、米国政府は、尖閣諸島が日本国の施政のもとにあり、日米安全保障条約第五条の適用範囲にあるとの米国の立場ですが、今までも、米国国務長官あるいは米国国防長官等関係者から発言されていた内容と一致するものであります。
 しかしながら、御指摘のように、今回、米国の最高責任者である大統領から、直接みずからの言葉としてこういった考えが表明されたこと、これは大変大きな発言であったと考えております。
 そして、領土の問題についての考え方について御指摘がありましたが、その点につきましても、これは従来の米国が示してきた考え方と一致している、変わらないというふうに認識をしております。
 そして、中国は、言うまでもなく、現在、世界第二の経済大国であります。こうした中国が平和裏に発展すること自体は、我が国としても、あるいは国際社会としても歓迎すべきことであると考えております。中国が、今後とも、国際法を初めとする法の支配に基づいて、国際社会と協調する形で平和裏に発展するということを期待することは、米国にとっても、また我が国にとってもあるべき姿勢ではないかと考えています。
 まずは、日米同盟の強靱さを今回改めてしっかり示すことができたわけでありますが、日米同盟を中心に、アジア太平洋地域の平和とそして繁栄のためにしっかり努力をするべく、これからも政策を進めていきたいと考えております。

○玄葉委員 私、先ほど、一定の成果はあったんですけれども、ぎくしゃく感が残っているなというふうに思ったというのは、何となく、会見での息が合う合わないという問題もありますし、結局、中国の問題も、領有権の立場は示さないと大統領御自身があの場であえて言う必要はないのではないか、考え方は変わっていないんですよ、だけれども、あの場で言う必要はないのではないかという思いもあるし、TPPで政治決断を首脳同士されなかったということもあります。
 また、ウクライナの問題でのメッセージ、少なくとも共通のメッセージが非常に弱いということもあったので、私から見ると、会見しか私は見ていないので、少なくとも会見を見ていてそのように感じたというのが私の感想です。
 さて、その上で、中国との関係改善を、ある意味、あの場で求められたようなところがあると思うんですけれども、中国との関係改善についてはどのようにしていきますか。

○岸田国務大臣 我が国にとりまして、日中関係は、言うまでもなく、最も大切な二国間関係のうちの一つであり、日本と中国は世界第二の経済大国、第三の経済大国でありますので、やはり、この二国間関係を安定させることは地域や国際社会の平和や安定にも、そして繁栄にもつながる、こういった意味で、二つの国は大きな責任を担っていると考えます。
 ですから、我が国としましても、戦略的互恵関係の原点に戻って、大局的な見地からこの二国間関係をしっかりとコントロールしていかなければならないと従来から思い、そしてそういった考え方を示してきています。
 そして、実際、今、日中関係は難しい局面の中にあるわけですが、難しい局面にあるからこそ、さまざまな対話、特に高い政治のレベルでの対話が重要であるということを申し上げてきました。
 残念ながら、現在のところ、二国間においては政治の高いレベルの対話が実現していないというのが現実だと思いますが、幸い、日中間には、民間レベル、地方自治体レベル、あるいは文化を初めさまざまなレベルにおいて、長い交流の歴史が存在いたします。こうしたさまざまな分野、そしてさまざまなレベルでの意思疎通を積み上げることによって、ぜひ高い政治のレベルでの対話を実現したいと考えております。
 ぜひ、中国側にも我々のこうした考え方をしっかり受けとめていただきたいと考えています。

○玄葉委員 昨年末、訪中しました。外務大臣にも事前に申し上げたと思います。中曽根元総理の平和研の依頼を受けて、シンポジウムに出席をするために訪中をしました。
 そのときに、私のときのカウンターパートであったヨウケツチさんが、元外相が今は国務委員ということで、中国の場合は出世ということだと思いますけれども、国務委員になられていて、彼と三、四十分ぐらいですかね、話をしました。多分、記録を残しておきましたので、読まれたかもしれません。
 簡単に申し上げると、ADIZのことがあったので相当の応酬になったわけですけれども、ただ、明確だなと思ったのは、政治と経済、文化、自治体交流というものを完全に分けて話をしていたということが大変印象的でありました。政治は簡単には譲歩しない、だけれども、やはりお互いの国益を考えたら、経済、文化、自治体交流をやろうと。これは明確でした。
 だから、何とかきっかけはつかめるかなと、記録を読まれたかもしれませんけれども、私自身、いろいろあっても、外相同士、首脳同士、話をしないとだめだという話を何度か彼にも言いました。これは、党派を超えて、国益の観点で彼に伝えたところであります。
 私は、きっかけをつかめる可能性があるなと思っていたんですけれども、ただ、その後、総理大臣の靖国参拝がありまして、また何か御破算に戻ったみたいな、そういう感じなんですね。
 だから、この間も外務大臣に申し上げたんですけれども、首相の靖国参拝については、外務大臣はやはりもっと強く進言すべきだし、これからもそうあるべきだというふうに私は思います。この間も申し上げましたけれども、小泉さんのときは、ある意味、もっと丁寧な配慮をすべきだったと表で外務大臣はおっしゃっているんですね。
 その点については、外務大臣は当時と考えが変わったんでしょうか。変わらないという中で、今、外務大臣として総理大臣と向き合っているというふうに考えてよいのでしょうか。

○岸田国務大臣 靖国参拝につきましては、日本国内においてもさまざまな意見があります。
 そして、そういった中にあって、政府としましては、総理が靖国を参拝された、このことについて、まずは、この対応について、政府としてしっかりと考え方を整理しなければいけない、これは当然のことでありますし、そして、その上で、総理の靖国参拝の真意について、しっかり国の内外に説明をしてきている、これが政府としての対応であります。
 こうした説明、そして考え方につきまして、丁寧に確認をし、作業を行わなければいけない、こういった意味では、従来と全く変わっていないと存じます。
 ぜひ、こうした問題につきましては、今後とも、総理自身もこれからしっかりと説明努力を続けていきたいと表明をされております、政府としましても丁寧に説明責任を果たしていきたいと考えています。

○玄葉委員 ちょっと確認したいんですけれども、平成十八年だったかと思いますけれども、岸田外務大臣は、小泉総理大臣の靖国参拝については、もっと丁寧な配慮をすべきだった、結果としてそうだ、政治問題化、外交問題化してしまったというふうに述べていますけれども、このことについての考え方は変わっていないというふうに考えてよろしいですか。

○岸田国務大臣 御指摘の平成十八年の時点で、私が、小泉総理の靖国参拝が政治問題化した、外交問題化したと申し上げたかどうかはちょっと記憶は定かではありませんが、丁寧な対応が重要であると言ったことについては記憶をしております。
 こうした、日本の国の中においてもさまざまな議論がある問題については、やはり国の外に対しましても丁寧に説明をし、そして対応していかなければいけないという基本的な考え方については同じだと考えております。

○玄葉委員 話題をかえます。
 きのう日米首脳会談に同席をされておられたわけでありますけれども、この中で、例えばガイドラインの見直しなどについての議論というものはあったのでしょうか。

○岸田国務大臣 昨日の日米首脳会談の中にあって、改めて、安全保障分野においても日米同盟の重要性そして強靱性、こういったものが確認をされたわけでありますが、その議論の中で、今後ともしっかりとした日米同盟に基づいて協力を進めていかなければならない、こういった議論が行われ、その中にガイドラインの見直しも項目として挙がっていたと記憶しております。

○玄葉委員 当然、アジア太平洋のパワーバランスが変わっているので、このガイドラインの見直しについては、我々の政権のときにも、当時は防衛大臣は森本大臣でありましたけれども、ともに進めていこうということを考えていたわけです。
 特に私が気になっているのは、集団的自衛権の問題よりも、いわゆるグレーゾーン事態への対処なんですね。余り特定の事態を明確に議論し合うというのはいかがかという議論もそれこそあるのでありますが、いわゆる有事未満だけれども平時以上である、そういう事態というのは十分あり得るわけです。
 現実に、私も担当していたころに、今だから申し上げますが、やはり非常に気になったのは、いわゆる偽装漁民などが大量に上陸をするなどという事態に対してどう対応するのかということについてはその一つだったわけですけれども、これに対応するとなると、今のままで十分なのかということが一つ、関連して、自衛隊法の改正が必要だというふうに考えるのかということ、もう一つは、その際の、いわゆるグレーゾーン事態における米軍の役割というものも求めていくのか、それぞれについて外務大臣はどうお考えですか。

○岸田国務大臣 御指摘のグレーゾーンの議論、今例として挙げられました、偽装漁民が我が国の離島に上陸した際にどう対応するか、その際に、シームレスに我が国としてしっかり対応できる体制ができているかどうか、こういった指摘、これは大変重要な指摘であり、我が国としまして、現状を考えますときに、改めてこの体制を検討し、そして十分かどうかを考えていかなければいけない大切な、重要な課題だと考えています。
 それだからこそ、今、安保法制懇の議論、集団的自衛権と憲法の関係ばかりが強く焦点が当たっていますが、この安保法制懇の議論においては、集団的自衛権の議論のみならず、集団的安全保障の議論ですとか、PKOの駆けつけ警護の議論ですとか、あるいは邦人保護の議論等も行われ、そして、あわせて、御指摘のこうしたグレーゾーンに対する対応につきましても議論が行われていると承知をしております。
 ぜひ、この部分につきましても、有識者会議の議論の成果をしっかりと確認した上で、政府としましてどう対応するのか、これを考えていかなければいけない、こうした課題だと考えています。

○玄葉委員 ここで、確かにシームレスな対応が求められると思いますので、私もこのことは非常に大事な課題だというふうに認識をしていますので、できるだけスピーディーに対応していかねばならないというふうに思います。
 きのう、共同会見を聞いていて、盛んにオバマ大統領から、紛争の平和的な解決、法と規範、あるいは国際法という話が出ておりました。安倍総理からも、法をたっとぶ地域であるとか、法の支配であるとかという言葉が繰り返し述べられていたわけであります。
 これは、私は以前も申し上げましたが、法の支配におけるチャンピオンに日本はなるくらいの気概でこの分野を頑張るべきだ、ルール形成力を養うべきだというふうにこの場でも申し上げてきたわけでありますけれども、有識者の一部に、あるいは国際社会の一部にですけれども、私の考えとはちょっと違うんですけれども、こういう考え方をする人がいるんですね。
 尖閣の問題について、国際司法裁判所、ICJで解決をしていくのがよいのではないか、そういうことを言う方がいるのでありますが、その点について、現在の政権の立場を説明していただきたいと思います。

○岸田国務大臣 国際法を遵守する、法の支配という価値観を大切にしていく、こうした考え方は、ウクライナにおける動きですとか、あるいは東シナ海、南シナ海における動きにおいても、改めてこの重要性を感じるところです。ですから、こうした国際法の遵守ですとか法の支配という考え方の重視というのは、国際社会全体として大変重要な考え方であると思っております。
 そして、その中にあって、尖閣において、ICJへの提訴との関係においてどう考えているかということでありますが、この尖閣をめぐる状況に対する我が国の立場ですけれども、尖閣諸島は歴史的にもあるいは国際法上も我が国固有の領土であり、我が国は有効に支配しているからして、そもそも尖閣をめぐっては領有権の問題は存在しないというのがまず基本的な我が国の立場であります。
 ですから、ICJへ付託するか否かという問題は、我が国が言い出す話ではないというのがまず基本的な立場であります。
 もし、ICJへの付託等を考えるとしたならば、我が国のこうした有効支配に挑戦しようとしている国、中国において考えるべき問題であるというのが我が国の基本的な考え方です。

○玄葉委員 その立場は私も変わりません。
 もし、中国側からICJで解決しようという呼びかけがあった場合は、どうされますか。

○岸田国務大臣 中国がICJに付託しようとするという動きにつきましては、今のところ、私は全く承知をしておりません。
 ですので、仮定の話を私の方から申し上げるというのは、またさまざまな影響を発生させることになるので、控えたいとは思います。
 もし、そうした質問を発するとしたならば、中国側に対して向けられる質問ではないかと考えております。

○玄葉委員 あえてもうこれ以上言いません、これは。
 力による現状変更に明確に反対だということを、私もそうですけれども、それは安倍総理も、きのう、会見で何回もおっしゃっていました。そして、国際法重視ということを強調していたわけです。
 当然、中国向けにそういうことを強調するわけですけれども、同時に、明らかな国際法違反であるというふうに安倍首相自身が断言をするロシアのクリミア併合、あるいはウクライナへの行為に対して、どうも、そういういわゆる言葉を言っているだけで、結局のところ、実効性のある制裁というのはほとんど何もやっていないんじゃないかという意見が当然出てくるわけですけれども、きのう、オバマ大統領は、この問題についてもっと踏み込んだ共同歩調というものを求めたのでありましょうか。

○岸田国務大臣 昨日の首脳会談におきましては、まず、安倍総理の方から、ウクライナ問題をめぐる米国の強いイニシアチブ、これを評価するということを申し述べました。そして、総理は、力による現状変更は許されないということ、そして、これは一地域の問題ではなくして国際社会全体の問題であるということを述べました。
 そして、あわせて、安倍総理の方からは、先日の四者協議によるジュネーブ宣言、これは平和解決、あるいは外交的解決に向けた第一歩であるという評価を行い、こうした宣言がぜひ着実、そして円滑に実施される、これが重要であるということをオバマ大統領に申し上げました。こうした我が国の姿勢については、米国側も理解を示していただいたと感じております。
 この問題につきましては、ぜひロシアに対してしっかりとしたメッセージを伝えていかなければならないわけですが、その際に、我が国としても、米国を初めG7諸国との連携をしっかりと重視していく、こういった姿勢は確認できたと考えております。
 ただ、我が国あるいはG7関係各国、それぞれの立場があります。ロシアに対しまして、自制した責任ある行動を求めていく、平和的、外交的手段によって問題を解決していくために責任ある行動を求めなければなりませんが、その際に、それぞれの立場においてそれぞれの働きかけを行っていく、こうした努力は重要なのではないかと考えています。

○玄葉委員 それでは、もっと踏み込んだ共同歩調というのを求められたというわけでもないというふうに考えてよいのかどうか。
 また、きのう、共同会見では、盛んに欧米の記者から、オバマ大統領に対して、いわゆるロシアへの追加制裁の話が何度も何度も質問されていましたね。オバマ大統領の頭の中もかなりそちらの問題が占めているんじゃないかと私は想像するんですけれども、追加制裁をアメリカが行うような事態になってしまったとすれば、日本も一定のレベルでおつき合いをする、こういうことですか。

○岸田国務大臣 我が国としましては、まずは、米国を初めG7各国、さらには関係国との連携をしながら、この問題を平和裏に解決するためにどうしたらいいのかしっかり努力をしていく、これは大変重要な姿勢であると考えております。
 そして、ウクライナ情勢、今後とも流動的であります。五月二十五日には大統領選挙が予定されている。また、今現在も、憲法を初めさまざまな議論がウクライナ国内で行われています。そして、今後も、OSCEの国際監視団がウクライナに派遣される。この監視団に対しましても我が国はしっかりと支援をしていくことをきょう閣議決定したわけでありますが、こういった動きもあります。
 こうした動きを注視しながら、最も適切な対応をG7各国等としっかりと連携しながら考えていく、これが我が国の基本的な考え方であると思っております。

○玄葉委員 多分これはいろいろな考え方があって、ロシア、せっかく仲よくなったのに、またすき間風が吹いちゃうと、むしろ、中国の問題を考えたって、中ロが接近しちゃうんじゃないかとか、ただ一方で、何か有効な制裁が打てないと、中国は逆に息を凝らして見ていて、こういう力わざをやったって国際社会はその程度なのね、こういうふうに考える可能性もあるんですよね、この問題というのは。だから、私、よく考えて手を打っていかないといけないということだけ申し上げておきたいと思います。
 北朝鮮に対して、拉致、核、ミサイルへの共同対処を日米首脳会談で確認できたと思いますし、拉致被害者の皆様との大統領の面談もかないました。あわせて、日米韓、そして中国との連携が大事だということも確認をしたというふうに共同会見からは見受けられました。
 二〇一二年十一月に、私ちょうど担当しておりましたけれども、日朝の局長級協議が行われたわけであります。そのころのことを、守秘義務がありますから、私も余り申し上げるわけにはいかないのでありますが、ただ、今回、それ以来の局長級協議が行われたわけでありますけれども、これは、いわゆる当面の成果目標については、二〇〇八年八月に約束された、全ての拉致被害者についての再調査を行うということを当面の成果目標にしている、こういうふうに考えてよろしいですか。

○岸田国務大臣 先日行われました日朝政府間協議ですが、一年四カ月ぶりに再開をされました。そして、二日間にわたって議論が行われたわけですが、先般の協議におきましては、双方が関心を有する幅広い諸懸案について率直かつ真摯な協議が行われたということでありますが、今後とも協議を続けていく、こういったことで一致をしております。よって、まだ次回の日程は確定していませんが、協議は続くことになります。
 現時点で、具体的な目標ですとか協議の中身について申し上げるのは、協議が続くことになりますので、具体的なことを申し上げるのは控えたいとは思いますが、ぜひ、引き続きまして、協議を行うことによりまして、我が国としまして、具体的な、真摯な態度を北朝鮮に求めていきたいと考えております。
 いずれにしましても、我が国の北朝鮮に対する基本的な方針、対話と圧力のもとに、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイル、この諸懸案を包括的に解決していく、こういった方針には変わりないと考えています。

○玄葉委員 核実験あるいはミサイル発射の兆候が取り沙汰されているのでありますが、その点について、特に今回の局長級協議との関係で、どのようにお考えですか。

○岸田国務大臣 まず、北朝鮮の核開発あるいはミサイル開発につきましては、我が国としまして、情報収集、情報分析、こういったものに引き続きしっかりと努めていかなければならないと思いますし、努めているところであります。
 現時点での状況については、インテリジェンスとの関係もありますので、明らかにするのは控えたいと存じますが、引き続きましてしっかりと注視をしていきたいと存じます。
 そして、そうした動きに対して、日朝政府間協議との関係でどうかという御質問をいただきましたが、これは実際の状況をしっかり確認した上で、我が国として、先ほど申し上げました諸懸案を包括的に解決する上において最も適切な方法は、対応は何なのか、こういった観点から具体的に考えていく課題だと考えます。

○玄葉委員 当然、協議の中では、我々が求めるところと北朝鮮が求めるところとあるわけでありますけれども、例えば制裁の解除について取り沙汰されていて、古屋担当大臣は、拉致被害者全員が戻ってこなければ、制裁解除はおろか、一円の支援もしない、こういう発言をされておられるわけでありますけれども、制裁解除と拉致、核、ミサイルの解決の問題、どういうふうにリンケージを考えておられますか。

○岸田国務大臣 こうした北朝鮮に対する措置のあり方につきましては、政府内で不断の検討を行っているところでありますが、現時点では何も決まったものはありません。引き続きまして諸懸案解決のために最も効果的な方法を考えていく、最も効果的な方針をとっていく、こういった考え方は従来から変わっておりません。
 ぜひ、今後の状況をしっかり見きわめた上で、最も効果的な対応を検討していきたいと考えています。

○玄葉委員 日韓関係を時間をかけてやりたかったんですが、何か残り五分になってしまっているので、またいずれのときかにしたいと思います。
 ただ、ちなみに、韓国のことは日米首脳会談では出ましたか。

○岸田国務大臣 日米首脳会談におきましては、アジア太平洋地域の情勢についてもさまざまな意見交換が行われました。その中においても、当然、韓国の話題は議論になりましたし、そして、地域情勢に対する考え方として、日米韓の連携が重要である、こういった議論も行われておりました。
 こうした形で、韓国につきましても首脳会談の中で取り上げられておりました。

○玄葉委員 残り五分、TPPにまた戻りたいと思うのですが、正木さんに来ていただいていますけれども、アメリカにおける大統領貿易促進権限法案、いわゆるTPA法案についての審議状況及び、その内容がホームページで公開されています、その内容について説明をいただきたいのですが、特に、TPA法案の議会及び議員への情報アクセス部分の内容について説明をしてほしいと思います。
 議員のテキストへのアクセス及び交渉プロセスへの参加などについてお願いをしたいと思います。

○正木政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のTPA法案につきましては、御案内のとおり、本年一月九日に米国議会に提出されまして、一月十六日に上院の財政委員会で公聴会が行われたと承知しておりますが、その後、審議が行われたというふうには聞いておりません。
 この法案の中身は、審議もこれからでございますので、日本政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、御質問の、現在の法案の中に議員に対する情報提供に関してどのような規定があるかという点については、私どもとしては次のような内容があると承知しております。
 一つは、交渉の過程におきまして、米国の通商代表は、連邦議会の議員から要求があった場合には、交渉目標や交渉の進捗状況などについて、当該議員と会合しなければならず、秘密のものも含め、交渉関連の適切な文書へのアクセスを提供しなければならないという点が一つと、もう一つは、また、米国通商代表は、下院の歳入委、上院の財政委などの所管の委員会等と交渉について緊密かつ適時に協議し、十分に知らせなければならないという内容があるというふうに承知しております。

○玄葉委員 私は、このTPA法案の情報アクセスの部分は、正直、わからなかったんです。二、三カ月前に、ある方から聞いて、ああ、そういう内容になっているのかと。議員が、恐らく守秘義務を前提だと思うんですけれども、そういう形で、それぞれが情報にそこまでアクセスを保障させる法案だなどというのは、私は少々驚いたのであります。
 ただ、実は日本でも、農林水産委員会などで、「交渉により収集した情報については、国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置すること。」こう書いてあるわけであります。果たして、それができているのかといえば、私は、不十分というふうに申し上げざるを得ないのかなというふうに思っています。
 そこで、我々として、これは他党とも協力をしながらでありますが、TPPなどの情報開示法案を提出するということを考えております。それは、通商交渉における政府による情報提供を義務化するものでありますが、ただし、その際は、一つの方法として、議院運営委員会の申し合わせなどによって国会議員の守秘義務をきちっと担保するという前提であります。
 そういった情報開示法案をこれから速やかに提出したいというふうに考えておりますけれども、その点、岸田外務大臣、いかがお考えですか。

○岸田国務大臣 具体的な法案、恐らく議員立法という形になるかと思いますが、こうした法案につきましては、議会の皆様方に取り扱い、中身についてはお任せするしかありませんが、基本的な考え方として、我が国として国益に資する外交交渉、通商交渉をしっかり進めなければならないという課題と、一方で、政府として、議会あるいは国民に対してしっかり説明責任を果たさなければいけないという課題と、これはともに大切な課題であります。
 この二つの課題を両立させるためにはどうするべきなのか、こうしたことについてしっかりと議論をしていくことは大変重要なことではないかと考えます。

○玄葉委員 もう時間が来ましたので終わりますが、最後に、TPP、このままいくとモメンタムが失われるおそれが出てきたというふうに申し上げてもよいところがあると思います。
 つまり、日米がまとまらないので全体がおくれているという状況が生まれているわけでありますけれども、これは外務大臣として、やはりこのことについてどういうふうに具体的に加速させていくのか、柔軟性をお互いが発揮すべきだ、こう時々おっしゃっておられますけれども、どう具体的に発揮されるべきなのか、そのことを含めて、最後にお願いをしたいと思います。

○岸田国務大臣 まず、TPP交渉につきましては、アジア太平洋地域に新たな経済ルールをつくるという意味からも、さらには、この地域の戦略的な環境を考えましても、大変重要な意味があると考えています。
 こうした大切なTPP交渉につきましては、我が国としましては、まず、早期の妥結に向けて引き続き努力をしていかなければならないと思っていますが、今回の日米首脳会談の際に、一つの節目として、協議が精力的に行われました。その結果として、日米間の重要な懸案について道筋を確認できたということは前進であったと評価をしています。
 この大切なTPP交渉、多国間交渉でもあり、そして、パッケージとして交渉していかなければなりません。その中にあって、日米両国は大変大きな責任を担っていると存じます。
 ぜひ、しっかりと、早期妥結に向けて我が国も貢献をしていきたいと考えています。

○玄葉委員 終わります。どうもありがとうございました。
 

外務委員会(平成26年4月4日 議事録)

○玄葉委員 おはようございます。玄葉光一郎です。
 ICJ、南極における捕鯨訴訟、ショックが走ったというふうに思います。同時に、後ほど今回の厳しい判決を踏まえての反省、教訓をお聞きしたいと思いますが、その前に、けさ、報道あるいはテレビを見ておりましたらば、総理大臣が事務方を厳しく叱責した、こういうふうに報道されていました。
 私は違和感がありますね。叱責というのは、他人の失敗を責め立てることです。これは本当に他人の失敗なのかどうかということだと思うんです。
 これは、私も含めて、これまでかかわってきた、つまりは、この裁判に何らかの形でかかわってきた政治家がまずはきちっと反省するところは反省をするというところから始まらないと、事務方のせいにするという姿勢で、私は、ICJ、非常に重要な役割をこれからますます果たしていく中で、大丈夫かなというふうに思います。
 こういった、事務方を叱責するという、このことに対して私は違和感を感じたわけですが、岸田外務大臣はどのようにお考えですか。

○岸田国務大臣 まず、今回の判決につきましては、我が国としまして、全力を尽くしてみずからの主張を明確に打ち出してきたつもりでありますが、こうした結果になったことにつきましては、まず、この結果につきましては失望しておりますし、そして、こうした結果に至ったこと、まことに残念に思っております。
 そして、この結果を受けて、政府の内部においてさまざまな報告が行われ、そして、それに対して検証し、そして分析が行われているわけです。そのやりとりの一部が報道されたということはあるのかもしれませんが、いずれにしましても、この結果に対しての考え方は、政府全体として表明しなければならないと考えております。
 そして、政府としての考え方、受けとめについては、ただいま申し上げたとおり、失望しておりますし、大変残念であると思っています。
 そして、今後は、関係省庁ともしっかりと連携しながら適切な対応を、具体的な対応を考えていかなければならない、これが政府全体としての考え方であります。

○玄葉委員 これはぜひ一言お答えいただければと思いますが、結局、事務方を叱責したという報道だけなんですね。そして、鶴岡代理人が官邸から出てきたときに答えたコメントも、恐らく総理大臣と打ち合わせをしてお答えになったと私は推測しますけれども、総理大臣から叱責を受けました、ただそれだけです、こういうコメントです。
 私は、違和感があるんです。事務方のせいばかりにしているという、少なくとも、そういう印象を受けます。そのことに対して、いかがですかということです。

○岸田国務大臣 官邸における具体的なやりとりについては、私はその場にもおりませんでしたし、報道で知るのみであります。
 しかし、どういったやりとりが行われたとしましても、こうした結果につきましては、政府全体として受けとめなければならないことでありますし、それに対する考え方、立場は政府として統一して発しなければなりません。
 こうしたやりとりの一部が報じられてはいますが、あくまでも政府一体として責任を受けとめ、そして立場、考え方を発していく、こうしたことは徹底しなければならないと考えています。

○玄葉委員 確認なんですけれども、やはりこれは事務方のせい、そればかりでは決してないということですよね。

○岸田国務大臣 当然のことながら、これはもう政府全体で受けとめ、そして責任を感じ、今後の対応を考えていかなければならない課題だと思っています。

○玄葉委員 私もそう思います。これは私も含めてでありますけれども、やはりショックだったんですね。総理大臣だって、本当に強い関心をお持ちであれば、昨年、口頭弁論が行われた前後にきちっと報告を受けて、さまざまな指示を、特に口頭弁論前にすればよいわけでありますから、当然、政治家の責任でもあるということです。
 何が私はショックだったかというと、この捕鯨の問題そのものもさることながら、ICJ、国際司法裁判所というこれからますます重要性が高まるであろう機関において、日本国政府が初めて当事国になったわけです。原告でも被告でも、いずれにしても、初めて当事国として登場した、その裁判で負けたというのはやはりショックだし、法の支配のチャンピオンを目指したいと思っていると思いますし、私自身はそうあるべきだと思っている者でありますけれども、その裁判で負けたというのがショックだったということなんです。
 したがって、今回のいわば反省、教訓というものを現在分析中ではあろうかと思いますけれども、現時点でどのように今回の経緯から教訓を導き出そうとされておられるか、その点について岸田外務大臣の考え方を聞きたいと思います。

○岸田国務大臣 国際的に法の支配を重視している我が国としまして、今回の判決の結果につきましては、まことに残念に思っています。
 そして、今回の裁判の判決の具体的な内容についてはしっかりと精査しなければならないと思っていますが、今後の国際社会を考えますときに、今後もより一層、国際法に基づく紛争解決の重要性は高まっていると認識をしております。
 そうした認識に基づいて、我が国としましては、特に外務省として、国際法に通じた専門家の育成の重要性を改めて強く認識するところであります。今日までも、こうした国際法の専門家の人材育成、強化に努めてきたところでありますが、今回の経験も踏まえまして、ぜひ、省全体として、我が国の外交における国際法の重要性を再認識し、そして体制の強化を図っていかなければならないと思っています。
 そして、我が国として、こうした人材育成も大切でありますし、また、国の内外を通じまして、専門家同士の人材交流ですとかあるいは連携、こういったものを通じて、より充実した人材と体制整備に努めていかなければならない、こうしたことを強く感じるところであります。

○玄葉委員 今回、例えば鶴岡代理人はTPPの首席交渉官であります。そちらで忙しい身であるにもかかわらず、彼が一番いわばベストな人選だ、少なくとも非常に能力が高いということで、かえずに、彼が口頭弁論をやられたわけです。彼のせいだと言っているわけじゃなくて、つまり、今回、ほぼ現時点で考えられるベストな布陣で臨んだと思うんです。臨んで、結果がこうだったというのがショックだったんですよね、内部を知れば知るほど。
 ですから、これは相当長期戦というか、腰を据えて人材育成をしていく。あるいは、技術的にもいろいろあると思うんです。こういう訴訟に当たって、おっしゃったとおり、例えば、こういう学者さん、こういう外国の専門家を入れた方がいいとか、恐らくそういう技術的なこともたくさんあるんだろうというふうに思いますので、今回のことから導き出す教訓というものを相当しっかりとつくり上げていただきたい、そしてそれを確実にこれからに生かしてもらいたいということを私からも申し上げておきたいというふうに思います。
 次に、ロシアのクリミア編入の問題であります。
 これも、今国際法の話をいたしましたので、きょうはできるだけ国際法の話をしようという思いがあるのでありますが、ロシアのクリミア編入ということに対して、つまりこの行為に対して、我が国としては、国際法上これをどう評価しているのかということについて、事前に通告してございますので、お答えをいただきたいというふうに思います。

○岸田国務大臣 今回のロシアによる一方的なクリミア編入につきましては、既に一連のG7首脳声明等において示しておりますように、我が国は、明らかな国際法違反であると考えております。
 具体的には、三月十二日のG7声明に示されておりますように、一つは国連憲章、そしてさらには欧州安全保障協力会議の最終文書、ヘルシンキ宣言と言われていますが、この文書、さらには一九九七年のロシア・ウクライナ友好協力条約、そして一九九七年のロシア・ウクライナ地位協定、そして一九九四年のブダペスト覚書、こうしたものに対して違反をしていると認識しております。

○玄葉委員 おっしゃるとおりだと思うんですけれども、国連憲章二条四項は、いわゆる強制とか力による領土の取得を禁止しているわけでありまして、そのことに明らかに違反する行為だろうというふうに思います。
 ただ、実はロシアも、これも事前通告しておりますけれども、国際法上の根拠を示して、根拠になっているかどうかは別として、クリミア編入を行った、こう主張しているわけであります。特に、ロシアの立場というのは、プーチン大統領のスピーチ等から幾つか引用いたしますと、クリミア半島の住民の意思表明は、民族自決の原則を定める国連憲章第一条に従って実施をしたのだと。
 民族自決の原則とプーチン大統領は主張するわけでありますけれども、では、このことに対してどのように反論するのですかということが一つあります。
 それと、プーチン大統領は、これも国際法を掲げて、コソボの例を挙げています。つまり、コソボの例を挙げて、独立に係る一方的宣言に際して中央政府のいかなる許可も必要としない、国際司法裁判所、ICJは、国連憲章一条二項、つまりは民族自決の原則だと思いますけれども、一条二項に基づきこれを認めたというふうに言っています。
 さらに、またICJがプーチン大統領の演説で出てくるんですね。コソボ問題に関する二〇一〇年七月二十二日付のICJの勧告的意見ではということで、安保理の実行から一方的独立宣言の一般的禁止を推論することはできない、一般国際法は独立宣言に適用可能な禁止を含まないと定めたのだということまでスピーチの中で実は言っているということです。
 このロシアの主張に対して、どのように日本政府として評価をしておりますか。

○岸田国務大臣 まず、御指摘のように、ロシアは、国連憲章第一条の民族自決権、さらにはコソボの例を援用しながら、みずからのクリミア編入を正当であると主張しているわけです。
 まず、民族自決権とは、主として植民地独立の文脈で掲げられた原則です。ですから、今回のクリミア問題に援用することが適切なのかどうか、我が国としては適切ではないと考えております。
 そして、コソボに関してですが、コソボにつきましては、長年にわたり、国連の安保理を中心として、その地位問題につき、国際的交渉と外交努力が積み重ねられました。そして、一九九四年には国連の暫定統治下に置かれ、その後、国際社会の合意のもとで暫定自治政府が成立し、二〇〇八年二月にコソボは独立を宣言いたしました。こうした独立宣言が行われる過程において、国際法の違反はなかったと認識をしております。
 一方、今回のクリミアの問題に関しましては、その地位において、コソボのときのような国際的な議論は行われておりません。そして、住民投票によって同共和国の分離、編入が過半数をとっても、ロシア軍と見られる武装部隊が展開する中で住民投票が決定、実施されており、その過程において国際法上違法な介入が行われていたと認識をしております。
 こういった点を考慮して、我が国としては、こうしたコソボの事例あるいは国連憲章第一条を根拠として、今回のクリミア併合を正当化することはできないと考えております。

○玄葉委員 特に後者のことはよくわかりました。
 ただ、冒頭おっしゃった、これはぜひ説明していただければと思うのは、多分、今聞いている委員の皆さんも、いわゆる国連憲章一条に書いてある民族自決の原則とロシアは言っていますよね、それに対して、今回は適用されないというのは何でなんですかときっと思っているんじゃないかなというふうに思うので、簡単に説明してもらえればと思います。

○岸田国務大臣 国連憲章第一条、民族自決権が適用されるかどうかということについては判断は難しいかと思いますが、そもそも、この民族自決権、国連憲章第一条、これは植民地独立の文脈で掲げられた原則だと承知しておるので、これをクリミア問題に援用することは適切ではないのではないかというのが我が国の考え方であります。

○玄葉委員 私もそう思います。わかりました。
 それで、今回のクリミア編入問題でありますが、やはり全体の文脈から見ると、私も国際法違反だと思うし、力の論理がまかり通ったな、十九世紀的だな、帝国主義的だなというふうに思います。
 その上で、具体的に幾つか聞きたいのは、今回のクリミア編入がもたらす尖閣における事態、状況への影響をどう考えておられるかということであります。

○岸田国務大臣 まず、クリミアの問題につきましては、アジアを含む国際社会全体にとって極めて重要な問題であると認識をしております。そして、この問題については実際さまざまな議論が行われています。さまざまなところでこの問題の影響について論評がされているのは承知をしております。
 しかしながら、実際のところ、本当にさまざまな要素が絡み合っていますし、その要素が関連することによってどんな結果につながっていくのか、さまざまな議論はあるわけでありますが、我が国の立場として、特に尖閣諸島あるいは北方領土問題等について具体的にどんな影響をもたらすのか、これを予断を持ってお答えするというのは難しいと考えています。
 いずれにしましても、こうした問題が我が国の立場を損ねることがないようにしっかり外交を進めていく、このことが大事だと考えております。

○玄葉委員 実は、この間、在京のロシア大使と夕食を食べました。高村さんも一緒でした。その中で、そういうお酒の場ですから、冗談、ブラックユーモアでありますけれども、先方から、北方領土も住民投票で決めましょう、こういう話がありまして、それは明らかなブラックユーモアだと言ったんですね。
 つまりは、仮に、これから北方領土交渉があって、現在しているわけでありますけれども、国境線が画定しました、日本の領土であるというふうに国境線が画定しました、その中で、ロシア系の住民が住んでいます、そこで、また住民投票が行われて、今回のクリミアのような事態になってしまうということだって全く考えられないわけじゃないわけですよね、今回の事態の援用で、あるいは延長で考えると。
 だから、本当にさまざまなことを、尖閣あるいは北方領土の問題を考える上では、尖閣の問題ということは私は言っていないんですが、北方領土の問題、北方領土交渉を考える上では、あるいは尖閣に対する影響を考える上では、まさに考慮に入れなければならないのだろうというふうに思います。
 そういう意味で、尖閣でありますけれども、やはり中国は息を凝らして現在の状況を見ているのではないだろうかというふうに思うんですね。もし、こういうふうに国際法に反した中で、いわば力の論理がまかり通る形でいわゆる国境線が変わるということに対して、日本を含めて、特に米国初め欧米諸国が何の代償も与えない、何の代償も与えなかったと仮になったときには、やはり中国には誤ったシグナル、サインになるのではないかというふうに思われるのでありますけれども、岸田外務大臣はどのようにお考えですか。

○岸田国務大臣 中国が今回のウクライナの問題についてどう見ているのか、どう考えているのか、私自身、中国の立場について断定的に申し上げる材料は持ち合わせてはおりませんが、先日、国連総会におきまして、ウクライナ問題につきまして決議が採択をされました。その際に、中国は棄権をしたというのは事実であります。
 我が国としましては、こうしたウクライナ問題を通じまして、我が国の立場が損なわれてはならないと考えておりますし、そのために、これまでもさまざまな、G7の共同声明ですとか、あるいは国際会議の場において、力による現状変更は絶対に容認できない、こういった考え方は強く訴えてきたところであります。
 いずれにしましても、国際社会において誤ったメッセージが発せられることがないように、我が国としまして、我が国の立場、考え方、G7初め関係国とも連携しながら、しっかり発出していきたいと考えています。

○玄葉委員 私、ちょっと今思い出したんですけれども、この場でというか、部屋は違ったと思うんですけれども、外務委員会の場でシリアの問題を扱ったことがあって、あのときたしか、オバマ大統領がレッドラインを越えた、一線を越えたということを言った瞬間に、私はまずいんじゃないかなと思ったということを申し上げた記憶があるんです。
 あれは、結果として、レッドラインを越えたといって、軍事介入はしなかったわけです。それは、もしかしたら、識者によっては、誤ったシグナルを与えているのではないか、あるいは今回のプーチン大統領の動きに何らかの形で関係したのではないかというふうにも言われていますよね。
 今回、また何らかの代償、いや、ロシアとの友好関係というのは日本は大事だと私は思っているんですけれども、ただ、何らかの代償がなく形式的な、例えばグルジア戦争のときのような、あれは別に編入したわけじゃない、一方的に、ロシアプラス二、三カ国だけが国家承認しているような状態ということなんでしょうけれども、あの南オセチアとかアブハジアだとか、本当にあのときのような全くの形式的な制裁に終わっちゃって何の代償も伴わなかったという状況が生まれると、これは、これから長い目で見たときに、いろいろなことに影響を与えちゃうんじゃないかと私は心配しているんですよね。
 どう思われますか。

○岸田国務大臣 ウクライナ情勢につきましては、引き続き流動的だと考えております。クリミア情勢ももちろんでありますが、ウクライナ自身、五月の二十五日に大統領選挙が予定をされております。こうした選挙の行方等を見ながら、ロシアを初め国際社会がどう対応するのか、こうした点が注視をされています。
 その中で、我が国として適切に対応していかなければならないわけですが、まずは我が国としましては、三月十八日、ロシアとの査証緩和に関する協議を停止する、さらには、新投資協定、宇宙協定、危険な軍事活動の防止に関する協定、こうした三件の新たな国際約束の締結交渉開始を凍結する、こうした措置を発表いたしました。これは、まずもって、力を背景とする現状変更の試みを決して看過することはできない、こうした姿勢を示す上で適切な措置であったと考えております。
 そして、こうした我が国の考え方は、G7の共同声明あるいは三月二十四日のハーグ宣言、こうしたものに我が国も参加をし、しっかりと表明をしてきております。今後とも、こうした我が国の立場、考え方はしっかり表明していかなければならないと思っていますが、そして、これをロシアに対しても昨年来の二国間関係に基づいてしっかりと直接働きかけていく、こうした姿勢は重要だと考えております。
 ぜひ、こうしたG7を初めとする関係各国と連携しながら、ロシアに対してしっかりと働きかけを行い、そして、今後の情勢を見ながら、さらなる措置についても検討していかなければならないと考えています。

○玄葉委員 オバマ大統領が四月の二十三日から来日をされると聞きました。当然この問題も話し合われるというふうに思います。
 やはり、今のところ日本は、G7の中ではいわば一番後ろで制裁についていっている、こういう感じではないかというふうに思うのであります。
 先ほど申し上げたような北方領土交渉への影響、また、もちろん、後にプラスに出るのではないかという説もあるのはあるのでありますが、尖閣に関して言うと、やはり中国は、下手をすると、南シナ海でも東シナ海でも、こうした力で強く出ても構わないという勘違いをしてしまいかねない、そういう問題だと考えれば、また、さらに言うと、法の支配というものを強く打ち出している日本国として、国際法違反であるというふうに断じている、つまりは、国際秩序をつくる上でのルールの問題、理念の問題として、大事にしている法の支配にかかわる問題だというふうに考えたときに、何となく今のように、G7の中で最後のランナーとしてついていきますよという状況で、事実上の様子見のようなことを続けていてよいのか、こういう批判が当然あり得るわけでありますけれども、いかがでしょうか。

○岸田国務大臣 まず、三月二十四日、オランダ・ハーグでG7の首脳会合が開かれましたが、その際にも、安倍総理は、アジアの厳しい安全保障環境を念頭に、この問題は一地域の問題ではなくして国際社会全体の問題である、こういった発言をしております。ぜひ、こうした問題に対する対応が国際社会に対して誤ったメッセージを発することがないように、しっかり対応しなければならない、こういった思いを訴えたものと承知をしています。
 G7各国、国際法の遵守、法の支配を尊重する、こういった思いについては間違いなく一致をしております。そして、ウクライナの問題について、クリミア編入について強く非難をする、こういった点については一致をしております。
 その中で、我が国として、具体的にどう対応していくのか。我が国独自に対応できる部分もあるのではないかと考えます。
 一つは、昨年来のロシアとの二国間関係に基づいて、しっかりとロシアに対して、この問題について我が国の考え方、立場を訴えるということもあるのだと思いますし、そもそも、ウクライナの情勢そのものに対して、平和的な解決に導くべく、今国際社会が取り組んでいます。IMFを初めとするさまざまな国際機関が協力を今検討しているわけでありますが、こうした国際機関との連携に基づいて、ウクライナの問題を平和裏に解決するべく努力をする、こうした努力に我が国として貢献する、こういった取り組みもあるかと存じます。
 ぜひ、我が国としましては、G7、関係国との連携、これはもちろん大切でありますが、我が国独自の立場からこの問題を平和裏に解決するために貢献をする道もあわせてしっかり検討していきたいと考えています。

○玄葉委員 四月に、岸田外務大臣、ロシアに行かれるという話を以前聞いたことが、報道なんかで見たことがありますけれども、予定どおり行かれるんですか。

○岸田国務大臣 ウクライナの情勢をめぐりましては、先ほど申し上げました、三月二十四日のハーグ宣言の中においても、状況を緩和するための外交的な道筋、これはロシアに対して引き続き開かれているという内容が盛り込まれており、ロシアに対しましてぜひ責任のある行動を促していく、こういった姿勢をG7各国は示しています。
 我が国として、ぜひ、我が国の昨年来積み重ねてきた日ロ関係に基づいて、ロシアに責任ある行動を促していくべく努力をしていかなければならないと考えてはおります。ですから、ロシアとの政治的対話、これはこれからも大事にしていかなければならないと考えています。
 しかしながら、私のロシア訪問、昨年来、ロシアとの間において訪ロが約束されているわけでありますが、この点については、まず、現状においては何ら変更はありません。しかしながら、ウクライナ情勢、そしてG7各国あるいは関係国の動向ですとか、そしてそういった国々との関係等も勘案しながら、引き続きそういった動きを注視しつつ、適切に対応していかなければならない課題だと思っています。

○玄葉委員 そうすると、前向きに行くということよりは、慎重に見きわめる、こういう感じですか。

○岸田国務大臣 ロシアには責任ある行動をしっかり促さなければなりません。また、ウクライナ情勢は流動的であります。こういった中にあって、我が国として適切な行動はどうであるのか、これは引き続き検討していかなければならないと思っています。

○玄葉委員 まさにこれは難しい判断だと思いますけれども、総合的な判断をしていかなきゃいけないんだろうというふうに思います。
 国際法の観点で、また別の問題を一つだけお聞きしたいんですけれども、きょうは国際法にできるだけ特化して聞こうと思っていたんですが、韓国、日韓関係、今度時間があったら一度じっくり全般的にやりたいんですけれども、きょうは、国際法絡みでいうと、幾つかあるんですけれども、一つだけ聞きたいと思います。
 いわゆる徴用工をめぐる裁判というのが、日本企業が敗訴しているわけであります。これは、もちろん個人の請求権においても、一九六五年の日韓請求権・経済協力協定で完全かつ最終的に解決されたのだというのが我々というか日本国政府の立場だというふうに思います。そういう状況の中で、これは判決が確定する可能性が強いという状況になってまいりました。
 中国でもどうやら同じような動きがあって、日本企業がかつて強制連行、炭鉱だとか建設現場だと思うんですけれども、連行して過酷な労働を強いたという問題で、これまでは政治的に中国政府はこの訴えを受理しなかった、中国政府は受理しなかったと言うと正確ではありませんが、ただ、事実上中国政府の影響下にある司法が受理をしなかったということでありますが、最近は受理をし始めたということで、日本企業二十社くらいが訴訟リスクにさらされるという、これは大問題だと思うんです。
 例えば、韓国で判決が確定したとすれば、これは国際法違反として日本国政府としては争うということなのか、それとも、あくまで外交的な解決を求めていくということなのか、その点についてお伺いをしたいと思います。

○岸田国務大臣 御指摘の旧民間人徴用工の問題を含め、日本と韓国の間の財産、請求権の問題につきましては、日韓請求権・経済協力協定により完全かつ最終的に解決済みである、これが我が国の政府の一貫した立場であります。そして、こうした立場は、今までも外交ルートを通じまして、韓国政府のさまざまなレベルに対してしっかりと申し入れを行い、伝えてきております。そして、韓国政府も、本件につきましては、日韓請求権・経済協力協定で解決済みだという立場であると我々は承知をしております。韓国政府自身も、こういった立場については正式に表明をしてきております。
 ですから、本件は、あくまでもこれは韓国政府自身が解決すべき問題であると考えておりまして、我が国としては、韓国政府が早急かつ適切に対応することを求めている、これが今現状の我が国の立場であります。
 我が国としましては、引き続き民間企業とも連絡をとりつつ、日韓間の財産、請求権問題に対する我が国政府の一貫した立場に基づき、適切に対応していきたいと思っております。状況を注視していきたいと考えています。
 その上で、どういったことになるのか、その点につきましては、あらゆる可能性を念頭に適切に対応していきたいと存じますが、現状においては、これは韓国の政府が適切に対応する問題であるということで、まずは状況を注視していきたいと考えています。

○玄葉委員 中国はどうですか。つまり、中国は、恐らく中国政府として、これまでと違って、もっと言うと、韓国政府とも違って、個人の請求権あるいは民間の請求権は、日中共同声明の中で扱ったような形で請求権放棄をいわゆる個人と民間はしていないんだみたいなことを中国政府が言うのではないかというふうに思うんですけれども。

○岸田国務大臣 中国との間の請求権の問題については、日中共同声明発出後、存在をしていないというのが我が国の立場であります。
 そして、今回の訴訟につきましては、こうした訴訟の状況によっては、戦後の日中の経済関係、経済協力、そういったものを揺るがしかねない大変大きな問題であると認識をしております。そうした認識のもとに、引き続き注視をしていきたいと考えています。

○玄葉委員 時間の関係で、最後の質問をいたします。
 お手元に、NPDI広島外相会合の開催に当たっての民主党の議連の提言があるというふうに思います。NPDIというのは、いわゆるNPTの運用会議に向けて現実的な提案をして、今後の国際的な議論を核軍縮・不拡散の分野で主導するためにつくられたものであります。これまで恐らく七回か八回やったと思いますが、私も、当時、三回ほど出席をして、二回議長をいたしました。
 今度、広島で開催をされるということでございまして、それに当たって建設的な提言をまとめて、事前に外務大臣のお手元にもお渡しをしてございます。
 この提言についての評価をお聞かせいただきたいと思います。

○岸田国務大臣 一つ、お答えする前に、先ほどの答弁の中で、コソボに関して答弁した際に、コソボが国連の暫定統治下に置かれた部分につきまして、一九九四年と答弁したようでありますが、実際は一九九九年でございました。ちょっと、おわびをして、訂正をさせていただきます。
 その上で、ただいまの御質問に答えさせていただきますが、今月予定されております第八回NPDI外相会合、初めて被爆地広島で開かれるということで、各国の外相に被爆の実相に触れていただき、その上で政治的な意思をしっかり発信していく貴重な場であると考えております。
 NPDI外相会合、八回目ということですが、その間、玄葉外務大臣も三回御出席されたということであります。今日までのNPDIの実績の上に立ちまして、ぜひ、来年予定されておりますNPT運用検討会議、五年に一遍のこの会議に向けて建設的な提言をしていきたいと考えているところであります。
 そして、民主党の非核議連の提言についてどう考えるのかという御質問でございますが、先日、この提言書、紙を私自身直接いただきました。内容につきまして、大変貴重な提言をいただいたと認識をしております。
 その中で、核軍縮・不拡散に向けたアプローチについてはさまざまな考え方があります。我が国としましては、拡大抑止政策を含む安全保障政策と両立する形で段階的に核軍縮を進めるというアプローチをとっていますが、いただいた提言にあります、核兵器のない世界を目指すという目標については国際社会で広く共有していると考えております。
 そして、いただいた提言にあります、核兵器の非人道性も重要な問題であると認識をしております。核兵器の非人道性を考慮することが、核兵器のない世界を目指す上で、国際社会を結束させる触媒であるべきであると考えます。
 NPDI広島外相会合におきましては、いただいた提言も踏まえまして、ぜひ、核兵器の非人道性をめぐる問題についても、参加する各国外相と率直な意見交換を行っていきたいと考えております。

○玄葉委員 時間が来ましたので終わりますけれども、ウクライナの危機をめぐって米ロの関係が特に緊迫をしている中でありますので、核軍縮分野でNPDIの果たす役割は大きくなっているというふうに思います。
 大臣の御地元での開催でもあります。私自身のときにたしか広島と場所を決めたんですけれども、あのときに、広島の地元の関係者の皆さんから強い要望をいただきましたし、記録に残しておきたいと思うので一言つけ加えると、特に公明党の斉藤議員から強く広島開催の要望をいただいていたということも申し上げておきたいというふうに思います。
 広島会合の成功を強く期待したいと思います。
 以上で終わります。どうもありがとうございました。
 

東日本大震災復興特別委員会(平成25年12月3日 議事録)

○玄葉委員 玄葉光一郎です。
 根本大臣にお尋ねをしたいというふうに思います。
 まず、せんだって、一カ月くらい前だったと思いますけれども、自民党の対策本部で、福島の復興について、全員帰還という方針から転換をするという類いの提言が出されたわけであります。これは、福島の復興を考える上では最も根本的な、かつ本質的な問題であります。
 実は私は、この一月から福島をずっと歩き始めました。週三日から四日歩いたというふうに思います。かつて閣僚のときにも帰りましたけれども、どうしても、日数が少ないということもあってか、また、立場もあってか、残念ながら、今思えば、十分本音の議論が交わせたということではなかったなという思いもあります。
 この間ずっと歩いてきて、それを踏まえて、二月だったか三月だったか忘れましたけれども、この予算委員会の場で安倍総理に、全員戻るというのは北極星で、これからもあり続けるんだけれども、一部戻らないという前提の議論も始めるべきだという話をいたしました。あのとき、安倍総理はきょとんとされていたように思い起こしますけれども、十分、私の伝え方が悪かったのかもしれませんが、意味がわからなかったんだというふうに思います。
 したがって、先ほど申し上げたことというのは、どこかで誰かが言い出さないと実は始まらないという大事な問題であったということではないかというふうに思っているんです。
 その点、実はどうなんでしょうか。平野大臣から、根本大臣、この点について、引き継ぎというのはどのようになされていたんでしょうか。これは質問通告しておりませんでしたけれども、お答えいただける範囲でお答えいただければというふうに思います。

○根本国務大臣 自民党加速化本部の提言がその考え方を転換したということは、私はないんだろうと思います。
 あと、平野大臣については、全般的な引き継ぎを受けました。
 例えば、帰還困難区域のように、事故後六年が経過しても放射線量の関係で帰還が難しい地域がある。戻りたいと考えている方々、戻らないと考えている方々、判断に迷っている方々、さまざまにおられますので、やはり大事なのは、被災者の方々それぞれの判断に応じて、それぞれ丁寧に支援を進めていくことが必要だなと私は思います。

○玄葉委員 丁寧に進めるというのはそのとおりで、我々もフォローして丁寧に進めていこうと思っているんですけれども、私は、二月か三月、野党の立場でありました。ただ、復興に与野党はないということで、あえて泥をかぶる気持ちで実はそのことを申し上げたわけであります。
 やはり、ほとんど戻れないなと感じておられる方々が二年半たって出てきているというのは御存じのとおりです。先ほど申し上げたような話を三・一一直後はとても言い出せなかった、今でもそう思います。でも、先ほど時間軸という話がありましたけれども、時というのはやはり大事で、二年あるいは二年半たつ中で、気持ちの整理というものがついてくる方々が出てきたということだと思うんですね。
 ですから、さまざま本音でいろいろ話をしていると、大きな政策転換というかどうかは別として、やはり、一部戻れない、あるいは戻らないという前提の議論というのを本格化させないと、実はなかなか問題は前進しないというところがあるのではないかというふうに思います。
 ぜひ根本大臣、ここは、私は野党の立場で言ったときに、最終的にはやはり政府が言わないとだめです。ですから、ぜひ泥をかぶる気持ちで、これからさまざまな批判覚悟で、丁寧にというのはそのとおりなんですけれども、どこかで誰かがブレークスルーしていかないと突破できない問題というのがありますので、その点を踏まえて、これから復興大臣として活躍をしてもらいたいというふうに思っております。
 時間がございません。きょう、本当は三時間ぐらい質問したいぐらいの気持ちなんですけれども、ぜひ、秋葉委員長、復興特はもっと開いた方がいいです、これは。やはり一回だけというのは、復興、被災地に対する、立法府として何をやっているのかということになりますから。秋葉委員長、その点いかがですか。

○秋葉委員長 今、玄葉委員からは、開催を求める貴重な御意見をいただいたと思っています。私も、極力そういう方向で努力をさせていただきたいと思います。

○玄葉委員 それでは、各論について、時間がないので、端的に意見として申し上げて、端的に中身のある答弁をしていただければと思います。
 まず、ずっと歩いていて最近一番よく言われるのは、福島県の医師不足。これはもちろん全国的にそうなんでありますけれども、特に福島県の場合、原発事故で子供がいる医師が県外に出てしまう、こういうことで、より一層深刻になっています。特に浜通りはそうなんですが、浜通りはかつてさまざまな対策をとって、少しずつ改善してきています。
 実は、意外と深刻なのは、根本大臣の御地元の郡山なんです、県中地区なんです。県中地区がお医者さんがいなくなって、そのあおりを県南地区が受ける、こういうことが起きていまして、かつても医師不足、もちろん全国的にそうなのはよく承知しているんですが、福島県は特に特に深刻になっている。この具体的改善策をお答えください。

○根本国務大臣 被災地の医師不足、岩手県、宮城県、福島県、それぞれあります。玄葉委員がおっしゃるように、私は、医師不足対策は各県ごとの状況を踏まえながら対応する必要があると思います。中通りもそのとおりだと思います。
 医師不足対策で政府がこれまで取り組んできたこと、市町村や医療関係団体などの意見を踏まえた医療の復興計画を被災三県で策定していただく、そして、この計画に基づく事業を支援するために、被災三県の地域医療再生基金に対して合計千四百八十億円の積み増しを行ってまいりました。福島県では四百四十五億円を積み増ししております。
 福島県では、医師などの確保に関しても、この地域医療再生基金を活用して、一つは、当面の対応として、医療関係団体から成る被災者健康支援連絡協議会を通じた医師派遣に係る経費や県外からの医療従事者確保に対する支援を行うこと。二つ目は、長期安定的な医師確保のため、平成二十年度から、五十人増員した福島県立医科大学の入学定員のうち、地域枠三十人分、これについて修学資金を貸与し、県が指定する医療機関に一定期間勤務した場合には返還を免除する制度、こういう取り組みをやっております。
 さらに、福島県相双地域、これはもう委員のお話にありました、厚生労働省相双地域等医療・福祉復興支援センターでの医師の派遣調整、あるいは地域の医師不足病院の医師確保の支援等を行う地域医療支援センターの運営費の補助などの取り組みを行っております。
 福島県といっても、浜通り、中通り、会津地方、それぞれで、医師不足、あるいは抱えている課題、問題が違いますので、福島県における医師確保に向けて、引き続き必要な支援を行っていきたいと考えます。

○玄葉委員 県立医大の話などはそのとおりだし、また、東北に医学部をもう一つ新設するとかという話もありますけれども、中長期的、構造的な問題への対処というのはまず大事であります。
 ただ、とにかくこの三、四年の話として、かなり深刻ですね、これは。私があえてきょう、こういう委員会で取り上げるほど深刻だということを、恐らくよくわかっていると思うんですけれども、各省庁から見たときに、根本復興担当大臣は、いわば復興に関しては上の立場にいるわけですから、これはやはり、かなり特別の策を講じる必要があると思うんですね。
 だから、場合によっては、常勤医じゃなくてもいいかもしれません。県外からのローテーション。亀田病院が南相馬を支援しているなんという例もありますけれども、さまざまな応用策、地域支援病院の活用もあります。
 さまざまなことを応用して、結果を出しましょう。半年後とか一年後に何とか結果を出さないと大変なことになる。今までお産ができたところでお産もできないとか、そういうところが続出をするということになりますから。
 一言だけ、決意を。

○根本国務大臣 私も申し上げたように、被災三県の医師不足の状況、それは、それぞれ状況が異なる。ですから、玄葉委員がおっしゃられたように、福島県でも状況が異なる。中通りの医師不足、それは私も認識しております。
 医療再生基金の積み増しも行ってまいりました。これは、県と国と地元市町村と、総力を挙げて取り組むべき問題だと思います。
 そして、私も、福島県の医師不足、先日も厚生労働省の審議官以下を呼んで、個別に、具体的に、どうなっているのか、これは特に相双地域が中心でしたけれども、それぞれの病院でどの程度の不足になっているのか、やはり個別診断が必要だという対応もやって、これに強力に取り組むようにという指示もさせていただいておりますので、これからも全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。

○玄葉委員 私も二十年国会議員をやっていて、こういうふうに露骨に地元のことを申し上げるというのはほとんどなかったんですけれども、これは復興の特別委員会なのであえて申し上げますが、県南の医師不足は大変深刻なので、ぜひ個別診断を大臣の方でもしていただきたいというふうに思っています。
 次の質問です。
 これも個別の話なんですが、福島県については、原発事故の影響があるから、とにかくピンチをチャンスにというぐらいの大胆な発想でということで、私もかつて政調会長と大臣を兼任していたときに、企業立地補助金とかグループ補助金とかを創設して、うまく活用している地域もあります。
 復興を考える上で、私は、広野町というのがポイントだと思うんですね。なぜかというと、あそこが帰らないと楢葉町は帰らない、楢葉町が帰らないと、その内側、つまり、第一原子力発電所に近い地域は帰らないということで、広野町を大事に私は考えているんですけれども、ああいったところに商業施設がないと帰れないと言われ、私は、ある商業施設に個別に依頼をしました。依頼をしたところ、採算性を半ば度外視して、福島の復興に貢献したいといって、今前向きに検討してくれています。
 何が言いたいかというと、全く逆行する動きが発表されたので大変残念だったということなんです。それは、日本たばこ、JTが、郡山工場、須賀川工場を整理縮小する、閉鎖もする、こういう発表をしたわけであります。
 これは、もちろん、民間経営体でありますので、特に国内のたばこ市場のことを考えれば、一部、一定の理解はするんですが、さはさりながら、これは、三分の一は国が持っていて、大株主なんですね。
 先ほど申し上げたように、純粋な民間企業が、採算を一定程度度外視しても福島の復興に役立ちたいと言っている。そして、そういった経営計画を立てているにもかかわらず、過去最高益を出しているJT、恐らく来年三月にはさらに過去最高益になるはずでありまして、それが、福島にこれまで恐らく百年くらいずっと工場を置いていたわけでありますけれども、撤退をするということに対して、国として何も言わなくてよいのですかという素朴な疑問がございますが、大臣、いかがですか。

○根本国務大臣 玄葉議員もよく御承知のとおり、JTの郡山工場、これは、長年、地域に立地して、そして被災地の雇用においてこれまで重要な役割を果たしてきた、私も、これは本当に事実であろうと思います。地元の人間の一人としては、私も存続してもらいたい気持ちがあること、これも事実です。
 ただ、そういう観点の中で、玄葉委員も今おっしゃられたように、民間経営体の判断、あるいは株主権をどう行使すべきか、これは所管の財務省の判断ではありますが、我々復興庁としては、被災地の雇用確保が重要であるという認識のもとに、JTの郡山工場が廃止されたとしても、企業立地の促進等によって雇用の回復を図ることが重要だと考えております。
 玄葉委員がお話しになられたようなグループ化補助金あるいは企業立地補助金、本年度から、企業立地補助金については、津波被災地域及び原子力災害被災地域を対象とした新たな制度も創設しました。あるいは、復興特区制度に基づいて、復興産業集積区域を設定して、これに対する企業立地を促進する。
 さまざまな企業立地促進策を講じておりますが、やはり大事なのは、雇用創出基金や立地補助金など、あらゆる政策を活用して、被災地の雇用の回復、産業の再生、産業の創成、これに全力で取り組んでいくことだと思います。しっかり取り組みたいと思います。

○玄葉委員 JTは、財務大臣の判断である、どういうふうに口を出すかは、こういう話でありますが、福島の復興に関しては、先ほど申し上げたように、各省庁の上に根本復興担当大臣がいるわけであります。一民間企業体ではあるが、先ほど申し上げたように、大株主である。そして、関連異業種の工場をたくさんJTは持っているんですね。
 ですから、これまでの地域とのつながりを考えても、私が担当大臣ならJTに言いますね、もちろん、財務大臣と相談をした上ででありますけれども。やはり、そのくらいのことを担当大臣としてはやってもらいたいというふうに私は思いますけれども、いかがですか。

○根本国務大臣 JTについては、我々の思いも認識していただいていると思います。
 その上で、株主権の行使、これは所管の財務省の判断になるわけでありますが、JTには雇用の確保、そして、我々としては、新たな産業の立地の促進、創成、再生、これに努めていきたいと思います。

○玄葉委員 ぜひ、その点について、担当大臣でしっかり動いていただくように、再度要請をしたいというふうに思います。
 双葉地方の中高一貫校について、これはもう意見として、時間がないので一言だけ申し上げておきたいというふうに思うんです。
 この双葉の教育をどうするかというのも、大問題であります。
 中高一貫校をつくるという大方針が出されました。相当魅力的な学校じゃないと、人が集まらない、生徒が集まらないというふうに思います。したがって、私としては、今、県の教育委員会や、あるいは双葉の子供を持つ親の方々が一緒に話し合っていると思いますけれども、大胆な発想でこの中高一貫校を展開しないといけないのではないかというふうに思っています。
 私は、いわゆる独立行政法人ではありますけれども、旧国立大学の附属にするぐらいの発想が必要だと思っておりましたが、どうも、文科大臣が乗り気ではなくて、そうはならなかったというふうに聞いております。
 福島大学との連携、もっと言えば、県境、県を越えて、実は、茨城県に近いということもありますので、筑波大学との連携というのを考えていくべきではないかというふうに思っています。活用の仕方によっては相当魅力的な学校になっていくというふうに思いますので、その点については提言として申し上げておきたいというふうに思います。
 次の問題でありますけれども、福島県の復興を考える上でこれも本質的な問題なんですが、リスクコミュニケーションをどうするかという問題であります。
 このリスクコミュニケーションについては、我々もこの三年近く本当に苦労してきたというふうに申し上げても過言ではありません。
 九月の八日に安倍総理がIOC総会で、今までも、現在も、将来も、健康に問題はないと約束するというふうに言い切ったわけでありますけれども、この言葉を通じてリスクコミュニケーションを考えてみたいと思うんですけれども、この言い切った根拠というのは一体何なんでしょうか。

○根本国務大臣 IOC総会での安倍総理の発言要旨でありますが、汚染水問題は、要は、簡単に言いますと、事実を見てほしい、汚染水による影響は福島第一原発の港湾内の〇・三平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている、福島の近海でモニタリングしているが、数値は最大でも世界保健機関の飲料水の水質ガイドラインの五百分の一だ、日本の食品や水質の安全基準は世界で最も厳しい、健康問題については、今までも、現在も、将来も、全く問題ない、こう答えておられる。
 その意味では、今の汚染水問題、これについては経済産業省が担当でありますが、福島第一原発では、貯水タンクからの汚染水漏えいなどの個々の事象は発生しているが、福島県近海での放射性物質の影響は、発電所の港湾内の〇・三平方キロメートルに限定されていると承知しております。(玄葉委員「健康だけ」と呼ぶ)この前段の話だから。
 また、外洋においても、福島県沖を含む広いエリアでしっかりモニタリングしているが、汚染濃度をはるかに下回る値であると聞いております。
 一方で、食品中の放射性物質に関する基準、これは厚生労働省の担当になりますが、日本は、国際的に見ても厳しい条件設定をしております。この基準値を超過した食品については、回収、廃棄されるほか、地域的な広がりが認められる場合には出荷制限を行うなど、厳格な管理体制をしいております。このため、市場に流通している食品を摂取することによる健康影響を懸念する必要はないものではないかと考えております。
 以上の前提のもとで、総理がこういう御発言をしたと思っております。

○玄葉委員 私は、心配だ、心配だということを言って不安をあおり立てるつもりは全くないです。全くなくて、本当に、こういうふうに言い切れれば一番いいんですよ。言い切れないから、実はこの間、福島県知事も含めて、じだんだを踏んですごく苦しんできたんですね。
 今、食品の話だけ出ましたけれども、今までも、現在も、将来も、健康に問題はないと約束すると言ったら、事故のときも含めて、恐らく、いわゆる内部被曝だけじゃなくて外部被曝のことも含めて言ったんだろうというふうに考えるのが普通だと思いますけれども、その点はどうなんですか。

○根本国務大臣 私は、今、総理の御発言を紹介しました。
 玄葉委員おっしゃるように、低放射線の健康リスク、これは、科学的、専門的にきちんと共有して、しっかりとリスクコミュニケーションをしなければいけないと思います。そして、二年八カ月たって、あのときの線量と実際に被曝した線量、これはデータが今どんどん蓄積されていますから、そういうものをしっかりと分析して我々は対応していく必要があるんだろうと思います。
 そして、食品については、世界で一番規制値をかけていて、しかも、市場に今流通している食品は全て検査済みですから。基準値を超えたものは、廃棄処分したり、出荷を自粛させるわけですから。
 低放射線の健康影響に関する状況と、そしてリスクコミュニケーションをしっかりやっていかなければならないと私は思います。

○玄葉委員 正直、残念ながら、答弁はいただいていないと思うんです。別にこの復興特別委員会をとめたって仕方がないと思っているんだけれども。とめますか。
 結局、一ミリというのは、多分、世界の放射線量の平均なんですね、年間一ミリという話は。食品は全くおっしゃるとおりですよ。私は、地元に行けば、常に、むしろ不安を解消する立場でこの間もずっと話をしてきたし、今もそうなんです。
 ただ、何で苦しんできたかというと、結局、低線量被曝のデータが完璧じゃないからですよね。低線量被曝に関するデータが完璧じゃないじゃないですか、一から百の間が。百以上は出ているわけですよ、百ミリシーベルト以上は。一から百が完璧じゃないから、みんな一〇〇%の断言ができないから、みんな苦しんできたわけですよ。
 だから、私は、言い切るということについては、非常に違和感が実はあるんですね。
 食品は言い切っていいと私は思うんですよ。百ベクレル以下というのは世界の十分の一の基準だし、あのとおりきちっと説明すればいい。だけれども、実は、その一から百の話というのは言い切れないから今まで苦しんできたということを、多分、根本大臣もわかっているんだと思いますけれども。
 きょうは、筆頭理事がそのまま続けてくださいと言うので詰めませんので、また改めてどこかでやりたいというふうに思います。
 最後に、これも歩いていて、何か細かいことを聞くなあと思われるかもしれませんが、結構頻繁に皆さんからお話を聞くのが有害鳥獣対策で、これも全国的な傾向なんですが、特に福島県は深刻、原発事故もあってということであります。
 これは、結論だけ申し上げると、私はこうしたらいいと思います。
 高齢化で、猟をやる人も今減っています。だから、なかなか人数もそろわないということもありますので、結論から申し上げると、年間、例えば三百万とか四百万とかの経費を復興庁でとって、それぞれの市町村に預けて、専門のハンターを雇ってください。それぞれの市町村にいますから、何人かは。だから、もう専門でやってもらう、年間を通して。
 そういうのが一番効率的で効果的ではないかと私は思いますので、その点について提言しておきますから、一言いかがですか。

○秋葉委員長 根本大臣、質疑時間が終了しておりますので、簡潔にお願いします。

○根本国務大臣 有害鳥獣対策、特にイノシシ、私もそのとおりだと思います。
 これは、もう我々も取り組んでまいりました。農林水産省では、鳥獣被害防止総合対策交付金において、捕獲おり、わなの購入等の取り組みへの支援をやっているし、鳥獣被害防止緊急捕獲等対策、これは、イノシシの捕獲数に応じて一頭当たり八千円を支払う、こういう取り組みをやってまいりました。
 さらに、今お話しの話と共通だと思いますが、捕獲等の担い手の育成、確保が重要な課題、これについては、平成二十四年三月に鳥獣被害防止対策特措法も改正して、そして、捕獲等の被害対策の担い手である鳥獣被害対策実施隊の設置促進に努めていますから、この総合的な取り組みをしっかりとやって、一日も早い農業の再生、復興に取り組んでいきたいと思います。

○玄葉委員 三十秒で終わります。
 私も全部それはわかっているんですけれども、やはり市町村長と話すと、要は、先ほど申し上げたように、年間通してのハンターを雇えるというふうに、ある意味、各省庁のお金をまとめてもいいと思いますよ、それで市町村にぼんと流してもらえばそれが一番いいと言っていますので。これは、この場でそういう提言があったということを踏まえて、ぜひ復興庁で対応していただきたいというふうに思います。
 私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
 

9月15日(日) 「時事放談」に出演します。

9月15日(日) 「時事放談」に出演します。
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「内閣改造・外務大臣再任を受けて」

 昨年9月2日に外務大臣に就任して以来,私は、結果重視の「実のある外交」を進めてきました。率直なところ、「政権交代」が実現して間もない一時期、日米間の緊密な連携が機能しない可能性が生じましたが、在日米軍の再編に関する新しい日米合意と6年ぶりの日米首脳間の共同声明を実現することなどにより、日米同盟を一段と深化させることができたことは大きな成果であると考えています。そのほかにも、北朝鮮によるミサイル発射に関し、G8外相会合による独立の非難声明発出を主導し、強い内容の安保理議長声明の発出に強く関与したこと、南スーダンへのPKO派遣を実現したこと、防衛装備品の海外移転に関する基準を策定したこと、過去14年間で半減していたODA予算の反転の端緒を開いたこと、海洋に関する議論の場をASEAN以外の国に広げる提案を東アジア首脳会議で前向きに受け止めさせたことなど、ひとつひとつ着実に成果が積み上がってきたと実感しています。

 

今後も、日米同盟のさらなる深化に取り組み、近隣諸国との協力・連携を一層推進するとともに、民主主義的な価値に基づいて豊かで安定した秩序を構築する「ネットワーク外交」を推進していきます。

 

当面は、日米首脳共同声明のフォローアップ、7月のアフガニスタンに関する東京会合の成功、北方領土問題解決に向けた議論の推進、ミャンマーの民主化と開発を一層進めるための国際社会の取り組みの主導、TPP交渉参加に向けた関係国との協議を含め、包括的経済連携に関する基本方針に基づく高いレベルのEPA・FTA実現に必要な施策の実施、北朝鮮を巡る問題、イランの核開発の問題といった優先課題に力を入れます。また、我が国国民による復興への取組みから、強靱さなどの日本の精神性が注目され、BBCが世界22カ国で行った調査では、日本が世界でよい影響力を行使している国の第一位に輝きましたが、伝統、文化を含めた日本の多様な魅力を国際社会に発信するため、国家戦略担当大臣とともに取り組みを強化します。

 

そして,閣僚の一員として,また、福島県選出の国会議員として、県民の皆様の思いを胸に,風評被害対策、IAEAとの共催の原子力安全に関する国際会議の福島開催を含め、外務大臣の所掌にとらわれず、福島の復興・再生に引き続き全力で取り組んでいきます。

 

 

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