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内閣委員会で質問に立ちました。(令和3年3月19日 議事録)

○玄葉委員 

玄葉光一郎です。

このデジタル改革関連法案のそれぞれの質疑、内閣委員会に座らせていただいて聞いていて、興味深く思っています。それで感じた素朴な疑問を幾つか、ほとんど総論ですけれども、聞かせていただきたいと思っています。

まず一つは、私自身はマイナンバーのときの議論というのは余りコミットしていなかったのですが、座っていて、まず思い出したのが住基ネットのときの議論なんですね。大論争だったというふうに思います。導入したいと思う方々は電子政府の基盤になるということでありましたけれども、他方で、覚えておられると思いますけれども、国民共通番号になるのではないかということで、かなり、イデオロギーに関係なく、左右の論者の方々が先頭に立って反対運動を展開をされたということです。

例えば私の選挙区でも、小さな町ですけれども、矢祭町という町が住基ネットにつながないといって結構騒ぎになりましたけれども、住基ネットのあのときの大論争というのは一体何だったのかということについて、平井大臣はどう評価をし、どう総括をされておられるかということをまず聞いてみたいなというふうに思います。

○平井国務大臣 

私も、マイナンバー導入のときの議論を進めたときに野党だったんですね、政権交代していて。それで、野党の責任者として当時の政権の皆さんとも意見交換しました。やはり、そうすると、昭和四十年代の国民総背番号制の議論になり、また、グリーンカードとか、今までのいろいろな議論があって、住基の訴訟とか、そういう中で、時の政権が勇気を持って進められたのがこのマイナンバー制度だというふうに思って、我々もそれと一緒になって進めてきて、最終的な法律が通ったのは、その後、我々がまた政権を奪還してからということになったと思います。住基ネット導入に係る様々な議論、これは住基ネット訴訟の最高裁の判決というのが一つ重要だと思います。本人確認情報の目的外利用又は本人確認情報に関する秘密の漏えい等は懲戒処分又は刑罰をもって禁止されていること、個人情報を一元的に管理することができる機関又は主体は存在しないこと等から合憲とされた。

これらの判決を踏まえまして、マイナンバー制度において、制度面では、要するに、マイナンバーの利用範囲や情報連携の対象については法律又は地方公共団体の条例に規定する、不法行為を抑止するための罰則を整備する、独立性を有する三条委員会である個人情報保護委員会が監視、監督を行うこととするとともに、システム面では、各行政機関の保有する個人情報は一元管理を行わず、各行政機関、まあ国税庁とか市町村等ですね、で分散管理すること、そして、各行政機関の間でやり取りをする際には、マイナンバーではなく、暗号された符号を利用すること等で、マイナンバーを悪用して、個人情報が芋づる式に抜き出せない仕組みとしたところです。なので、システムコストは相当にかさんだということもあります。

また、今回、デジタル社会形成基本法においては、情報の活用により個人の権利利益が害されることのないようにされなければならないことを基本理念で規定しています。

そして、デジタル庁設置法案においては、デジタル庁がマイナンバー制度全般の企画立案を一元化することとなっており、マイナンバー制度のこれまでの制度面やシステム面での個人情報保護措置を維持しつつ、一層の国民の利便性の向上を図るために、情報連携の拡大を始め、マイナンバー制度の利活用を促進して、デジタル社会の基盤の一つとしたいということであります。

そして、一番重要なところは、やはり個人情報保護委員会だと思うんです。この存在が三条委員会として機能することがデジタル社会としては健全に発展するということでございまして、個人情報保護法の改正によって全体の所管を、独立性を有する個人情報保護委員会に今回一元化するということになっています。

ですから、このような今回の法律によって十分な個人情報保護措置を講じながら、デジタル社会の形成を図っていくということを目的にしております。

○玄葉委員 

〇八年の最高裁の判決が大変大事だというのは、私もそうだろうなというふうに思いますし、ある意味、決着がついたのかなという感じがしますけれども、率直なところ、あの住基ネットの大論争というのは、これはやはり必要なプロセスだったというふうに認識をされておられるのか。むしろ、例えば、先ほども一部話がありましたけれども、日本のデジタル化というのは遅れているという側面がある、例えば、それは、システム開発に時間がかかった、もしかしたら、あの住基ネットの大論争があったからかかったんじゃないかということもあるわけで、一体あの大論争というのは、もしかしたら、遅れることにつながる、足を引っ張ることになったのか、必要だったプロセスなのか、そこはどういう判断をされていますか。

○平井国務大臣 

結果的には必要だったプロセスだったと思います。

日本のデジタル化の恩恵を個人に返せなかったというのは、やはり個人のIDがないということも、これは非常に珍しい国で、これからまた議論されると思いますが、名前の読み方がまだ法律的にはフィックスできないというのは恐らくなかなかない状態だと思います。

なので、当時、年金が消えた話も、あの当時、マイナンバーがちゃんとあって、ひもづけていたら消えるはずがなかった。ですから、よくぞ今まで、このID基盤のない中で、行政はうまくやってきたなというふうにも思います。ただ、デジタル社会がここまで進んでしまったときに、やはり、これはもう今後無理だというのは、民主党政権だった時代に当時の政権が判断したと思いますし、それは時代の要請だったと思います。

ただ、昭和四十年代からのいろいろな議論の皆さんの意見をつぶさに読んでいると、さりとて心配だということがやはり多くの国民の中にあったので、ああいうような今までの過程があって今があって、個人情報保護委員会をつくってという、こういう流れは、やはり日本の社会の中では必要なことであったというふうに思います。

もうここまでこういうプロセスを踏んでいるので、私としては、デジタル化の遅れを今度は逆にアドバンテージにして、各国の失敗事例とかいろいろ見ながら日本中のデジタル化が進められたらいいな、そのように思っています。

○玄葉委員 

理解しました。

あと、素朴な疑問の二つ目は、これまでも、IT基本法というのがあって、累次にわたってIT戦略というのが策定されて、IT総合戦略本部というのがあって、首相がトップで、CIO制度があって、これは危機管理監と同じレベルの、つまりは事務次官級以上なんですよね。今度デジタル庁で設けるいわゆるデジタル監以上のいわば高い立場にある方です。勧告権もありました。関連予算も一括計上しようと思えばできたはずであります。民間人材の登用もできたはずであります。

そういう意味では、法律上、これまでも強い司令塔機能を発揮することは可能だったのではないかというふうにも思われるんですけれども、何が問題だったのか。これまでも一部議論になっていたのは承知しているんですけれども、端的に、何が足りないというふうに感じてこういう組織替えをするということなのか、ちょっと国民に分かりやすく簡単に説明していただけますか。

○平井国務大臣 

分かりやすく説明するのはちょっと難しいかなと今思いますけれども、結局、これまでも、内閣に、内閣総理大臣を本部長として、全閣僚、さっきお話しになった政府CIO及び有識者を本部員とするIT総合戦略を設置して、データ利活用やデジタルガバメントの、社会全体のデジタル化の推進の総合調整は行ってきたんですね。

私、だから、三年前か二年前ですかね、IT担当大臣をした、最後、辞めるときの記者会見に、IT担当大臣は無任所大臣なんですよ。要するに、内閣府の特命担当大臣というのは、今回マイナンバーの方はそうですけれども、IT担当大臣は何にもないんですね。無任所大臣、もう御存じだと思うんですけれども。その代わり、政府CIOにはさっき言ったような勧告権があるわけです。総理に対して話をしてと。ただ、そんなものは抜かずの宝刀で、一回も使ったことはない。

じゃ、各省のシステムを見るに当たっては、十億円以上のものはやはり見ようということにしたんだけれども、あれだけの人数ではちょっとなかなか見切れないし、実は、各省はそれぞれ勝手にいろいろなシステムをつくる。CIO補佐官というのを置いていますけれども、CIO補佐官というのは責任がないんですね。アドバイザーという形で入っている。そして、各省は、そんなにITの専門家がいるわけではないということで、ベンダー丸投げ的なものが結構やはり多いというふうに思いました。

今回、やはり過去を振り返るという意味では、政府CIOを本当に支えるスタッフ、民間からよりすぐりの発注能力のある人たちをいっぱいそろえていたらもっと違うのかなというふうにも思ったんですけれども、IT総合戦略室は、各省からいろいろな方々が来られて、大体二年でまたいなくなるというようなこともあって、民間からも来ていただいているんですが、組織としては、強いガバナンスを発揮できるというような状況ではなかったんですね。

今回初めて私は勧告権を、マイナンバー担当の内閣府特命大臣としては持っているわけですよ。そういうことで、今回法律を通していただくと、次はデジタル大臣として、これは復興庁と並びの組織ですので、首相直轄ですけれども、勧告権を持つ。そして、それを十分に尊重せよということまでその法律の中に書かせていただいた上で、予算を一括で、要するに要求するというようなことは今まで誰もやっていなかったわけですね、一部、予算というものを見ていましたけれども。

そういう意味で、今まで、やはり一番の問題は縦割りだったんですよ。要するに、省庁は、ほかの役所と連携するなんということは考えないんですよ、全く。考えずに、それぞれがやはりつくり込んできたものばかりだったんですね。そこを打破しないと、本当に国民の期待に応えられるような、要するに政府としてサービスが提供できないということで、そういう組織をつくるという経緯でございます。

○玄葉委員 

これは、デジタル庁という復興庁並びの組織をつくるということでありますけれども、まさに復興庁の組織づくりには、私、関わったんです。まさに設置法そのものを作った方でありますけれども。

復興庁をつくってみてつくづく思うのは、これは恐らくIT総合戦略本部でも、済みません、私、かつて、二年前とか、平井大臣が担当大臣だったと存じ上げずに聞いていたんですけれども、かなり人によるのかなというふうに思っていたところがあって、これは新しい組織ができても、きっとかなりの程度、人によるんじゃないかということを感じるんです。

特定の方をどうだこうだということを申し上げるつもりはないんですけれども、復興庁というのができて、復興庁が本来の機能を発揮するかどうかというのは、すぐれて属人的なんですね。すぐれて属人的で、誰が大臣をやるかで全く、はっきり申し上げて、機能を発揮するときと発揮しないときがある。

だから、これはデジタル庁ができても恐らく担当大臣に相当よるんじゃないかな、もっと言うと、総理大臣の強い意識、優先順位と、恐らく担当大臣によるんじゃないかというふうに思いますけれども、その点はどういう御認識ですか。

○平井国務大臣 

担当大臣によるといいますか、それはどの省もある程度あるなと思いますが、特にこの分野はあると思います。ただ、今回は、そういう強い組織をつくるというところ、そして、その組織をうまく今後マネジメントできたらその機能はずっと発揮できるんだと思うんですよ。

ですから、私の役目は、要するに、最初の志を忘れないような強いDNAを組織の中に入れないと、また昔に戻るようなことがないような組織にするというのが非常に重要だと思います。そういう意味で、強いそういう組織文化をいかにつくっていくかということが今非常に重要なテーマだと思います。

○玄葉委員 

まさに、復興庁を見ていると、本当にそうなんですよ。復興の問題に関しては他省庁を引っ張る役割なんだけれども、大臣によってかなり違ってくるので、自民党政権であろうと民主党政権であろうとそうだったので、だから、これは本当に大臣が大事だと私は思います。

あと、民間人材の活用という意味で、私が自分で若干の経験があるのは、国家戦略室なんですね。民間人が入ったんですよ。私も国家戦略担当大臣というのを一年ぐらいやっていたので、あのときに感じたのは、なかなか役割分担が大変だなというのと、やはり、文化が結構違うので、どうしても自然とグループができちゃうみたいなところがあります。

ですから、この辺りをどういうふうに運営していくのか、責任の所在をどうするのか、あるいは、よく言われているのは、例えば、デジタル庁にこういうものをシステムとして開発しましたとかと相談してきたときに、いや、あの人に言ったらあの元々の企業に流れちゃうんじゃないかとか、国家戦略室は率直に言って出向みたいな形で来ていたわけですけれども、そういう辺りもどうするのか。どんなお考えですか。

○平井国務大臣 

非常にいい質問といいますか、私もそこに問題意識を持っています。

デジタルの分野で組織をうまく、民間の皆さんの能力を発揮させるためには、ある程度フラットな組織にしないと、スピード感も出ないし、また、情報共有のやり方も非常に重要だし、意思決定のやり方も非常に重要で、今回、要するに、ラインの中に民間人も入ってもらった混成チームでスタートするので、その初動が大変だと思います。そして、その上にまた民間から全体のマネジメントをお願いする人たちを置こうということですから、霞が関の今までの文化とはぶつかり合うことにはなるんですけれども、いいぶつかり合いをしてもらおうというふうに今考えています。

民間の人たち、今、公募して、物すごい、この間も千四百人ぐらい来ていただいて、若い方々なんですけれども、親会社というか、今働いているところに言われて手を挙げている人というのは余り見当たらない。専門的な技術、スキルを持っているエンジニアの皆さんが挙げている。自分がそこで力を発揮できるかどうかということで、今、多くの方々が公募に応じてくれているんですね。

やはり中にはいらっしゃると思いますよ、自分のところの会社にプラスになるんじゃないかなと思って出す人もいると思うんだけれども、それは選考の過程で恐らく、そういう方々はどんどん排除されていくんだろうというふうに思います。結局、さりとて、民間から入ってきた方々は、やはり国家公務員に求められる高い倫理観を持った者であることとともに、完全に役所の文化に入るのではなくて、一緒につくる新しい組織文化に適合しようということと、基本的には、国家公務員法の秘密保持義務が課されるんですよ、やはり。いろいろな形でも。そして、常勤であろうが非常勤であろうが、職員が情報管理に当たって遵守すべき規定を設けて適切に整備、運用することが重要ですし、機密性の高いようなものに関しては完全なアクセス制限をするということだと思います。

非常に難しいんですけれども、それをうまくやっていかなきゃいけないし、今回、今までできなかったことをやるためには、やはりできる人たちの力をかりなきゃいけないので、そういう人たちをどうやって組織の中でちゃんと責任を果たしてもらえるようにするのか、それが今から大きなチャレンジになると思います。

○玄葉委員 

結構大変じゃないかなというふうに想像しますね。言うはやすく、言うはやすくというか、大臣も御認識されているように思いますけれども、大変だと思いますけれども、是非チャレンジをしてほしいなと思っています。

それで、もう一つ、基本法の関連で、デジタル経済社会に移行する中で守るべき基本的な価値というか、そういうものとの関連で、SNS上でどのような言論空間をつくっていくのか、構築するのかということについてお尋ねしたいんです。平井大臣は、トランプ大統領がツイッターのアカウントをツイッター社から永久凍結ということをされたわけですけれども、このことをどういうふうにお考えになられているかなと。メルケルさんなんかは、ドイツの首相はツイッター社を批判したわけです。だけれども、私なんかは、いや、あそこまでルール違反していたらいいんじゃないのという感じもするんですけれども、平井大臣はどういう評価ですか。

○平井国務大臣 

非常に難しい質問ですけれども、やはり、表現の自由の話と、SNSの中でのまともな投稿かどうかという判断とか、非常に難しいですね。プラットフォーマー側もよく勇気を持ってやりましたね、ある意味。これは、それぞれのプラットフォーマーの判断によるもので、決まっていないと思うんですよ。削除するところもあれば、しないところもあるだろうし。

そういう意味で、私自身は、これはやはり、多くの方々がどのように感じておられるのかなと思います。ですから、はっきりどっちが正しいとも私は言い切れないところがあるので、これはやはり、その時々のいろいろな状況によって、判断するべき人が判断していくのだろうと思います。

○玄葉委員 

表現の自由を担保しながら問題の書き込みをどう規制するのかというのは、世界共通の課題に今なってきているんじゃないかなというふうに思います。例えば、EUの立法例なんかを見ると、違法なコンテンツを、どういうものなのかというものをきちっと明示しなさいとか言っているわけです。

例えば、こういうSNS上でどういう民主主義を構築するのかとか言論空間を構築するのかという話に、平井大臣、デジタル庁というのはどういうふうに関わっていくことになるのかなと。

○平井国務大臣 

SNS上での言論空間を含めて、国民が安全で安心してデジタル社会に参画できるというのは非常に重要なポイントだと思うんです。

今回、デジタル社会の形成のための十原則において、公平・倫理、安全・安心というのを、これもワーキングチームの皆さんからも強く言われたところで、掲げました。それを踏まえた今回の基本法になっているんですが、基本理念として、個人の権利利益等が害されることのないようにされなければならない旨規定するとともに、基本方針として、個人情報の保護その他の国民が安心してネットワークの利用やデータの活用を行うことができるようにするための必要な措置を講じなければならない旨を規定しています。

また、デジタルが適正かつ効果的に活用されて、国民が安心してSNSを利用するためには、国民のデジタルリテラシーを向上させるような教育も重要であり、これはまさに関連省庁と連携していかなきゃいけないし、今、ちょうど総務省の方で法律改正をして、総務省、法務省で、例の誹謗中傷みたいなものに対する法改正がこの国会でなされるというふうに聞いておりますが、そこのところはデジタル庁がやることではないわけでございます。

○玄葉委員 

ですけれども、多分直接そういう法案を作るのはそうなんだと思うんですけれども、多分、どういう全体像をデジタル社会でつくっていくのか、全体像の中でSNSの言論空間をどうするのかということには私は関わるべきなんだろうなと。それこそ、企画調整というか、全体のいわば枠組みをつくっていくデジタル庁の役割なんじゃないかと思いますけれども。

○平井国務大臣 

デジタル庁を、私、最初に政府のシステムを最適化するということでスタートして、いろいろな皆さんの議論を聞いたりしているうちに、どんどんどんどん宿題が大きくなって、これを小さなリソースでどうやってやるんだろうというぐらい。

先生がおっしゃった分野も当然問題意識はあるんですけれども、これは社会全体でいかに健全なそういうSNSの空間をつくっていくかということで、その分野でデジタル庁が貢献できるとしたら、やはり、システムの安全性であるとか、そういうことになるんだろうと。特に、国もそういうSNS的なものをいっぱい使うわけですから、そういうところで、間違いのない使い方とか、あと、やはりいろいろなもののリテラシーを上げていくというのは各省庁と協力してやっていかなきゃいけないし、それはデジタル庁プラスいろいろな役所との共同作業になっていくんだろうと思います。

○玄葉委員 

少し時間をいただいて、もうちょっと質問させていただきますけれども、今のところは、やはり全体のまとめ役というか、そこは、全体を見ている、まさに他省庁よりある意味高い位置にこのデジタルの政策に関してはある省庁がデジタル庁だし、トップは総理大臣なので、私は、やはりデジタル庁がやった方がいいんじゃないかなというふうに、きちっと守備範囲に入れていくべきなんじゃないかなというふうに、意見として申し上げておきたいと思います。

最後に、会派の中で時間調整ができていますので、もう一問申し上げたいと思いますけれども、基本法の基本理念にある、活力ある地域社会との関連です。

このデジタル化というものを地域社会の活力につなげていくということが当然必要なんだろうというふうに思いますけれども、私、福島県なんですけれども、福島県の会津若松市のICTの活用の事例がよく先進事例で取り上げられるケースが多いんですけれども、平井担当大臣、これは、事前に御通告申し上げておきましたので、どういう評価をされておられるかなというのをまず聞きたいと思います。

○平井国務大臣 

私は、非常に高く評価しているということもあるんですけれども、実は、計画段階のとき、会津若松を選定する段階から関わっておりまして、スタートから全部理解をしておりますし、まず、産官学でスタートしたんじゃないんですよね。産官学金労言、要するに、地域社会の合意の中で進んできたというところがまずすばらしいと思います。

ですから、労働組合とかマスコミなんかも、最初から、用意ドンからどのように進めていくかというところ、そこからスタートしていって、そしてだんだん盛り上がってきて、ついに、今、AiCTというイノベーションセンターをつくったと思うんですけれども、あのようなものが、これから、地方自治体、たくさんつくっていくのではないかと思います。まさに地方が元気になる先進事例ですし、首都圏からエンジニアが地方に移住する一つのモデルとしてこれからやはり成功していくだろうと思います。

ですから、あの先進的な取組は、あそこまでほかが全部できるとは思わないんですけれども、非常にやはり各自治体の中でも評価されるべきだろうというふうに思います。

○玄葉委員 

関連して二つ申し上げたいんですけれども、一つは、私も実は評価をしていますけれども、他方で、あの会津若松でさえ実はマイナンバーカードの普及率は二七%なんですね。更に言うと、御承知のとおり、オプトインで、事前の許可、事前の同意を得た人にいろいろな情報を出している、レコメンド型、プッシュ型で出しているということなんですけれども、その登録者というのは一割ぐらいなんですね、実は。だから、デバイドというか、このデジタルデバイドを本当に地に足をつけて具体的にどうしていくのかということが一つと、例えば、ざっくばらんに言うと、公明党の代表は、もうこの際、会津若松にデジタル庁を設置したらどうだ、こういう話もあるわけですけれども、菅首相は、地方にいても都会と同じ生活、こう言っているわけですね。だったら、例えば、人をきちっと積極的に、デジタル庁ができたら、それぞれ、会津若松だけじゃなくて地方に出していくとか、そういうことまで含めてやはり考えていったらいいんじゃないか、そう思っていますけれども、いかがですか。

○平井国務大臣 

まず、デジタル庁というのは、今回人を募集していますけれども、最初からリモートワークオンリーの人もオーケーにしているので、福島におろうがどこにおろうがデジタル庁で仕事をすることができます。日本人であれば、海外に住んでいてもデジタル庁で仕事をすることができると思います。AiCTみたいなものがサテライトオフィスとしてあれば非常にいいなというふうにも思いますし、これは、会津若松に限らず、日本中どこでもそういうふうにチャンスはあるんだろうと思っています。

これから、やはり、分散が始まると思うんですよね。東京に住まず、地方で住んでエンジニアとして生きていきたいという選択肢が広がるのが今回のデジタル化だというふうに思っているし、今回のコロナで、さんざん皆さん、通勤とかそういうので苦労、つらい目にもお遭いになっているわけです。そういうものを解消していくためにも、デジタル化の一つの大きなメリット、時間の概念と距離の概念を変えるという意味では、地方の活性化につながるような要するにデジタル化というのは、今、各自治体が、例えばサテライトオフィスの補助金なんかも国が用意しているので、一斉に考えておられると思います。その先行事例みたいなものが会津若松で、デジタル庁というのは今回はやはり永田町の近いところに置かざるを得ないわけですけれども、エンジニアの皆さんの居住する地域はどこでもいいというふうに考えています。

○玄葉委員 

先ほど申し上げたように、その若松でさえ、残念ながらまだ進んでいないところがある。

○平井国務大臣 

オプトイン型で会津若松プラスに登録した人は一割ですか。僕は二割と聞いていたんですけれども。(玄葉委員「一割だと思いました、たしか」と呼ぶ)そうですか。でも、自分の個人情報を出しても、要するに、防災、今回防災に広げるんですけれども、医療のデータもそうですよね、これは出すということに、一斉に皆さんがそういうふうにはならないと思うんです。ただ、マイナンバーカードの取得率が低いのは不思議でならないんですけれども、これから会津若松市も取り組んでいただけるようなので、増えたらいいなと思います。

これは各先生からいろいろな質問を受けていますが、やはり、自治体に対する信頼であったり、個人情報をどう扱われるのかが心配だったり、それで、具体的などういうメリットがあるのかということをちゃんと説明を受けて納得した人が、そのオプトインという形を取っているんだと思うんですね。ですから、これもちゃんとそういうところを説明していけるようになればどんどん増えていくんだろうと思うし、そういう人はこれからやはり多いと思います。

○玄葉委員 

前向きな御答弁、ありがとうございました。終わります。ありがとうございます。

 

 

                                                                                                                                                            

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇八年の最高裁の判決が大変大事だというのは、私もそうだろうなというふうに思いますし、ある意味、決着がついたのかなという感じがしますけれども、率直なところ、あの住基ネットの大論争というのは、これはやはり必要なプロセスだったというふうに認識をされておられるのか。むしろ、例えば、先ほども一部話がありましたけれども、日本のデジタル化というのは遅れているという側面がある、例えば、それは、システム開発に時間がかかった、もしかしたら、あの住基ネットの大論争があったからかかったんじゃないかということもあるわけで、一体あの大論争というのは、もしかしたら、遅れることにつながる、足を引っ張ることになったのか、必要だったプロセスなのか、そこはどういう判断をされていますか。

 

○平井国務大臣 

結果的には必要だったプロセスだったと思います。

日本のデジタル化の恩恵を個人に返せなかったというのは、やはり個人のIDがないということも、これは非常に珍しい国で、これからまた議論されると思いますが、名前の読み方がまだ法律的にはフィックスできないというのは恐らくなかなかない状態だと思います。

なので、当時、年金が消えた話も、あの当時、マイナンバーがちゃんとあって、ひもづけていたら消えるはずがなかった。ですから、よくぞ今まで、このID基盤のない中で、行政はうまくやってきたなというふうにも思います。ただ、デジタル社会がここまで進んでしまったときに、やはり、これはもう今後無理だというのは、民主党政権だった時代に当時の政権が判断したと思いますし、それは時代の要請だったと思います。

 

ただ、昭和四十年代からのいろいろな議論の皆さんの意見をつぶさに読んでいると、さりとて心配だということがやはり多くの国民の中にあったので、ああいうような今までの過程があって今があって、個人情報保護委員会をつくってという、こういう流れは、やはり日本の社会の中では必要なことであったというふうに思います。

 

もうここまでこういうプロセスを踏んでいるので、私としては、デジタル化の遅れを今度は逆にアドバンテージにして、各国の失敗事例とかいろいろ見ながら日本中のデジタル化が進められたらいいな、そのように思っています。

 

○玄葉委員 

理解しました。

あと、素朴な疑問の二つ目は、これまでも、IT基本法というのがあって、累次にわたってIT戦略というのが策定されて、IT総合戦略本部というのがあって、首相がトップで、CIO制度があって、これは危機管理監と同じレベルの、つまりは事務次官級以上なんですよね。今度デジタル庁で設けるいわゆるデジタル監以上のいわば高い立場にある方です。勧告権もありました。関連予算も一括計上しようと思えばできたはずであります。民間人材の登用もできたはずであります。

 

そういう意味では、法律上、これまでも強い司令塔機能を発揮することは可能だったのではないかというふうにも思われるんですけれども、何が問題だったのか。これまでも一部議論になっていたのは承知しているんですけれども、端的に、何が足りないというふうに感じてこういう組織替えをするということなのか、ちょっと国民に分かりやすく簡単に説明していただけますか。

 

○平井国務大臣 

分かりやすく説明するのはちょっと難しいかなと今思いますけれども、結局、これまでも、内閣に、内閣総理大臣を本部長として、全閣僚、さっきお話しになった政府CIO及び有識者を本部員とするIT総合戦略を設置して、データ利活用やデジタルガバメントの、社会全体のデジタル化の推進の総合調整は行ってきたんですね。

 

私、だから、三年前か二年前ですかね、IT担当大臣をした、最後、辞めるときの記者会見に、IT担当大臣は無任所大臣なんですよ。要するに、内閣府の特命担当大臣というのは、今回マイナンバーの方はそうですけれども、IT担当大臣は何にもないんですね。無任所大臣、もう御存じだと思うんですけれども。その代わり、政府CIOにはさっき言ったような勧告権があるわけです。総理に対して話をしてと。ただ、そんなものは抜かずの宝刀で、一回も使ったことはない。

 

じゃ、各省のシステムを見るに当たっては、十億円以上のものはやはり見ようということにしたんだけれども、あれだけの人数ではちょっとなかなか見切れないし、実は、各省はそれぞれ勝手にいろいろなシステムをつくる。CIO補佐官というのを置いていますけれども、CIO補佐官というのは責任がないんですね。アドバイザーという形で入っている。そして、各省は、そんなにITの専門家がいるわけではないということで、ベンダー丸投げ的なものが結構やはり多いというふうに思いました。

 

今回、やはり過去を振り返るという意味では、政府CIOを本当に支えるスタッフ、民間からよりすぐりの発注能力のある人たちをいっぱいそろえていたらもっと違うのかなというふうにも思ったんですけれども、IT総合戦略室は、各省からいろいろな方々が来られて、大体二年でまたいなくなるというようなこともあって、民間からも来ていただいているんですが、組織としては、強いガバナンスを発揮できるというような状況ではなかったんですね。

 

今回初めて私は勧告権を、マイナンバー担当の内閣府特命大臣としては持っているわけですよ。そういうことで、今回法律を通していただくと、次はデジタル大臣として、これは復興庁と並びの組織ですので、首相直轄ですけれども、勧告権を持つ。そして、それを十分に尊重せよということまでその法律の中に書かせていただいた上で、予算を一括で、要するに要求するというようなことは今まで誰もやっていなかったわけですね、一部、予算というものを見ていましたけれども。

 

そういう意味で、今まで、やはり一番の問題は縦割りだったんですよ。要するに、省庁は、ほかの役所と連携するなんということは考えないんですよ、全く。考えずに、それぞれがやはりつくり込んできたものばかりだったんですね。そこを打破しないと、本当に国民の期待に応えられるような、要するに政府としてサービスが提供できないということで、そういう組織をつくるという経緯でございます。

 

○玄葉委員 

これは、デジタル庁という復興庁並びの組織をつくるということでありますけれども、まさに復興庁の組織づくりには、私、関わったんです。まさに設置法そのものを作った方でありますけれども。

復興庁をつくってみてつくづく思うのは、これは恐らくIT総合戦略本部でも、済みません、私、かつて、二年前とか、平井大臣が担当大臣だったと存じ上げずに聞いていたんですけれども、かなり人によるのかなというふうに思っていたところがあって、これは新しい組織ができても、きっとかなりの程度、人によるんじゃないかということを感じるんです。

 

特定の方をどうだこうだということを申し上げるつもりはないんですけれども、復興庁というのができて、復興庁が本来の機能を発揮するかどうかというのは、すぐれて属人的なんですね。すぐれて属人的で、誰が大臣をやるかで全く、はっきり申し上げて、機能を発揮するときと発揮しないときがある。

 

だから、これはデジタル庁ができても恐らく担当大臣に相当よるんじゃないかな、もっと言うと、総理大臣の強い意識、優先順位と、恐らく担当大臣によるんじゃないかというふうに思いますけれども、その点はどういう御認識ですか。

 

○平井国務大臣 

担当大臣によるといいますか、それはどの省もある程度あるなと思いますが、特にこの分野はあると思います。

 

ただ、今回は、そういう強い組織をつくるというところ、そして、その組織をうまく今後マネジメントできたらその機能はずっと発揮できるんだと思うんですよ。

ですから、私の役目は、要するに、最初の志を忘れないような強いDNAを組織の中に入れないと、また昔に戻るようなことがないような組織にするというのが非常に重要だと思います。そういう意味で、強いそういう組織文化をいかにつくっていくかということが今非常に重要なテーマだと思います。

 

○玄葉委員 

まさに、復興庁を見ていると、本当にそうなんですよ。復興の問題に関しては他省庁を引っ張る役割なんだけれども、大臣によってかなり違ってくるので、自民党政権であろうと民主党政権であろうとそうだったので、だから、これは本当に大臣が大事だと私は思います。

 

あと、民間人材の活用という意味で、私が自分で若干の経験があるのは、国家戦略室なんですね。民間人が入ったんですよ。私も国家戦略担当大臣というのを一年ぐらいやっていたので、あのときに感じたのは、なかなか役割分担が大変だなというのと、やはり、文化が結構違うので、どうしても自然とグループができちゃうみたいなところがあります。

ですから、この辺りをどういうふうに運営していくのか、責任の所在をどうするのか、あるいは、よく言われているのは、例えば、デジタル庁にこういうものをシステムとして開発しましたとかと相談してきたときに、いや、あの人に言ったらあの元々の企業に流れちゃうんじゃないかとか、国家戦略室は率直に言って出向みたいな形で来ていたわけですけれども、そういう辺りもどうするのか。

どんなお考えですか。

 

○平井国務大臣 

非常にいい質問といいますか、私もそこに問題意識を持っています。

デジタルの分野で組織をうまく、民間の皆さんの能力を発揮させるためには、ある程度フラットな組織にしないと、スピード感も出ないし、また、情報共有のやり方も非常に重要だし、意思決定のやり方も非常に重要で、今回、要するに、ラインの中に民間人も入ってもらった混成チームでスタートするので、その初動が大変だと思います。そして、その上にまた民間から全体のマネジメントをお願いする人たちを置こうということですから、霞が関の今までの文化とはぶつかり合うことにはなるんですけれども、いいぶつかり合いをしてもらおうというふうに今考えています。

 

民間の人たち、今、公募して、物すごい、この間も千四百人ぐらい来ていただいて、若い方々なんですけれども、親会社というか、今働いているところに言われて手を挙げている人というのは余り見当たらない。専門的な技術、スキルを持っているエンジニアの皆さんが挙げている。自分がそこで力を発揮できるかどうかということで、今、多くの方々が公募に応じてくれているんですね。

やはり中にはいらっしゃると思いますよ、自分のところの会社にプラスになるんじゃないかなと思って出す人もいると思うんだけれども、それは選考の過程で恐らく、そういう方々はどんどん排除されていくんだろうというふうに思います。

 

結局、さりとて、民間から入ってきた方々は、やはり国家公務員に求められる高い倫理観を持った者であることとともに、完全に役所の文化に入るのではなくて、一緒につくる新しい組織文化に適合しようということと、基本的には、国家公務員法の秘密保持義務が課されるんですよ、やはり。いろいろな形でも。そして、常勤であろうが非常勤であろうが、職員が情報管理に当たって遵守すべき規定を設けて適切に整備、運用することが重要ですし、機密性の高いようなものに関しては完全なアクセス制限をするということだと思います。

 

非常に難しいんですけれども、それをうまくやっていかなきゃいけないし、今回、今までできなかったことをやるためには、やはりできる人たちの力をかりなきゃいけないので、そういう人たちをどうやって組織の中でちゃんと責任を果たしてもらえるようにするのか、それが今から大きなチャレンジになると思います。

 

○玄葉委員 

結構大変じゃないかなというふうに想像しますね。言うはやすく、言うはやすくというか、大臣も御認識されているように思いますけれども、大変だと思いますけれども、是非チャレンジをしてほしいなと思っています。

それで、もう一つ、基本法の関連で、デジタル経済社会に移行する中で守るべき基本的な価値というか、そういうものとの関連で、SNS上でどのような言論空間をつくっていくのか、構築するのかということについてお尋ねしたいんです。

平井大臣は、トランプ大統領がツイッターのアカウントをツイッター社から永久凍結ということをされたわけですけれども、このことをどういうふうにお考えになられているかなと。メルケルさんなんかは、ドイツの首相はツイッター社を批判したわけです。だけれども、私なんかは、いや、あそこまでルール違反していたらいいんじゃないのという感じもするんですけれども、平井大臣はどういう評価ですか。

 

○平井国務大臣 

非常に難しい質問ですけれども、やはり、表現の自由の話と、SNSの中でのまともな投稿かどうかという判断とか、非常に難しいですね。プラットフォーマー側もよく勇気を持ってやりましたね、ある意味。これは、それぞれのプラットフォーマーの判断によるもので、決まっていないと思うんですよ。削除するところもあれば、しないところもあるだろうし。

そういう意味で、私自身は、これはやはり、多くの方々がどのように感じておられるのかなと思います。ですから、はっきりどっちが正しいとも私は言い切れないところがあるので、これはやはり、その時々のいろいろな状況によって、判断するべき人が判断していくのだろうと思います。

 

○玄葉委員 

表現の自由を担保しながら問題の書き込みをどう規制するのかというのは、世界共通の課題に今なってきているんじゃないかなというふうに思います。例えば、EUの立法例なんかを見ると、違法なコンテンツを、どういうものなのかというものをきちっと明示しなさいとか言っているわけです。

例えば、こういうSNS上でどういう民主主義を構築するのかとか言論空間を構築するのかという話に、平井大臣、デジタル庁というのはどういうふうに関わっていくことになるのかなと。

 

○平井国務大臣 

SNS上での言論空間を含めて、国民が安全で安心してデジタル社会に参画できるというのは非常に重要なポイントだと思うんです。

今回、デジタル社会の形成のための十原則において、公平・倫理、安全・安心というのを、これもワーキングチームの皆さんからも強く言われたところで、掲げました。それを踏まえた今回の基本法になっているんですが、基本理念として、個人の権利利益等が害されることのないようにされなければならない旨規定するとともに、基本方針として、個人情報の保護その他の国民が安心してネットワークの利用やデータの活用を行うことができるようにするための必要な措置を講じなければならない旨を規定しています。

 

また、デジタルが適正かつ効果的に活用されて、国民が安心してSNSを利用するためには、国民のデジタルリテラシーを向上させるような教育も重要であり、これはまさに関連省庁と連携していかなきゃいけないし、今、ちょうど総務省の方で法律改正をして、総務省、法務省で、例の誹謗中傷みたいなものに対する法改正がこの国会でなされるというふうに聞いておりますが、そこのところはデジタル庁がやることではないわけでございます。

 

○玄葉委員 

ですけれども、多分直接そういう法案を作るのはそうなんだと思うんですけれども、多分、どういう全体像をデジタル社会でつくっていくのか、全体像の中でSNSの言論空間をどうするのかということには私は関わるべきなんだろうなと。それこそ、企画調整というか、全体のいわば枠組みをつくっていくデジタル庁の役割なんじゃないかと思いますけれども。

 

○平井国務大臣 

デジタル庁を、私、最初に政府のシステムを最適化するということでスタートして、いろいろな皆さんの議論を聞いたりしているうちに、どんどんどんどん宿題が大きくなって、これを小さなリソースでどうやってやるんだろうというぐらい。

 

先生がおっしゃった分野も当然問題意識はあるんですけれども、これは社会全体でいかに健全なそういうSNSの空間をつくっていくかということで、その分野でデジタル庁が貢献できるとしたら、やはり、システムの安全性であるとか、そういうことになるんだろうと。特に、国もそういうSNS的なものをいっぱい使うわけですから、そういうところで、間違いのない使い方とか、あと、やはりいろいろなもののリテラシーを上げていくというのは各省庁と協力してやっていかなきゃいけないし、それはデジタル庁プラスいろいろな役所との共同作業になっていくんだろうと思います。

 

○玄葉委員 

少し時間をいただいて、もうちょっと質問させていただきますけれども、今のところは、やはり全体のまとめ役というか、そこは、全体を見ている、まさに他省庁よりある意味高い位置にこのデジタルの政策に関してはある省庁がデジタル庁だし、トップは総理大臣なので、私は、やはりデジタル庁がやった方がいいんじゃないかなというふうに、きちっと守備範囲に入れていくべきなんじゃないかなというふうに、意見として申し上げておきたいと思います。

 

最後に、会派の中で時間調整ができていますので、もう一問申し上げたいと思いますけれども、基本法の基本理念にある、活力ある地域社会との関連です。

このデジタル化というものを地域社会の活力につなげていくということが当然必要なんだろうというふうに思いますけれども、私、福島県なんですけれども、福島県の会津若松市のICTの活用の事例がよく先進事例で取り上げられるケースが多いんですけれども、平井担当大臣、これは、事前に御通告申し上げておきましたので、どういう評価をされておられるかなというのをまず聞きたいと思います。

 

○平井国務大臣 

私は、非常に高く評価しているということもあるんですけれども、実は、計画段階のとき、会津若松を選定する段階から関わっておりまして、スタートから全部理解をしておりますし、まず、産官学でスタートしたんじゃないんですよね。産官学金労言、要するに、地域社会の合意の中で進んできたというところがまずすばらしいと思います。

 

ですから、労働組合とかマスコミなんかも、最初から、用意ドンからどのように進めていくかというところ、そこからスタートしていって、そしてだんだん盛り上がってきて、ついに、今、AiCTというイノベーションセンターをつくったと思うんですけれども、あのようなものが、これから、地方自治体、たくさんつくっていくのではないかと思います。まさに地方が元気になる先進事例ですし、首都圏からエンジニアが地方に移住する一つのモデルとしてこれからやはり成功していくだろうと思います。

ですから、あの先進的な取組は、あそこまでほかが全部できるとは思わないんですけれども、非常にやはり各自治体の中でも評価されるべきだろうというふうに思います。

 

○玄葉委員 

関連して二つ申し上げたいんですけれども、一つは、私も実は評価をしていますけれども、他方で、あの会津若松でさえ実はマイナンバーカードの普及率は二七%なんですね。更に言うと、御承知のとおり、オプトインで、事前の許可、事前の同意を得た人にいろいろな情報を出している、レコメンド型、プッシュ型で出しているということなんですけれども、その登録者というのは一割ぐらいなんですね、実は。だから、デバイドというか、このデジタルデバイドを本当に地に足をつけて具体的にどうしていくのかということが一つと、例えば、ざっくばらんに言うと、公明党の代表は、もうこの際、会津若松にデジタル庁を設置したらどうだ、こういう話もあるわけですけれども、菅首相は、地方にいても都会と同じ生活、こう言っているわけですね。だったら、例えば、人をきちっと積極的に、デジタル庁ができたら、それぞれ、会津若松だけじゃなくて地方に出していくとか、そういうことまで含めてやはり考えていったらいいんじゃないか、そう思っていますけれども、いかがですか。

 

○平井国務大臣 

まず、デジタル庁というのは、今回人を募集していますけれども、最初からリモートワークオンリーの人もオーケーにしているので、福島におろうがどこにおろうがデジタル庁で仕事をすることができます。日本人であれば、海外に住んでいてもデジタル庁で仕事をすることができると思います。AiCTみたいなものがサテライトオフィスとしてあれば非常にいいなというふうにも思いますし、これは、会津若松に限らず、日本中どこでもそういうふうにチャンスはあるんだろうと思っています。

 

これから、やはり、分散が始まると思うんですよね。東京に住まず、地方で住んでエンジニアとして生きていきたいという選択肢が広がるのが今回のデジタル化だというふうに思っているし、今回のコロナで、さんざん皆さん、通勤とかそういうので苦労、つらい目にもお遭いになっているわけです。そういうものを解消していくためにも、デジタル化の一つの大きなメリット、時間の概念と距離の概念を変えるという意味では、地方の活性化につながるような要するにデジタル化というのは、今、各自治体が、例えばサテライトオフィスの補助金なんかも国が用意しているので、一斉に考えておられると思います。その先行事例みたいなものが会津若松で、デジタル庁というのは今回はやはり永田町の近いところに置かざるを得ないわけですけれども、エンジニアの皆さんの居住する地域はどこでもいいというふうに考えています。

 

○玄葉委員 

先ほど申し上げたように、その若松でさえ、残念ながらまだ進んでいないところがある。

 

○平井国務大臣 

オプトイン型で会津若松プラスに登録した人は一割ですか。僕は二割と聞いていたんですけれども。(玄葉委員「一割だと思いました、たしか」と呼ぶ)そうですか。でも、自分の個人情報を出しても、要するに、防災、今回防災に広げるんですけれども、医療のデータもそうですよね、これは出すということに、一斉に皆さんがそういうふうにはならないと思うんです。ただ、マイナンバーカードの取得率が低いのは不思議でならないんですけれども、これから会津若松市も取り組んでいただけるようなので、増えたらいいなと思います。

 

これは各先生からいろいろな質問を受けていますが、やはり、自治体に対する信頼であったり、個人情報をどう扱われるのかが心配だったり、それで、具体的などういうメリットがあるのかということをちゃんと説明を受けて納得した人が、そのオプトインという形を取っているんだと思うんですね。ですから、これもちゃんとそういうところを説明していけるようになればどんどん増えていくんだろうと思うし、そういう人はこれからやはり多いと思います。

 

○玄葉委員 

前向きな御答弁、ありがとうございました。

終わります。ありがとうございます。

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