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憲法調査会統治機構のあり方に関する調査小委員会 4号 (平成16年5月20日 議事録)

〇玄葉小委員 辻山先生、ありがとうございました。 幾つか申し上げたいと思いますけれども、一つは、今も話が出ておりましたけれども、現在政府が進めているいわゆる三位一体改革の評価についてお伺いをしたいと思います。知事会長が、異例だと思いますけれども、三位ばらばらの改悪とこれを称し、あるいは、増田岩手県知事は、この改革は国の財政赤字の地方への単なる押しつけだ、こういうふうに言う。正直、これまでの歴史の中ではかなり異例ではないかというふうに思っています。私自身も全く評価をしていない一人でございまして、例えば知事会が、補助金について九兆円廃止して八兆円の税源移譲をというところまで大胆に提言しているにもかかわらず、政府は一兆円というレベルで足踏みをしている。今議論のあった課税自主権という議論も、一言で言えば、既にもう法定で、それぞれの税源というのはほぼ決まっているわけですよね。ですから、今さら課税自主権と言われても、極めて限界があることはだれの目にも明らかなんですね。ですから、思い切った税源配分の見直しというものがなければ、どう考えても分権改革というのは進まない。したがって、今の三位一体改革というのは私としては全く評価をしていないというふうに思っておりますけれども、その点について一つお聞きをしたいということ。もう一つは、よく連邦制という議論があり、また道州制という議論が実はこの憲法調査会でもございます。先ほど参考人がおっしゃったとおり、これは連邦制の定義による、道州制の定義によると思います。私の理解では、連邦制というのは、いわゆる司法権をもそれぞれの州で有するということで理解をしています。そう考えると、多分連邦制への移行というのは現行憲法の改正では無理なんだろう、幾らこの日本国憲法を改正しても連邦制には移行できない、もし連邦制に移行するんだったらば、新しく憲法を制定する、全く違う憲法を制定するというふうに理解をしないといけないのかなと考えておりますけれども、その点についての御認識をお伺いしたいと思います。とりあえず二つだけお願いします。

〇辻山参考人 第一の点につきましては、実は、言っていることは一緒なのかもしれませんが、私は、三位一体の改革という組み立て方自身は正しいとは考えているんです、組み立ては。それはどういうことかというと、補助金による統制を減らしていって、地方の自主的な財源で自治をやる、これは正しいんだというふうに思うのですね。ところが、問題なのは、そのやり方がまだ確立していないものですから、補助金を削減した分の自主財源をどうやって確立するかということについてはっきり示されていない。しかも、示すとしても、所得税を移譲するにせよ、たばこ税とかいろいろ言われておりますけれども、結局、税の格差、担税力の格差が反映してうまくいかないだろう、この問題があるのだと思いますね。それともう一つは、なぜ四兆円かというのがありまして、知事会が指摘しているように、できれば、もし地方に必要な財源であるならば、それをやはり交付税財源の方で保障していくというやり方を基本的には考えるべきなんだろうという気がいたします。ただ、この背景にあるのは、各省がそれぞれの分担管理している事務を手放してくれないというのも当然あるわけですので、ここから先はまさに国会と各省との関係に期待をしているところでございます。第二点目の指摘、ああ、そうかと思いました。確かに、現行憲法の改正で連邦制を採用するというのはちょっと理屈上難しいのかなと。考えておりませんでしたが、御指摘のとおりだというふうに思いますね。少なくとも、いろいろな連邦制がありますけれども、私などは、やはり連邦制を考える場合には、憲法が分散されるという側面をちょっと強調したいものですから、そういたしますと、改正だけでは済まないし、それに私たちの国の場合には元首をどうするかとかいろいろ難しい問題を抱えていて、ぜひそこは御議論をいただきたいところだというふうに考えております。

〇玄葉小委員 二点目については、本当に連邦制、道州制の定義によると思うので、いわゆる連邦制だとそうなっちゃうのかな、通常言われているような道州制なら大丈夫なのかな、こういう私の理解なんですけれども。もう一つだけ、せっかくなので。最近、各自治体の中でシティーマネジャー制度というものを採用したいという自治体が出てきているんですね。でも、単純に考えると、そのシティーマネジャー制度というのは、憲法の条文にあるように、第九十三条に、地方公共団体の長、これは直接これを選挙する、こういうふうに書いてあるわけですね。多分、シティーマネジャー制度の場合はこれに当たらない場合が多いのではないか。まさに、その定義にもよるんですけれども。そうすると、より多様な自治体の形態というものを認めていくとすると、ここの条文は何らかの修正を加えないといけないのではないかというふうに考えておりますけれども、その点についても御認識をお聞かせいただければと思います。

〇辻山参考人 シティーマネジャー制を採用すると、憲法九十三条に違反するだろうかという議論がございますけれども、やりようによってはいけるのかなと。つまり、どんな権限を与えるかとか、地方公共団体の長は選挙するとなっていて、地方公共団体の長はいろいろな事務、権限があり、地方公共団体を代表するという権限があったりいたしますよね。そういうものを持たせないシティーマネジャーだったら抵触しないのかなという気はいたします。先ほど私が、もし憲法に踏み込んだ議論をせよというのであれば九十三条を見直してはどうかと申し上げたのは、その点も含んででございます、シティーマネジャー制の採用がもう少し懸念なくできるようになるのではないかというようなことも含めてです。

〇玄葉小委員 もう一つだけ済みません。先生のレジュメを拝見すると、基本的に憲法規定については、原則的に憲法規定の不備が地方自治の発展を阻害しているという認識はないと。そうなのかもしれないんですけれども、ただ、例えば地方税に関する規定は明示的にはないですよね、解釈で多分読んでいるんですよね、地方自治の本旨。だから基本法をつくれということでもあるのかもしれませんけれども。あるいは、さっきおっしゃったような補完性の原理とかですね。それに類するような規定をより明示的に、新しい憲法を書くあるいは憲法を改正するという場合は修正を加えていった方がいいんじゃないかと私などは考えていますけれども、それについてはいかがでしょうか。

〇辻山参考人 どうでしょうか。こうすればもっとよくなるという点は多々あると思います。思いますが、そうしなければ今の自治が窒息状態のままだよということではない、そういう認識でございますので、今御発言になられた税の原則とか、あるいは近年でいうと、住民と地方政府との関係の原則をちゃんと憲法上書くとか、できれば都道府県と市町村、道州制を入れるとなれば、道州制と基礎自治体の関係みたいなものも打ち立てる必要はあるのかなというようなことは考えております。そういう認識でございます。

〇玄葉小委員 どうもありがとうございました。

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