衆議院議員 玄葉 光一郎(げんば こういちろう)の公式ウェブサイトです

本文とグローバルメニュー・サイドメニュー・フッターへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

玄葉光一郎事務所 Koichiro Gemba Official web site

お電話でのお問い合わせ

東京都千代田区永田町2-2-1衆議院第一議員会館819号室 

ともに乗り越える。

本文のエリアです。

国会議事録一覧

総務委員会(平成24年3月24日 議事録)

〇玄葉委員 玄葉光一郎です。

 民主党の質問のトップバッターでございますので、やや総論的に質問をさせていただいて、意見も申し上げたいと思います。 NHKの中立性そしてメディアリテラシー、業務の効率化、こういった点について申し上げたいと思います。 テレビは神様だ、こういう見方をする方がいらっしゃいます。つまりは、テレビの特性、一つは、視聴率主義というのがあると思います。もう一つは、わかりやすくする、わかりやすくするがゆえに、あえて黒白、二項対立を演出する、そういう傾向がテレビにはあると私は考えています。 本来は多様な意見を有する日本の社会でありますけれども、テレビの場合は、今申し上げたようにわかりやすい二項対立を演出して、その上で、どちらが善玉なんだ、どちらが悪玉なんだ、こういう判断を結局はテレビがしてしまうということがあると思います。だから、冒頭申し上げたように、テレビは神様だ、こういう見方まで最近は出てくるようになったということだと思います。 つまりは、テレビの場合は、その演出の仕方、これはテレビに限らない面もありますけれども、新聞も一面そういうことがありますが、演出の仕方あるいはコメントの採用の仕方、そういったことで、視聴者に対してある意味ではいかなる印象も与え得るということが言えると思います。 特に、多チャンネル化が日本では必ずしも進んでおりません。英米などは百チャンネルありますからね。そういう中で、日本のテレビというものの影響力というのは、大変大きいと言わざるを得ないと思います。そういう意味で、日本の場合は、一本の原稿、あるいは、例えば、一つの画像も繰り返し使われる、こういうこともあります。一人の人気司会者、一人の名物キャスター、こういった人たちの影響が、私から申し上げれば必要以上に大きくなってしまっているということがあると思います。 こういういわばテレビの特性について、メディア以外から会長に御就任された福地会長がどのように認識をされているか、お伺いをしたいと思います。 さらには、今申し上げたような特性がテレビにはあるがゆえに、公共放送であるNHKには、より政治的な中立性、バランスのとれた報道、多様な意見を公正に中立に報道する姿勢、こういったものが求められると思います。 現に、先ほども出ておりましたけれども、NHK御自身がおやりになったんだと思いますが、視聴者調査によれば、「広告主・スポンサーに左右されず、番組を制作し提供する」「政治等で意見の対立する課題について、多様な意見を公正・中立な立場で紹介すること」、これが視聴者から見た公共放送の価値として非常に高いわけでございますけれども、この政治的な中立性、NHKの考える政治的中立性について、冒頭お伺いをしたいと思います。

〇福地参考人 御指摘のとおり、テレビは、映像と音声で広い範囲にかつ同時に情報を提供するメディアでございますだけに、幅広い年代の方々が視聴しておられます。社会的に極めて強い影響力を持っていると認識をいたしております。とりわけ、公共放送として、政治的な公平中立性はジャーナリズムの原則でございまして、NHKでは、この原則にのっとりましてニュースや番組の取材、制作に当たっております。NHKの国内番組基準では、政治上の諸問題は公正に扱うと明記をいたしております。 意見が対立しております問題を取り扱う場合には、原則として、個々のニュースや番組の中で双方の意見を伝えるようにいたしております。双方の意見を紹介できない場合でも、異なる意見があることをお伝えして、同じシリーズ企画の中などで紹介するようにいたしまして、全体を通して公平性を保つように心がけております。 以上でございます。

〇玄葉委員 古森経営委員長、おいでいただいていますけれども、委員長が昨年九月十一日、経営委員会の席上で番組編集権にも踏み込むような発言をして物議を醸したことは、記憶に新しいところでございます。 残念ながら、現経営委員長、民主党などの反対がある中で、結果として選ばれた、そういう立場でもございます。したがって、その政治的中立性に対してしっかりとした姿勢を持っていただかなくてはならない、こういうことでございます。 そこで、総務大臣と経営委員長にお伺いをしておきたいと思いますが、そもそも経営委員会の権限に番組編集権というのは含むのかどうかということが一つでございます。同時に、経営委員会の権限、放送法十四条には、番組編集の基本計画の議決ということは書いてあるわけでございます。つまりは、その権限として認められているわけでございますが、そのこととの関係はどうなるのか、お伺いをしたいと思います。

〇増田国務大臣 お答えを申し上げます。

 先般、ここでの真摯な議論で放送法が改正をされたわけですが、その改正される前の放送法におきましても、個別の放送番組の編集といいますのは、これは協会の業務として会長が責任を持って行う、こういうこととされておりまして、経営委員会がこれに介入することはできない、こういうふうに解しておりました。 そして、今申し上げましたように、先般、当委員会でもいろいろ真摯な御議論をいただいたわけですが、その上で政府の原案が議員修正がございまして、放送法の第十六条の二の第一項、第二項というものが追加をされたわけです。そこでは、経営委員は個別の放送番組の編集をすることができない旨、これは第一項でございます、それから同じく第二項では、経営委員は個別の放送番組の編集について第三条の規定に抵触する行為をしてはならない旨、こういうことが法文上もはっきりと明確にされました。 したがいまして、今お話がございました放送番組の編集に関する基本計画、これは放送法第十四条で、経営委員会の権限とされておりますいわゆる議決事項に書いてございますけれども、経営委員会が個別の放送番組の編集に介入することは、放送法の改正前も、そしてなおさら改正の後もということになるかもしれませんが、同じようにこの前後を問わずできないもの、このように私ども、解しているところでございます。

〇古森参考人 ただいま大臣から話がございましたように、経営委員会の監督の役割と執行部のNHK業務の執行の役割を新しい放送法では改めて明確に規定されております。私は、その趣旨をそのとおり理解しております。 それから、経営委員会は、番組基準及び放送番組の編集に関する基本計画について、議決する権限と、反面、責任も負っております。その範囲におきまして、必要な意見を申し上げることはあり得るということは言えると思います。 一方、個別の番組編集に関して言えば、会長以下が行う、執行部が行うものとこれは認識しておりますし、個々の番組の編集について経営委員会として関与するものではないということはよく承知しております。 昨年九月の私の発言でございますけれども、私の発言は、玄葉委員がおっしゃいましたけれども、そのとおりのことを申し上げたわけでございまして、中立性、公正中立ということについて十分考えてつくってくださいということを申し上げたとおりでございまして、その真意が十分に伝わらなかったということは反省しております。 以上でございます。

〇玄葉委員 これは、民主党が特に修正を求めて、今御答弁がありましたように、修正された改正放送法では、個別の放送番組への編集についてまさに規定をしたわけでございます。 微妙なのが、まさに経営委員長がおっしゃったとおり、番組の基本計画、ここへの議決権が経営委員会にあるわけですね。ここがある意味で、では一体どうなんだと。例えば、わかりやすく言えばですよ、一つの例として、こういった番組、例えば政府系に近い番組をふやせとかあるいは減らせとか、こういう言葉を発することができるのかどうかとか、こういったいろいろ微妙な議論というのが実はあり得るということじゃないかと思うんですよ、個別の編集権には介入できないけれども。 ですから、私がきょう意見として申し上げておきたいのは、率直に申し上げて、経営委員会への国民の期待というのは、これはガバナンスあるいは業務の効率化、こういったことへの期待だと思います。つまり、番組に介入してくれ、こういう期待じゃないということは私から、ある意味では民主党を代表してもいいと思いますけれども、申し上げておきたいというふうに思います。 そして、この政治の中立性、経営委員会からの番組に関する中立性、これについて、会長、一言、どのようにお考えになられているか、お考えをお伺いしたいと思います。

〇福地参考人 NHKは、報道機関といたしまして、不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保いたしまして、何人からも干渉されることのない、ニュース番組が外部からの圧力や働きかけによって左右されることはないようにしております。こうした放送の自主自律を堅持することが公共放送としての信頼されるかどうかの生命線であると考えております。この認識で今後とも業務の執行に当たってまいりたいと考えております。 以上でございます。

〇玄葉委員 ぜひこれは、経営委員会からも番組に対する介入を排するという姿勢で臨んでいただきたいというふうに思います。

 そして、メディアリテラシーについてでございます。今まで、テレビの特性を踏まえたNHK、つまり公共放送の中立性について質問したわけでありますけれども、実は放送法には、民間放送も公正性は求められるんだ、こう書いてあるわけでありますが、実態は、冒頭申し上げたように、はっきり申し上げて、黒白はっきりの二項対立を演出するという傾向にあると言わざるを得ないと思います。では政治が口を出せるのかといったら、これは表現の自由の観点からまさに口を慎まなきゃいけない、こういう問題だと思うんです。ですから、BPOがつくられて、それを通じて我々は意見を言う、こういうことになるんだと思います。そうなると、結局は、最後は視聴者がメディアリテラシーで、番組というのはいかようにもつくることが可能なんだよ、印象づけることが可能なんだよということをある意味では知った上で見る、こういうふうにしていかなきゃいけないんだと思うんですね。 例えば、最近話題になっている杉並区の和田中の藤原校長先生の最終講義というのをこの間見てきました。なかなかおもしろいもので、中学一年生を相手にして「よのなか」科という授業をしているんですね。ライブドアの堀江さんの六枚の写真を見せて、創業当時、絶頂期、事件直前、あるいは保釈直後、いかにもそれらしく写っているわけですね。だから、これはテレビの例というよりはいわゆる新聞の写真ですけれども、いかにも、まさに番組というのはその編集の意図でどういうふうにも印象づけられる、こういうことを教えているわけですね。いわばこれはメディアリテラシーですよ。確かに、新しい道徳だ、こう言っても過言ではないかもしれませんね。 ですから、こういうメディアリテラシーという問題を、公共放送であるNHKこそ実は番組で取り上げていくべきではないのか、こういうことを意見として申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。

〇福地参考人 多様なメディアが発達いたしまして、膨大な情報が飛び交う現代社会におきまして、視聴者が情報を読み解く力と申しますか、メディアリテラシーということはますます重要になっているというふうに認識をしております。

 NHKは、平成六年八月に放送しました「メディアは今 痛みのない暴力 問われるテレビの映像表現」という番組で既にこのメディアリテラシーを取り上げるなど、早くからこの問題に取り組んでまいりました。今年度も、「週刊こどもニュース メディアリテラシーってなに?」というもの、これは六月十六日に放送しましたのですが、「クローズアップ現代 ケータイが生む新たな”いじめ”」これは十月十日に放送いたしました、など、このメディアリテラシー向上に資する番組をこれまでも放送してまいっております。

 放送と通信が融合する時代にありまして、このメディアリテラシーはNHKが取り組むべき課題の一つといたしまして、さらに充実をさせてまいりたいと認識をしております。 以上でございます。

〇玄葉委員 会長、誤解のないようにですが、これは、ネットリテラシー、携帯電話なんかのネットリテラシーというよりは、先ほど申し上げたように、いかようにも番組というのはつくることが可能なんだ、そういうことを前提にテレビを見る、そういう教育を、できれば大人も含めて、日本社会の中にあってはやった方がいいというふうに私は思いますので、意見として申し上げておきたいと思います。

 最後に、業務の効率化でありますけれども、財源の大半が言うまでもなく受信料であるNHKでありますので、この業務の効率化は不断に努力をしていくということだと思います。会計検査院から、子会社、関連会社、関連公益法人について、その利益が本体に十分還元されていない、こういう指摘を受けているわけであります。この指摘は十分真摯に受けとめていただきたいと思いますし、さらに、子会社も含めてもっともっとわかりやすく情報を公開していただきたいというふうに思います。そして、受信料の引き下げに向けて業務の効率化を図っていただきたいと思います。

 同時に、先ほどのアンケートによれば、NHKに対して視聴者は、丁寧に時間をかけて取材、制作した番組を放送してもらいたい、こういうふうにも思っているわけでございます。簡単に言えば、よりよいものをより安くということだと思いますけれども、この業務の効率化と番組の質の向上の両立というのをどのように図っていくのか、ぜひ、会長、最後にお伺いをさせていただきたいと思います。

〇福地参考人 NHKが多様で質の高い番組を制作、放送いたしまして視聴者の期待にこたえることは、公共放送としてのNHKの最大の使命であろうと思います。業務の効率化やコスト削減によって番組の質を低下させ、ひいてはNHKに対する視聴者の評価を損ねるようなことがあってはならないと思います。私は、一月二十五日の就任に際しまして職員に語りかけ、訴えましたのは、私は、いい番組、いい報道をするためのコストはカットしないということを宣言いたしました。

 しかし、NHKが放送する番組の財源は視聴者の皆様からいただく受信料でございます。番組の品質を高めるためにあらゆる創意工夫を行いつつ、一方では、やはり常にコスト意識を持ちながら効果的、効率的な番組制作を追求するということは、受信料を財源としますNHKにとりまして決して相反することではないというふうに考えております。効率的な業務執行を絶えず念頭に置きながら、これから先の制作につきましても、外注についてはやはり品質競争とコスト競争を両方組み合わせたものを工夫していきたいというふうなことも考えております。質の高いすぐれた番組を視聴者にお届けすることがNHKのかなめだというふうに心得ております。 以上でございます。

〇玄葉委員 ぜひ、民間会社を見事に経営されてきた会長さんでございますので、業務の効率化、そして受信料の引き下げ、さらには番組の質の向上、これらを達成していただきますように重ねてお願いをさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

ページトップへ