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Information / 国会議事録一覧

外務委員会で質問に立ちました。(平成31年4月24日 議事録)

○玄葉委員                                                                                   玄葉光一郎です。本日は、北方領土問題について質問をさせていただきたいと思います。

安倍首相の掲げる戦後の外交の総決算の象徴的テーマでもございます。昨年の十一月、リスクをかけて勝負に出たということではないかというふうに思います。

ただ、河野外務大臣は、前回の質疑の中でも、一回、二回とラブロフ外相と外相会談を行って、手応えを感じる、こういうお話でございましたけれども、私などは、雲行きが怪しいのではないかと危惧をしているところであります。

河野外務大臣、五月の日ロ外相会談、連休明けにあるというふうに聞いておりますけれども、その日ロ外相会談での対処方針、並びに、先ほども質問に出ていたようでありますけれども、二〇一九年度の外交青書で、北方四島の帰属について、「北方四島は日本に帰属する」という表現を削除したということについて御説明いただけますか。

 

○河野国務大臣                                                                       連休明けに日ロ外相会談を行う予定にしております。領土問題を始め、平和条約交渉を含む二国間のさまざまな問題について協議をしてまいりたいというふうに思っております。

外交青書の記述に関しましては、先ほども申し上げたとおり、政府の法的立場には変わりはございませんが、外交青書は、その対象となっている当該年の政府の外交活動に関して総合的に勘案をし記述をしているものでございます。

 

○玄葉委員                                                                                  そういうふうに、ずるずると原則的な立場が後退しているのではないかということにも危惧の念を抱いているということでもあるんです。現政権の北方領土交渉におけるいわばスローガンでもあると思いますけれども、新しいアプローチという言葉がございますけれども、この新しいアプローチとは何を指しているのか、御説明いただけますか。

 

○河野国務大臣                                                                          北方領土問題の解決のためには、過去にのみとらわれるのではなく、日ロ間で北方四島の未来像を描き、その中から双方が受入れ可能な解決策を探し出そうという未来志向の発想が必要であるというところから、この新しいアプローチという考え方が出てきたわけでございます。

二年前の首脳会談以降、この新しいアプローチで問題を解決しようという方針のもと、元島民の方々の航空機による墓参、そして共同経済活動の実現に向けた二度の現地調査、そして民間中心のビジネスミッションの派遣など、北方四島における日ロの新しい協力が実現をしているところでございます。

こうした取組の積み重ねを経て、シンガポールでの首脳間での平和条約交渉を加速化しようという合意に至ったものであり、この二年前の首脳会談での合意を着実に進展させ、領土問題を解決して平和条約を締結するという基本方針のもと、引き続き粘り強く交渉してまいりたいと考えております。

 

○玄葉委員                                                                              そうすると、交渉の基礎を五六年宣言にいわば限定というか、五六年宣言を基礎に交渉していくということをも含めて新しいアプローチというふうに言っているのかどうか、御説明いただけますか。

 

○河野国務大臣                                                                             新しいアプローチという中に、広く言えば、今やっていることを含めていいのかもしれませんが、この一九五六年の共同宣言というのが、両国の国会、議会が御承認した唯一の文書でございますので、それに基づいて今回の交渉をやっていこうということでございます。

 

○玄葉委員                                                                           共同経済活動とか元島民の航空機墓参などで信頼を積み重ねていく中で、その信頼の積み重ねの上に領土交渉をしようではないか、こういうことなのかなというふうに想像します。

そもそも国際環境の変化もありますので、全て領土交渉が進まなければ何も進めないという姿勢はかたくな過ぎると私も思いますので、さまざまな日ロ協力を進めながら同時に領土交渉を進めるということ自体は私は理解をいたしますけれども、肝心の共同経済活動などは、果たして議論は進んでいるんでしょうか。

 

○河野国務大臣                                                                        四島における共同経済活動に関して申し上げますと、海産物の共同増殖、養殖、温室野菜栽培、島の特性に応じた観光ツアーの開発、風力発電、ごみの減容対策といった五つのプロジェクト候補を出しまして、それぞれについて、今後の作業の道筋を具体的に確認をするロードマップにより、道筋を明確にしていこうとしているところでございます。

一月の首脳会談の中で、早期にこうしたプロジェクトを実現させるために共同作業を着実かつ迅速に進展させるよう首脳から関係者に指示があり、それを踏まえて、二月の外相会談でも具体的な進め方について議論を行いました。

今週の二十二日に行われた森外務審議官とモルグロフ・ロシアの外務次官との協議においても、このロードマップを含むこれまでの積み重ねの上に具体的なやりとりを行い、共同経済活動に関するまず法的側面について課長級の作業部会を立ち上げるということで一致をしたところでございます。

 

○玄葉委員                                                                                かなり国際法上、お互いの法的立場を害さないで枠組みをつくるというのは大変なことだろうというふうに思います。本当に進むのか、懸念をしています。

二年前、山口県で確認された八項目の経済協力プラン、これは進んでいるんでしょうか。政府委員でも結構です。

 

○宇山政府参考人                                                                          委員御指摘の八項目の協力プランにつきましては、例えば医療とか都市開発とか極東開発……

 

○若宮委員長 もうちょっと大きな声でお願いできますか。

 

○宇山政府参考人                                                                                       失礼いたしました。八項目の協力プランにつきましては、医療、都市開発、エネルギー、極東開発等々、八つの分野におきまして現在さまざまなプロジェクトが進行しておりまして、現在、百七十以上のプロジェクトにつきまして、民間企業が主体になりまして合意等が結ばれておりまして、進捗をしているところでございます。

 

○玄葉委員                                                                               私のところには、民間企業の悲鳴が聞こえてきています。官邸の声がけなので断れないから行っている、渋々行っている、正直そういう声が多々聞こえてきていて、残念ながら、実益につながる具体的な成果というのは上がっていないのではないかというふうに思います。

北方領土でロシアの軍事拠点化がこの二、三年特に進んでいるというふうに思いますけれども、そのことについて外務大臣の見解を伺います。

 

○河野国務大臣                                                                         そうした問題を根本的に解決するために、この平和条約を締結し領土問題を解決するのが必要なわけで、そこはしっかりと平和条約締結に向けて粘り強く交渉してまいりたいと思います。

 

○玄葉委員                                                                              互いに領土問題の存在を認め合ってこの議論をしている最中に軍事拠点化を進めるというのは信義則違反だと思いますけれども、いかがですか。

 

○河野国務大臣                                                                            我が方の立場として受け入れられないものについては、ロシア側に申入れをすると同時に、必要ならば抗議を累次してきているところでございます。

 

○玄葉委員                                                                             次に、安倍首相の述べる、北方領土問題について必ずや終止符を打つ、この言葉の意味を教えてください。

 

○河野国務大臣                                                                         戦後、まだこの問題が残っている、ロシアとの間での平和条約の締結がなされていないというのが残っているわけで、この領土問題を解決し平和条約を締結する、それによって第二次世界大戦の残された未解決な問題を解決するという決意でございます。

 

○玄葉委員                                                                             平和条約の交渉の対象は四島の帰属の問題であるというふうに菅官房長官が言い、かつ、この場で河野外務大臣も、菅長官の方針が政府の方針である、こういうふうにおっしゃったわけでありますけれども、ということは、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、こういうことだと思います。

四島の帰属について決着をつけるというのが平和条約交渉であるというふうに考えてよろしいですか。

 

○河野国務大臣                                                                            そのとおりでございます。

 

○玄葉委員                                                                                ということは、平和条約交渉の際には、確実に国境線をどこかで引く、四、〇か、三、一か、二、二か、一、三か、〇、四かわかりませんけれども、必ず国境線をどこかに引く、こういうふうに考えてよろしいですね。

 

○河野国務大臣                                                                           領土問題を解決しと申し上げておりますので、どのような解決になるか今申し上げるのは差し控えますが、領土問題を解決し平和条約を締結しようということでございます。

 

○玄葉委員                                                                             安倍首相が、平成三十一年、ことしの二月十二日に、国境線が画定されたことをもって、この領土問題、いわば平和条約を解決するという考え方にのっとっているというふうに言っておりますが、これは当然、外務大臣も同じ考えだということですよね。

 

○河野国務大臣                                                                             領土問題を解決しようということでございますから、そういうことになろうかと思います。

 

○玄葉委員                                                                             ということは、平和条約を締結するということは、国境線を画定するということでございます。ということは、逆に言えば、国境線が画定されなければ平和条約は締結しない、締結できないということになるわけであります。

俗に、メディアの報道で、平和条約締結に当たって、歯舞、色丹の二島先行論というのが、十一月、十二月、にぎわしたわけでありますけれども、二島先行というのは、残りの国後、択捉の二島については継続協議になるということをどこか指しているわけでありますけれども、そういう二島先行論のようなことは、当然、国境線を引くということですから、あり得ないということでよろしいですね。

 

○河野国務大臣                                                                           交渉に当たっての政府の方針を今の場、公の場で申し上げるのは差し控えます。

 

○玄葉委員                                                                             でも、国境線が画定するということは、平和条約交渉は国境線を画定することで、国境線が画定されなければ平和条約の締結はなし得ない、これはいいですね。

 

○河野国務大臣                                                                           先ほどから答弁申し上げているとおりでございます。

 

○玄葉委員                                                                                ということは、いわゆる、幾つかの島について継続協議にするということではなくて、先ほどおっしゃっていたように、何らかの形で全て決着をつける、こういう考え方で交渉に当たっているということでよろしいですね。

 

○河野国務大臣                                                                         繰り返しで恐縮でございますが、交渉の方針を対外的に今の段階で申し上げるのは差し控えます。

 

○玄葉委員                                                                             率直に申し上げると、この二島先行論というのは、十一月に、日ソ共同宣言を交渉の基礎にすると安倍総理が言われた中で、メディアはほとんど二島先行論と書き立てましたけれども、私は、あり得ないということをそのときから言っておりました。

つまり、仮にこの交渉が進んだら、一番よくて二島で最終決着ということになりますということを説明していたんですが、そのとおりになっていると思いますし、残念ながら、歯舞、色丹の二島も、どうも大丈夫かという感じに今なっているのではないかなという危惧を持っているということなんです。

一九九三年の東京宣言の内容と二〇〇三年の日ロ行動計画の内容について、政府委員に確認してもらいたいと思います。

 

○宇山政府参考人                                                                  今の御質問は、東京宣言、それから二〇〇三年の日ロ行動計画の北方領土問題に係る……(玄葉委員「内容をお知らせしてほしい」と呼ぶ)ということでございますね。全部読み上げますとちょっと長いものですから、はしょって……(玄葉委員「サマリーでいいです」と呼ぶ)はい。

まず、九三年の東京宣言におきましては、北方四島の帰属に関する問題を解決することにより平和条約を早期に締結するよう交渉を継続するということが書かれております。

それから、二〇〇三年の日ロ行動計画の採択に関する日ロ両首脳の共同声明、ここにおきましては、一九五六年の日ソ共同宣言、一九九三年の東京宣言等、一連の諸合意の名称を引用した上で、これらに基づいて北方四島の帰属に関する問題を解決することにより平和条約を可能な限り早期に締結するということが書かれております。

 

○玄葉委員                                                                           外務大臣、日ソ共同宣言が交渉の基礎であるということは高らかにうたっているわけでありますけれども、今政府委員から説明のあった一九九三年の東京宣言、二〇〇一年のイルクーツク声明、これもあわせて交渉の基礎だと考えてよろしいですか。

 

○河野国務大臣                                                                         一九五六年の共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるというのが今回の首脳間の合意でございますので、それに基づいて交渉を行っているところでございます。

 

○玄葉委員                                                                               安倍首相は、日ロ間ではこれまで、一九九三年の東京宣言を始め多くの諸文書、諸合意を作成してきており、これらの諸文書、諸合意を踏まえた交渉を行ってきています、こういうふうに述べていますけれども、今後も、これらの諸文書、諸合意を踏まえた交渉を行っていくということでよろしいですか。

 

○河野国務大臣                                                                             繰り返しで恐縮でございますが、一九五六年の共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるというのが首脳間の合意でございますので、それに基づいて条約交渉を行ってまいります。

 

○玄葉委員                                                                              安倍首相は、この考え方のもとで交渉しているわけでございますと。これはたしか岡田委員との質疑だったと思います、予算委員会での。

もう一度申し上げますけれども、日ロ間ではこれまで、一九九三年の東京宣言を始め多くの諸文書、諸合意を作成してきており、これらの諸文書、諸合意を踏まえた交渉を行ってきていますという、この行ってきていますというのは過去形のようにも聞こえるのでありますけれども、これらの文書はもちろん有効だし、この考え方のもとで交渉しているわけでございますと言っているのですが、河野外務大臣と安倍首相は違うということでしょうか、考え方が。

 

○河野国務大臣                                                                             違うとは思いません。

 

○玄葉委員                                                                                     ということは、今申し上げた、一九九三年の東京宣言を始めこれらの諸文書、諸合意を踏まえた交渉を行っていくということでよろしいですか。

 

○河野国務大臣                                                                                 繰り返しで恐縮でございますが、一九五六年の共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるという首脳間の合意に基づいて平和条約の交渉を行っているところでございます。

 

○玄葉委員                                                                                これは、そうすると、安倍さんと考え方が違うということに私はなると思います。

予算委員会の質疑と安倍総理の答弁、そしてきょうの答弁を精査していただく必要があるし、これは、安倍総理と河野外務大臣が考え方が違うということになると思います。

委員長、差配してください。

 

○若宮委員長                                                                              今の件につきましては、理事会で協議させていただきたいと思います。

 

○玄葉委員                                                                             先ほどから申し上げていますけれども、安倍首相は、一九九三年の東京宣言を始めこれまでの諸合意、諸文書のもとで交渉を行ってきている、今も行っていると言っているのですけれども、それについて河野外務大臣の見解を聞いています。

 

○河野国務大臣                                                                                    繰り返しで恐縮でございますが、一九五六年の共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるというのが首脳間の合意でございますので、それに基づいて条約交渉を行っているところでございます。

 

○玄葉委員                                                                                       これはもう質疑時間が終わったので終わりますけれども、そうすると、これは安倍首相と考え方が違うということになってしまうんですね。

この問題は、この場で言えること、言えないこともあるのは十分承知しています。ただ、なかなか私は難しい状況になってきているのではないかというふうに思っていまして、むしろ深追いすると傷が深くなるんじゃないかという気さえしています。

二島最終決着、悪く言えば二島放棄のこの路線がどうも行き詰まりそうな気がしています。ですから、その危惧の念を抱きながらきょうは質疑をさせていただきましたが、ぜひ、方針転換をしたのであれば、私は、したと思いますけれども、そのことの最低限の国民に対する説明責任を果たしながら交渉を進めていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

ありがとうございました。

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