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Information / 国会議事録一覧

外務委員会で質問に立ちました。(平成31年4月12日 議事録)

○玄葉委員                                                              玄葉光一郎です。まず、きょうは北方領土の問題を質問通告をしておりますけれども、冒頭、けさ公表されたWTO紛争解決上級委員会報告書について一言質疑をさせていただきたいと思います。

 なぜなら、東日本大震災由来の輸入規制の問題であって、大変日本にとって重要な問題であり、私にとっても地元の大問題になっているからであります。

今回の上級委員会の報告書については、いわばパネルの判断が事実上覆ったような形になっていて、大変残念な事態だというふうに思っております。通常は、いわゆる上級委員会は、第一審の判断について、判断を保留するという例が比較的多かったのかなというふうに思うんです。このような形で、事実上覆るような形は余り例がなかったのではないかというふうに思いますけれども、なぜこのような異例な事態を招いたのか、今後の対処方針も含めてお聞かせをいただきたいと思います。

 

 ○河野国務大臣                                                                                                                              なぜ上級委員会でこのような判断になったかというのはよくわからないわけでございますが、いずれにせよ、日本産の食品の科学的な安全性、これはパネルの判断が維持され、韓国の安全基準も十分にクリアしているというところも維持されているわけでございます。

我々といたしましては、だからこそ、韓国が是正措置をとらなかったときにしっかりと対抗措置がとれるというこのパネルの判断を維持したかったわけでございますが、残念ながら、この輸入禁止措置は必要以上に貿易制限的であるとのパネルの判断が取り消され、残念ながら、是正がない場合に対抗措置をとるというのがWTO上できないというのは、我々にとって、輸入規制の撤廃を迫るツールを一つ失ってしまった、韓国との関係で失ってしまったということは、非常に残念に思っております。

ただ、いずれにしろ、この輸入規制というのは、本来、食品の安全の視点から、科学的な視点から議論されるべきものであって、そこについて、科学的な安全性については非常にクリアでございますので、我々としては、韓国政府に、科学的な根拠から輸入規制というのは行われるべきものであって、そこがクリアになった以上、我々が求めている二十八種類の水産物の輸入規制は早期に撤廃されるべきだということを、今後は引き続き韓国との二国間の協議の中で求めていきたいというふうに考えているところでございますし、また、けさ方、委員会の前に、韓国大使においでをいただいて、その旨私から申し上げたところでございます。

 

○玄葉委員                                                               今回、第二審、上級委員会で勝訴することで、韓国のみならず各国から輸入規制措置がしかれておりますので、それを解除してもらう、そういう戦略だったと思うんですけれども、こういう事態なので、これはこれで受け入れるしかないと思いますので、これを踏まえて、ぜひ大臣にお願いをしたいのは、おっしゃったとおり、日本の食品は科学的には安全だということと安全基準はクリアをしているということは認められていますので、ぜひ、事務方任せにしないで、首脳あるいは外務大臣レベルで、韓国のみならず各国の大臣にこれから強く働きかけをしてもらいたいと思いますけれども、いかがでしょう。

 

○河野国務大臣                                                                              その点はしっかりやってまいりたいというふうに思っております。

この輸入規制の問題は、先ほども申し上げましたが、科学的な根拠からの輸入規制というよりは、国内の政治に使われてしまっているところというのがございます。

例えば、先般の台湾は、この問題が公民投票にかけられるということになってしまいました。そこは少し、科学的な議論というわけにはいきませんが、また、先般、香港のキャリー・ラムさんがいらっしゃったときに、残る福島の輸入規制についても私から申し上げました。先方は、四県の輸入規制の撤廃ということを先般やっていただきましたので、まずこの四県の輸入をふやそう、その上で次の議論をしようということでございましたので、我々としても、そうしたことをしっかりとやってまいりたいというふうに思っております。

国ごとにさまざま、輸入規制がしかれている状況がそれぞれ違っておりますので、それぞれの国ごとにしっかりと戦略を立て、着実に前へ進めていきたいというふうに考えているところでございます。

 

○玄葉委員                                                                                   ぜひこれはお願いをしたいと思います。

ところで、WTOの紛争解決のシステムそのものが今機能不全になるのではないかというリスクを持っているということに、私自身、強く懸念をしています。

たしか、けさ確認をしましたらば、この上級委員というのは七名の定員でありますけれども、現在は三名しかいないということになっております。これは最低限必要な数が三名ということなので、一名を欠けば機能しなくなるという事態になるわけであります。

これは従来から私、大変危惧をしていたわけでありますけれども、まず、このこと自体が今回の上級委員会の判決に影響した、そういうことはあり得るんですか。

 

○河野国務大臣                                                                           報告書が出されたばかりでございますので、その背景その他については至急分析をし、対応を考えていきたいというふうに思っておりますが、委員が御指摘されましたように、この上級審の定員は、恐らくことしの十二月か何かに任期が来てしまって、定員を、必要な人数を割ってしまうことになる。当然、パネルから上級審に、上級委員会に行こうとすると、行けなくなってしまうということになりまして、これは多くの国が今懸念をしているところでございます。                                                                             我々としては、この上級委員会によって、さまざまな国のWTOルールにそぐわない貿易慣行がひっくり返されて、いわばこの上級委員会がしっかりと機能していることによってメリットを受けている国に、そういうことがあったよねということをきちんと説明をして、この上級委員会について、しっかりと委員が補充されるように働きかけをしてまいりたいというふうに考えておりまして、今、その問題意識を共有する国が多くなってきておりますので、そうでない国に対してさまざま働きかけをしっかりとやってまいりたいというふうに考えているところでございます。                                                                                          また、その際、必要とされるWTOのルールその他の改革についても、これは当然に議論すべきというふうに考えておりますが、この問題に関して言えば、期限があるわけでございますので、期限までにしっかりと対応できるように、引き続き働きかけをしていきたいというふうに考えております。

 

○玄葉委員                                                                                  これはたしか、二〇一八年三月までは、日本の外交官が議長をこの紛争解決手続の上級委員会で務めていたわけであります。大変優秀な方だったわけでありますが、残念ながら、機能不全に陥るリスクに今さらされている。最大の要因は、米国のトランプ政権による上級委員の再任のブロックあるいは指名のブロックだと思います。

これも、この間の話ではありません、この間というのは、同盟国米国と我々がどう向き合うかということにもつながるのでありますが、やはり我々は、力による支配というのももちろん否定はできないわけでありますけれども、法とかルールによって国際システムを回していくということを日本として重視をする立場なわけでありますから、何としても、これは米国を説得してでも、もちろん構造的な問題はあるのかもしれませんけれども、しっかりとこの上級委員会を機能させる責任が日本にはあるというふうに思いますので、特に同盟国日本が米国に対して言うべきことの一つでもあるのではないかと思いますが、外務大臣の見解を伺います。

 

○河野国務大臣                                                                              このWTOの件につきましては、ライトハイザー通商代表と、かなり最初のころから問題提起をしております。ライトハイザー通商代表も、WTOは非常によく熟知している方でございますから、問題について理解はされているというふうに思います。

一部アメリカで、このWTOがアメリカにとって不利益をもたらしているんだという声があるのも承知をしておりますが、実際に見てみると、WTOの係争に持ち込んでアメリカが勝った例というのが多数あるわけで、むしろアメリカが、この紛争処理メカニズムでメリットを得ている方が多いのではないかというふうに思っておりますので、そうしたことをきちんとアメリカに伝えていきながら、アメリカも納得をし、この上級委員会の委員が任命を早期にされるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

 

○玄葉委員                                                                                   これは日本の役割は大変大きいと思いますので、その責任をぜひ果たしてもらいたいと思います。

次に、先日、米国によるゴラン高原におけるイスラエルの主権承認についてこの場で議論させていただいて、河野外務大臣から、米国が行った行為なので、米国が第一義的に説明をするべきものだ、そういう答弁をされてきたわけでありますが、私からは、もっと突っ込んだ、踏み込んだ発言をした方がよいのではないかということを申し上げ、恐らく、推測ではありますが、その後、外務大臣始め担当の外務省の幹部で相談をした結果として、先日、米国の主権の承認というのは国連の安保理決議と相入れないというふうに答弁をされ、また、G7の外相会合でその旨発出をしたというか、発言をされたというふうに推測をいたします。

私は、それは、もしそうだとすれば、この委員会が非常に健全に機能したということであって、大変よいことだ、評価をすべきことだというふうに考えております。河野外務大臣らしく、特に中東の問題は踏み込んで、これからも発言をしてもらいたいというふうに思います。

なお、一つ気になっているのは、米国によるゴラン高原におけるイスラエルの主権承認におけるポンペオ・アメリカ国務長官の記者会見での発言というのがありまして、お聞きになったかもしれません、あるいはごらんになったかもしれませんけれども、記者団から、強い国は国際法を超えて領土をとることができるという先例をつくるのかと問われ、よい質問だ、全く違うというのが答えだ、これは非常に特殊な状況のもとでのことである、ディス・イズ・インクレディブル・ユニーク・シチュエーションという言い方をしています。

これは半分ほっとするんですけれども、でも、前回私が指摘したような、ロシアのクリミア併合の行為、あるいは中国の南シナ海での人工島建設という行為、ロシアも中国も、恐らくこれは特殊な状況だと言いますよね。

だから、やはりこういうことは、同盟国米国であっても、非常に仲のいい日本だからこそ、きちっと、こういうことに対しては毅然と、やはり違うんじゃないの、これは安保理決議と相入れない、我々は力による現状変更というのは認めないということをしっかりと言い続けるべきだというふうに思いますけれども、外務大臣、いかがでしょう。

 

○河野国務大臣                                                                                 先日の外務委員会で玄葉委員からこの問題の御指摘をいただきまして、安保理決議と相入れないということを申し上げさせていただきました。ありがとうございます。そこは御礼を申し上げたいと思います。

また、アメリカとは日本は同盟関係にございますので、こういう問題については、対外的に言う前にまずアメリカに直接話すというのがいいだろうと思いまして、G7の外務大臣会合、アメリカはポンペオ長官が欠席でしたのでサリバン副長官がいらしておりました、その場で日本側の立場を説明をし、この問題についてはアメリカと立場が異なるということを対外的にも申し上げざるを得ないということをアメリカ側に伝達をいたしました。

この問題はG7の会合の中でも議題の一つとして議論が行われ、その中でも日本から、この問題については日本とアメリカの立場は違うし、日本はアメリカに追随することはないということを申し上げた次第でございます。

力による現状の一方的な変更があってはならないということは、我々、常々申し上げてきたわけでございますし、今、戦後の国際秩序に対するさまざまな挑戦が行われている中で、やはりこの力による現状変更というのは一つの大きな課題というふうに思っております。日本といたしましては、しっかりと原理原則に基づいて行動をし、外交をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。

 

○玄葉委員                                                                                ありがとうございます。

もう時間が来てしまいましたけれども、北方領土問題は主に次回質疑をいたしますが、頭出しだけさせていただきたいと思います。

この問題は、なかなか平行線というか、かみ合わないところが多いのであります。ただ、非常に懸念すべき事態に私はなっているのではないかと考えますので、今後また質疑をしていきたいと思いますが、頭出しとして、河野外務大臣、平和条約についての一回目となる日ロ外相会談時、これは一月十四日でありますが、河野外務大臣は手応えを感じたというふうにおっしゃっていて、手応えとは、どんな手応えを感じたのか、お聞かせいただければと思います。

 

○河野国務大臣                                                                                      交渉の中で、日本側の考え方を明確にロシア側に伝えさせていただきました。ロシア側もロシア側の考え方というのを具体的に伝えてきて、そこはかなり真剣、率直な話合いをすることができました。そういう意味で、ロシア側も真剣にこの交渉に向き合っている、そういう手応えを感じたわけでございます。

 

○玄葉委員                                                                                二回目、二月十六日、先ほども出ておりましたミュンヘンで日ロ外相会談を行われていて、このときも同様に手応えを感じておられますか。

 

○河野国務大臣                                                                            手応えはあると申し上げてもよろしいと思います。

それは、中での合意のスピード云々ということについて対外的には申し上げませんけれども、ロシア側も、首脳の平和条約の交渉を加速化させよう、そういう中でこの交渉に出てきているわけでございます。外務大臣同士の交渉だけでなく、特別代表同士の交渉も行われてきている中で、ロシア側が真剣に向き合っている、そういう手応えは感じていると申し上げてもよろしいと思います。

 

○玄葉委員                                                                                 では、本格的には次回にさせていただきたいと思います。

きょうはありがとうございます。

 

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