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予算委員会(平成15年6月23日 議事録)

〇玄葉委員 民主党の玄葉光一郎です。国から地方へ、小泉政権が発足したときのいわばスローガンでもあります。しかし、発足後二年間、ほとんど何も手つかずの状態だったと思います。ただ、ここへ来てやっと動き出して、最近一応の決着が図られたのかな、こういうふうに見ています。有事法制の締めくくり総括のときの議論を総理は覚えておられるかわかりませんけれども、私はあのときに、修正された有事法案は率直な評価として八十点だ、こうこの場で言いました。今回の三位一体案、私の率直な評価は三十点です。中身については後で議論をいたしますけれども、冒頭、総理、分権改革、この三位一体改革の目的は何なのか、どんな社会をつくりたくて三位一体改革を行おうとしているのか、まずそのことをお尋ねしたいと思います。

〇小泉内閣総理大臣 地方にできることは地方に任せるように今までの制度や慣例等を見直していくべきではないかという中で、今までの中央集権的な考え方、例えて言えば、先ほども議論がありましたけれども、教育の面一つとっても、東京の学校とあるいは地方の学校とでは実情が違うだろう、子供の多い数、少ない数、地方によっても、都会によっても違うでしょう、あるいは教員を採用するに当たっても、給与の面によっても地域によっては違いがあるのではないか。そういうことから、地方の自主性なり創意工夫を生かしたような制度、仕組みを考えるべきではないか。幼稚園にしても、保育園にしてもそうであります。そういう地方の実情を生かした、地方の裁量権を拡大する方向でこの問題を考えていこう。あるいは、道路一つとっても、この道路は三車線でなきゃいかぬ、同じ費用だったら、地方によっては二車線で十分いけるという地域もあるんじゃないか、そういう点は地方の意向を尊重すればいいじゃないかという観点から、私は、地方の裁量権をもっと尊重する形で、今回の補助金の問題、交付税の問題、あるいは、地方がそれだけのことをやりたいのだったらば税源も与えていかなきゃならないだろうということで、これを、三者、三位一体で考えていこうと。いずれも、明治時代からの仕組みでありますから、補助金一つとっても問題がある、あるいは、交付税をとっても、税源移譲をとってもどの税源を移譲するのかわからないという点もあって、なかなか難しかった問題ですから、三つとも難しい問題なら、難しい問題を一緒に解決する糸口を見出したいということから、三位一体の改革に取り組んだわけであります。今後、地方の裁量権を拡大するような方向で、地方の意見も聞きながら私は進めていきたいと思います。

〇玄葉委員 私は、今の日本は潜在力があるんだけれども潜在力にふたをしている、そう思っています。潜在性を発揮できないでいる、そういう仕組みにしてしまっている。そのふたをあける、これが私は第一の改革の目的だと思っています。もう一つは、何から何まで中央省庁が、もっと言えば中央政府が抱え込み過ぎちゃって、本来の中央政府の果たすべき役割、例えば外交、安全保障、経済、金融、こういった問題でメルトダウンしているといいますか、十分本来の機能を発揮できないでいる。これを発揮しやすくしていく、こういうことも私は大眼目なんだろうというふうに思っています。最後に、もう一つ申し上げれば、今の仕組みはやはりむだをつくるシステムというものをどうしても内在してしまっている、これをなくしていくということじゃないかというふうに思います。少しわかりやすくするためにお手元に資料も配付をさせていただいておりますけれども、例えば、これは長野の田中さんがお示しをした表でありますけれども、あえて、わかりやすいので使わせていただきますが、小中学校の建てかえ、補修の財源構造がどうなっているか。建てかえのときは、国庫補助金三三・三%、交付税四〇%、市町村の負担は二六・七%で済むんですね。しかし、補修はといえば、三三・三%は国庫補助金出るけれども、あとは市町村の負担になる。とすれば、よく引き合いに出されますけれども、例えば豊郷小学校のような芸術品のような校舎があって、これは建てかえより、本来、補修だな、耐震構造の補修をしよう、こう考えたときにも、どうしても建てかえインセンティブが働いちゃうわけですね。こういうことが起きてしまう。もう一つ、例に出します。これは道路の例でありますけれども、新規あるいは大規模補修のときは六〇%。五〇%の補助金と一〇%の交付税措置、これで六〇%出るんですよ。県の負担、実質四〇%。しかし、一般の補修になると、全部県が負担しなきゃいけない。そうすると、どうしてもどうしても大規模な補修をしたがっちゃうわけですよ。こういう仕組みを内在しているんですよ、現実に。これはほんの一例ですよ。わかりやすいから例を挙げただけで、たくさんあるんです、こういうのが。こういう仕組みをなくしていくということが私はもう一つの眼目なんだろうというふうに思いますけれども、総理、どうですか。

〇小泉内閣総理大臣 私も賛成ですよ、その御意見に。今具体的な例を挙げましたけれども、地方には地方の実情がある、地方の裁量権、任すような方向で、中央の権限を地方に渡していく、こういう趣旨には賛成でありますし、この方向に沿って、より地方の裁量権を拡大するような方向で改革を進めていきたいと思います。

〇玄葉委員 今、潜在力のふたをあける、中央政府本来の機能を発揮させる、むだをつくるシステムをなくしていく、こういうことを申し上げましたけれども、さて、今回のはどういう案なんですか。四兆円の補助金を廃止、縮減等、そして、義務的経費については一〇〇%移譲するけれども、それ以外は八〇%の移譲だ、大体簡潔に言うとこういうことでしょう。果たして今回のこの案で潜在力のふたがあくんでしょうか。では、聞きますよ。例えば今のこういうむだをつくるシステム、これは今回の案でなくなるんですか。

〇片山国務大臣 四兆円は、地方分権改革推進会議が重点項目十一項目というのを出したんですよ。そのうちの公共事業を外したものについて改革の対象にしよう。不必要なものは、やめるものはやめる、縮小するものは縮小する、やり方を、自由化、裁量の範囲を広げるものはそうしよう、こういうことでございまして、特に、私どもは、人件費だとか施行事務費だとか補修費だとか、そういう細々としたものについては、この際ぜひやめてほしい、市町村の個別のものについてもできるだけ整理することを考えてほしい、こう言っておりますから、今まさに委員の言われた補修等、大規模なものと小規模なもので今の仕組みはちょっと差をつけていますよね。大規模なものは金がかかるし、これはいろいろなことで大変ですから、そういう意味で差をつけておりますけれども、これは、補助をやめたら、一般財源ですから、必要なものしかしない、こういうことになると思います。

〇玄葉委員 私、今申し上げたのは学校の話ですよ。要は、なくなるんですか、こういうシステム。はっきり言ってください。

〇片山国務大臣 個別の具体のものについては、大きな方向と道筋を示したわけでありますから、予算編成の段階で十分相談いたします。

〇玄葉委員 はっきり言えないんですね。つまり、民主党の案は、後で説明いたしますけれども、所得税から住民税に五・五兆円税源移譲する、その財源は補助金に求めますけれども、その残りの大半は、これは大変なことだということをわかってあえて申し上げるんですけれども、ひものつかない一括交付金にしようというのが基本的な考え方ですよ、教育だとか社会保障だとかそういった性格ごとに分類して。そう考えると、今のようなむだは、我々の案だったらすっきりなくなる。しかし、今の答弁を聞いてもおわかりのとおり、はっきり言ってどうなるかわからないんですよ、今回の案では。多分なくならないでしょう。そういう極めて中途半端な、私の言い方で言えば、三十点の答案用紙を書いてきた、こういうことじゃないかと思っています。小泉総理、総理のこれは看板ですよね、国から地方へというのは。看板ですね。今回、こういう形で中途半端な案を出してきた。しかも、この中途半端な案を二〇〇六年度までかけて実現する。総理は、もし自民党総裁選で再選されても任期はあと三年ですか。ということは、小泉さんの三位一体の改革の到達点というのは今回の案なんですか。そういうことですね。

〇小泉内閣総理大臣 私は中途半端だとは思っていません。改革に終わりはないんですから。明治以来できなかったことを進めていこうという突破口ができた。そして、四兆円にしても、補助金の問題にしても、交付税にしても、税源にしても、具体的に進めていくにはやはり法律改正が必要な部分もあるでしょう。そういう点については、国会の同意を得なきゃならない、法案もつくらなきゃならない、予算も組まなきゃいけない。そういう点がありますから、具体的な方向を示した。この方向に沿ってこれから予算編成が始まることでありまして、これ以上方針として具体化するというのはおこがましいし、今後、いろいろな意見が出てくる、それをまとめていくのが私の仕事だと思っておりますし、中途半端とかどうとか言いますけれども、まず突破口ができた、そして、この改革はもう後戻りできないでしょう、またさせるべきものではない。私は、今後、この方向に沿って進めていくべきものだと思っております。

〇玄葉委員 要は、具体性がないということもさることながら、先ほどから申し上げていますけれども、今回の改革の目的は、私、三つ申し上げましたね、総理もそのとおりだってはっきりおっしゃいましたね。しかし、例えば、本質的じゃないかもしれないけれども、こういう仕組みもなくならないということですね。ですから、まさに描いた見取り図、将来の見取り図というのがはっきり言って小さい、小さいんですよ、率直に申し上げて。私はそう思っていますよ。だって、今回の案がほぼ到達点なんでしょう、三年でやるということですから。そういうことでしょう。私は、それが先ほどの潜在力のふたをあける、こういうことにはなっていかないと思いますよ。きのうも、私は日曜日で地元に行っておりましたけれども、各自治体の関係者がこういうことを言っていました。三位一体というのは、先ほど質問の中でキリスト教では云々という話がありましたけれども、税源移譲と交付金と補助金だ、この三位だということでありますけれども、別の見方をすれば、国と都道府県と市町村、それぞれの改革だと。塩川大臣もそういう発言をされておられますね。都道府県と市町村は今回、補助金二割カットする、交付税も抑制する。金がないから合併しろ合併しろ。では国はどうなんだ、自治体に厳しさやそういうものを求めるんだったら、国はまず範を示すべきじゃないか、範を垂れよ。こういうことを言っていますよ。どうですか。

〇小泉内閣総理大臣 国も、税財源をどうやってうまく活用するかというのも厳しい改革であります。地方にゆだねる、今までの権限を、握っていたものをどのように地方に渡すか、それぞれ抵抗があるでしょう。これも厳しいものがあります。交付税一つとっても、地方も大変です。交付税をもらえるんだったら自分で財源を考えない方がいいよという市町村もあるのは、一部にあるでしょう。しかしこれも、三千三百ぐらいある地方公共団体のうちに百ぐらいしか交付税をもらっていない団体がない、ほとんど、三千以上が交付税をもらっているというんだったら、財政調整とは言えないじゃないか。富裕県、富裕地方団体と、どうやったって財源が見つからない市町村もあります。そういうところにとってみれば、現状がいいと言うのに決まっています。税源を見つけないで、補助金をもらって、交付税をもらってやった方がいい。そういうこともありますから、それは国にとっても、地方に税源を渡せば税収が減る、では国のところの仕事、地方の仕事をどう分けるかというのは、これからの問題もあるわけですから、一年や二年でできる問題じゃありません。この方向を進めていこうということでありますので、私はこういう方向で今後も進めていきたいと思います。

〇玄葉委員 結局、国は税源移譲をするというのが痛みだと、こういう話なんですね。それは、その分仕事が減るんだから当然なんですよ。本当だったら、歳入中立で税源移譲したって本当はいいはずですよ。総務大臣、そうでしょう、本当は。本当はそうなんですよ。だから、こんなの痛みじゃないんですよ。私は、分権改革の本当の本質は、結局、役人と国会議員、はっきり言えば族議員ですよ、権限を手放せるかどうかですよ。もっと言えば、補助金とか負担金、三千項目ぐらいあります。私は全部見ました。全部見たら、大体、都道府県とか市町村でできるものが大半ですね。やれるんですよ。しかし、その権限を手放さないのが役人、言っちゃ悪いが、その役人の手先となっている族議員ですよ、はっきり言って。この権限を手放せるかどうかでしょう。もっと言えば、そういう権限が手放されるとどういうことが起きるかというと、国交省の大臣がいますけれども、例えば補助金とか負担金に係るような業務というのはなくなるわけですよ。ということは、分権改革のもう一つの本質というのは中央政府のリストラなんですよ。今回、都道府県と市町村に厳しさを求める。だけれども、国はどれだけ中央政府のリストラをするんだ、こういうことじゃないですか。総理、総理ですよ。基本的な大方針だから。

〇片山国務大臣 国自身のリストラも、御承知のようにいろいろやっていますよ。組織の見直し、定数の削減、権限移譲、地方分権一括法というのはまさにそれなんですよ。そこで、今これから国の補助金、負担金を思い切って整理縮減すれば、補助金一つに一課あるようなという、うそか本当か知りませんが言われておりますけれども、そういうことでは、その要員や組織は要らなくなるんですから。補助金を出すのも一種の権限ですよ。この権限がなくなっていくんですから。地方がそれだけ自主的にやっていく、国もそれは相当な行政改革になる、地方はもちろんなる、こういうことで三位一体でございまして、地方分権を進めるとともに、国、地方の行財政のスリム化、効率化、簡素化をやる、これが今回の三位一体のねらいであります。

〇玄葉委員 例えば、具体的に聞くつもりはありませんけれども、特殊法人が独立行政法人になった、何と言われていると思いますか。フロアも変わらない、役職も変わらない、隣にいる人も変わらない、だけれども名前が変わった、こういうふうに言われているんですよ。これが現状じゃないですか。それで中央政府を、中央省庁をリストラしたって言えるんですか。私は、必ずしも一人一人の役人、志ある役人、官僚、これは霞が関に――仮にこの大改革によって半分になるんだったら、権限と財源を持った自治体に行ってもらったらいいと思うんですよ。あるいは、国会のスタッフになったらいいと思うんですよ、調査室だ、国会図書館だと。立法府の機能も強化されるでしょう。そういう見取り図というか絵をかいてこういう問題は進めないといけない。だから中途半端だと言っているんですよ。中央省庁のリストラ計画、何にもないじゃないですか。どうですか。

〇片山国務大臣 建物を建てるのでも、基本設計、実施設計、それから建設にかかるんですよ、何年間かかかって。それと、これだけ大きな改革をやろうというのに、まず基本設計が要るんですよ。今回、そういう戦後五十何年間できなかったことを今やっているんですから。今まで税源移譲だとかできませんよ。国の補助金の抜本的な見直しなんというのはできなかったんですよ。交付税も二十九年以来、できて、手直しはしてきましたよ。そういうことを三つあわせてやろうというんですから、そうばたばたばたばた、年末まで、一年だとかという議論に、私はなかなかならない。国の方は、中央省庁の再編計画、やりましたよ。独法になったということは、自主的な経営をやらせて、中期計画が終わったら、三年か四年でその法人のあり方を根っこから見直そう、こういうことなので、私は特殊法人よりはずっと進んでいると思いますよ。そういうことで、三位一体は全体の大きな改革の中の一環なんですよ、特に国と地方の関係に着目した。ぜひ御理解を賜りたいと思います。

〇小泉内閣総理大臣 一歩進むと中途半端だと言いますけれども、特殊法人、一年でなくなるわけないじゃないですか。今まで、財投から始まって、郵政から始まって、道路公団、特殊法人、住宅金融公庫、石油公団、大物はほとんど廃止縮小の方向でやっているんです。百以上ある特殊法人を一挙にゼロにするなんてとても無理ですよ。しかしながら、統合して、税金の投入も、一兆円以上も削減しているじゃないですか。私は、着実に進んでいると。今後も不断に見直しをしていくということで、一歩進むと中途半端、二歩進むとまだ十分でない、それは批判するのはだれでもできますけれども、これは着実に進んでいるんじゃないですか。私は、それは批判も結構ですけれども、これからも、この改革はこれで終わりじゃない、不断の見直しが当然必要だと思っております。

〇玄葉委員 多分、議論を聞いていると、私は時代認識が違うのかなというふうに思っています。私は、日本人は小さな波には極めてよく対応してきたと思いますけれども、大きな波には残念ながら、明治維新のときも戦後のときも、我々自身の手で十分なし遂げられたかどうかという問題があるわけです。私は、今来ているのは大きな波だと思っているんですね。その大きな波に対応するのに、一歩ずつ着実になんと言っているような状況なんですかということですよ。私は、潜在力は日本にあると思うんですよ。あるんだけれども、そのふたをあけられない、あけてない、それを今この時期にやらなきゃいけないということじゃないですか。私は、潜在力はあるんだけれども、今まさに日本は衰退が確定する可能性すらあると思っていますよ。だから、そんな、四兆円削減して、その一部を税源移譲する、これが大改革なんだ、すごいことなんだなんて、そういう認識では私は全然ないんですよ。四兆円以外の補助金、どうするんですか。どれだけ権限を手放すんですか。さっき申し上げましたように、ほとんどできるんですよ、都道府県と市町村で。だったら、権限を手放したらいいじゃないですか、潜在力のふたをあけてあげたらいいじゃないですか。私は、これはさっきも申し上げましたけれども、総理、確かにすごい既得権益ですよ。すごい既得権益です、すごい既得権益。確かに、今までやれなかったと言えばそれまでです。だけれども、今やらなきゃいけない。すごい既得権益、まさに、自民党を壊す覚悟とかつて総理は言いましたけれども、本当に壊さないとできないんじゃないかと思うぐらいですよ、率直に言って。壊す覚悟がないから踏み込まないんじゃないですか。

〇小泉内閣総理大臣 四兆円を三年で廃止縮小していこうということになれば、それで終わりじゃないんですよ。四兆円できるんだったら六兆円できる、八兆円できるということになっていくんだ、当然。しかし、一挙にそんなことできるわけないでしょう、今まで五十年間できなかったことが。まずできた、できるんだったらこれもできるというように、確実に進んでいきます。そして、私はまず言ったんですよ。自民党を変える、変わらなかったら壊すと言っているんですよ。(玄葉委員「変わってないじゃないですか」と呼ぶ)変わっているじゃないですか。まず、道路民営化、これなんか考えていなかったことですよ。今、ほとんど反対者はいない。郵政民営化論議もいかぬ。民間事業者を参入させて、公社になって、これから民営化に進む、これも着実になる。これも自民党は賛成します。明らかに、今まで住宅金融公庫なんか廃止できっこないと言っていたのが廃止じゃないですか、もう。これも一年でできるわけじゃありません。段階をかけて廃止というのが決まりました。石油公団もしかりであります。今回の医薬品のコンビニの発売も、これは今まで自民党の支持団体はみんな反対していたじゃないですか。できるようになってきたじゃないですか。幼保一元化、これも幼稚園と保育園の対立で、長年、自分たちの領域が侵されるということで、絶対ならぬ、相ならぬと言っていた。それをやろうというんじゃないですか。着実に進んでいるじゃないですか。これで、私が退陣した後も、この流れはとどめることはできないと思いますし、確実に進んでいきます。

〇玄葉委員 まさに牛の歩みなんだと思いますよ。牛の歩みなんだと思いますよ。まさに、こういう問題についてはスピードが大事、だから、私はやはり時代認識が違うのかなというふうに思わざるを得ないところがありますね。自民党変わったと言いますけれども、例えば選挙スタイルが本当にどの程度変わっているのかと思うときがありますね。正直、私の選挙区なんかでも、例えば最近だってありましたよ。建設会社に電話がかかってきて、自民党を応援しなきゃ予算つきませんよみたいなことを、だれがかけているのか私はわかりませんよ、ただ、そういうことがあるんですよ、現実に。だから、そういうことが、現実に分権が起きるとできなくなるんですよ。わかりますか、総理。できなくなるでしょう、だって権限がなくなるわけですから。だから私は、結果として、族議員がばっこするような政権だと分権改革というのはできないんじゃないか、こういうふうに思っているんですよ。少し各論を聞きます。竹中さん、四兆円補助金を削減するということをまとめられたのが竹中さんだというふうに思いますけれども、この根拠は何ですか、四兆円の。

〇竹中国務大臣 まず、四兆円の数字でありますが、これは総理からの御指示があったということでございます。総理からの指示に基づいて、今、いわゆる骨太第三弾でその取りまとめを行っている途中であるわけでございますけれども、これは、先ほどから出ている分権会議等々で重点十一項目八・六兆円という数字が示された。その中で、これはいろいろな議論がございます。そうした中で、より幅広くこの補助金の縮減、改革を検討して、これは現実にどのぐらいできるだろうか、どのぐらいのペースでやるべきだろうか、いろいろな御議論があります。経済財政諮問会議でもいろいろな御議論がありました。そうした観点から、まさに総合的に判断して、とにかく当面、「改革と展望」の期間内に、この四兆円を目標にしてしっかりと改革していこうということで総理から指示が出されたわけであります。我々としては、それを受けてしっかりとやっていきたいと思っております。

〇玄葉委員 例えば、これは片山さんだって同じかもしれませんけれども、国と地方の歳入を一対一にするために、例えば我々のように五・五兆円だ、こういう意味なら、私、まさに根拠があるなと思うんですが、総理、総理の御指示だということですから、四兆円の根拠は何ですか。

〇小泉内閣総理大臣 これは、いろいろ項目別に詰めていくと、今回、三年間でやる額として三兆数千億円、四兆円をめどに公共事業も含めてやった方がいいなということで、大ざっぱの、おおむねの数字であります。最初、数千億円という声が出たんだけれども、兆円単位でやるべきだということから、だんだん、できるだけ多い方がいいと。地方の要望、総務大臣のいろいろな考え方、財務大臣の考え方、いろいろ聞きまして、大方針として四兆円をめどにやろうということになったわけであります。

〇玄葉委員 よくわからないですね、正直。いやいや、根拠はよくわからないですね。もう一つ聞きますよ。塩川大臣、義務的経費について一〇〇%移譲、こういうことでありますが、前置きがあるんですね、前置きが。徹底的に効率化を図った上で一〇〇%移譲する、これはどういう意味ですか。

〇塩川国務大臣 ちょっと先ほどの話に戻りますけれども、四兆円ということの根拠が何か非常に不明朗なことをおっしゃっていますけれども、これはきちっとしたことがあるんです。それは、国と地方との間で、補助金を支給しておりますのが総額二十兆円あるんです。そのうち、社会保障関係等が約十一兆円あるんです。そして、本当の一般行政的なもの、要するに社会保障を除きますほかの分が約十兆円近くありまして、そのうちの、地方分権推進会議で取り上げましたのが、約九兆円取り上げたんです。それは、先ほど言いました社会保障関係以外の分でございました。そのうちの約五兆円が実は公共事業なんですね。そうすると、公共事業というのを、財源は道路が多いものでございますから特定財源と結びついておりますね。そうすると、なかなか一般予算の問題として考慮しがたいから、これは、公共事業は一回外して、公共事業としてスリム化を考えていこう、それでまた地方への分権を考えていこうと。そうすると約四兆円、正確に言いますと三兆六千億円でございますけれども、それが対象になったということでございまして、でございますから、その十一項目の中から要するに公共事業部分を除いたものが三兆六千億円、これを約四兆円、こう言っておるわけでございまして、ちゃんとした根拠が実はあるのでございまして、おうちの方で示されております五兆五千億円というのはどういうことかちょっとわからないと私は思っております。そこで、質問の中でございますけれども、私たちが言っておりますのは、要するに、徹底的なスリム化ということの中に、先ほどいみじくも玄葉さんが示された、こんな矛盾があるじゃないかということをおっしゃっていますね。そういうことをやはり正していくということが一番大事なんです。今、あなた方自身おっしゃっているように、行政改革を進めなきゃならぬ。これは財源問題ばっかりに目をとられておりますから、肝心のそこを忘れてしまっておるんです。行政改革とあわせて、今までの予算の執行状況はこれでいいのかということを見直して改革していくということでございまして、我々は、地方の仕事を削ろうとか、あるいは財源を削って国と地方と合わそう、そんなけちな考えは持っておらぬのでございます。ですからして、私が申しておりますことは、約二〇%ぐらいは地方行政全体で経費を見直してほしいということは、一つは、物価が下がってきておるということがある、それから、先ほどおっしゃった、むだを節約するということがある、そういうことを考えましたならば、約二〇%ぐらい見直ししてもらったらいいじゃないかということが一つの根拠。それからもう一つは、国税の方だってこの五年間で一五%の減収があるんです。これは現実なる問題です。そうしますと、それに合わせて、やはり地方に交付する金もそれに相当したものはひとつ辛抱してもらえぬだろうかと。こういう意味から私は総合して二〇%と言っておるのでございまして、当てずっぽうで言っているのじゃ絶対ございません。

〇玄葉委員 いや、質問に答えていないんですよね。徹底的に効率化を図った上で一〇〇%移譲する、その意味はどういう意味なんですかと聞いたんですけれども、質問に答えていないんですよね。もう時間がありませんから、一言で。

〇塩川国務大臣 徹底的にというのは、今おっしゃったようなことを徹底的に見直さなきゃだめじゃないですか。それを我々はやろうということなんです。

〇玄葉委員 これは、本当は幾つか確認したいことがあるんですが、時間がありませんから、ただ、いずれにしても、私は、潜在力のふたをあけるのには不十分だ、中央政府のリストラも伴っていないというふうに評価せざるを得ないし、果たして、さっきお示しをしたような、むだを生む、つくるシステムがなくなるかどうかというのも定かじゃない。だから、私は三十点だというふうに申し上げたんです。民主党は、今までの質疑の中でも基本的な考え方は一部触れてきましたけれども、今まさにたたき台にしている考え方なんですが、税源移譲を所得税から住民税に五・五兆円行う。補助金の改革については、先ほど塩川大臣も触れておられましたが、二十兆円ぐらいあるんですね、原則一括交付金化したいと思っています。ただし、例えば生活保護の補助金であるとか、あるいは今の拉致被害者の生活相談等の事務委託費であるとか、原発の交付金だとか、ああいうのはなじまないだろうと。しかし、全部見ましたけれども、かなりできるということは、私、わかりましたね、みんなで研究者も入れて精査したんですけれども。これを性格ごとに五つぐらいにくくって、そして交付金化していこうではないか、その中から定率でこの税源移譲の財源を取り出していこうじゃないかと。交付税については、国の関与とか法令による義務づけ、縮小する分はある程度縮小せざるを得ないけれども、財政調整機能は維持といいますか、充実といいますか、適切に調整をしなきゃいけないだろうと。それで、我々のこの案だったら補助金とか負担金に係る役人は要らなくなりますから、かなりの中央省庁のリストラができる。こういう案ですよ。将来は道州制も視野に入れるということで、きょうは基本的な考え方の今のたたき台だけお示しをしましたけれども、こういう考え方で民主党は今、最終的な案をつくっているということを申し上げたいと思います。改めて、分権改革というのはある意味で政治改革でもあるんですよね。国会議員の口先介入とか利益配分とか、こういうものをなくしていくということでもありますから、思い切ってやってほしいということを改めて申し上げたいと思います。市町村合併についても議論したいんですが、一言だけ民主党の考え方を申し上げておきますけれども、今、政府は、強力に市町村合併を推進する、もし合併しない自治体があったら、基本的には事務を縮小して都道府県に代行してもらう、あるいは他の自治体に編入する、こういうことも考えていきますよと。私は事実上の強制合併じゃないかというふうに思いますけれども、我々は、我々も基本的な考え方は合併推進なんですが、ただし、プロセスを、合意形成過程を重視したいと思っていますし、分権改革とまさに一体となって、自治体の自由度を大幅に拡大する中で合併を推進したいというふうに思っているんです。プロセス重視という意味からいえば、民主党としては、財政措置ももう少し延長してもいいんじゃないかということも今検討し始めています。そういうことも申し上げておきたいと思っていますし、仮に合併しない、合併すべきじゃないと最終的に判断した自治体があったら、それはそれで認めていこうじゃないか、多様な自治のありようを、そういう制度設計をしていこうではないかというふうに考えているということだけ申し上げておきたいと思います。時間がなくなりましたけれども、一つだけ、経済対策について触れておきたいと思うんです。家計部門のバランスシートを、きょうパネルはありませんけれども、見てみます。そうすると、二〇〇一年に金融資産は約千四百兆円、土地九百二十四兆円、建物二百五十九兆円です。総資産二千五百八十兆円、家計部門はこれだけある。だけれども、家計部門の借入金は幾らかといったら、三百八十五兆円。何が申し上げたいかといいますと、個々の御家庭では、私は、やりくり大変だと思うんですね。だけれども、マクロで見ると、どうも政府は真っ赤っかだ、企業も真っ赤っかだ。だけれども、家計はマクロで見ると余力がある。そう考えると、きょうは構造改革がテーマですけれども、これから経済を引っ張るのは家計の消費であると。輸出も設備投資も大事です、大事だけれども、家計の消費が引っ張らなきゃいけない。経済にお金を回すために、家計の消費が頑張らなきゃいけない。特に、その中でも仕事を一番つくるのは住宅ですね、住宅だと思っているんですよ。一番仕事をつくる、経済波及効果があるのが住宅ですよ。しかも、消費関連の産業まで波及していく。しかも、私たちの国の住宅水準は、世界全体から見ても、同じ先進国レベルで見ても、必ずしも高くない。そう考えていったときに、住宅にどれだけポイントを置くかというのは、私は、経済対策の一つの大事な視点だというふうに思っています。しかし、預貯金を崩すというのは抵抗があるんですね。だから、やはりいかにローンを組みやすくするかということだと思うんですよ。国交省の大臣いらっしゃいますが、私は、今の税額控除方式でも不十分だと思っているんです。民主党は、住宅ローン利子所得控除制度を提案しています。住宅ローンを組んで利子が出る、その利子は所得控除できるようにしようではないかと、具体的に党として提案しています。私自身は、それはそれでいいけれども、思い切って、例えば住宅に関しては消費税ゼロにするぐらいのことを考えてもいいんじゃないかとすら思っているんですよ、かかる費用は一兆円ありますけれども。我々、財源を一兆円捻出して、そういう仕組みをつくってもいいと思うんですよ。イギリスは、付加価値税を取っていませんよ。アメリカは、住宅ローン利子控除制度で六兆円も年間払っているんですよ、所得税控除ですね。どうですか。

〇扇国務大臣 今、玄葉議員がおっしゃいますように、経済効果を発揮するのには、住宅をつくるというのは一番、夢がかない、なおかつ自分の、苦労してでも、ローンを組んででも夢をかなえようという、家族というものとそれから経済効果というもの、今おっしゃったとおりです。そして、少なくとも十万戸当たり大体二十六万人の雇用を創出します。そういう計算も出ておりますし、また、今おっしゃったように、冷蔵庫をかえたりあるいはカーテンをかえたり、そういうもののあらゆる波及効果というものも、少なくとも二十億円の消費がそこで浮いてくるということで、一番いいというのはわかっておりますし、また、今諸外国のことをおっしゃいましたけれども、日本の場合は、今おっしゃった千四百兆、半分以上はお年寄りが持っている。そして、今、玄葉議員もそうかもしれませんけれども、第二次ベビーブーマー、三十一歳までですからもう少し下かもしれませんけれども、第二次ベビーブーマーの二十七歳から三十一歳、少なくとも一千万人が今後住宅を増築したいとか、そういう思いを持っている年代です。ですから、その千四百兆とおっしゃった、老人が持っていると言われる、少なくとも六十五歳以上が半分持っています、それを相続税等々前倒しにして、みんなで一緒にしようと。そしてなおかつ、二世帯住宅あるいは三世帯住宅、一緒に住んで、そしておじいちゃん、おばあちゃんの面倒も、少子高齢化社会ですから、そして、それを使ってもらって割合を上げていこうということで、日本の場合は住宅ローンの減税額が六千十億円でございます。ところが、アメリカはそれの十三倍でございまして、七兆九千三百三十二億円。今玄葉議員がおっしゃったようなとおりでございますので、私は、そういう意味では、今までのローンというものの果たしてきた役割、今後民営化いたしますけれども、住宅ローンも、民間も住宅金融公庫に負けないようなローン会社がいっぱいできていますので、そういうものを個人が選択をして有効に使っていただいて、住宅の促進にすれば経済効果は上がるということは目に見えておりますので、そういうふうにしたいと思っております。

〇玄葉委員 もう時間ですから終わりますが、大胆に仕組んでくださいよ、大胆に。大胆に仕組んでください。これは、私は、一つの大きなポイントだし、より質の高い住宅をつくるために民主党として具体的に提案もしています。私の個人的な案も申し上げました。民主党中心の政権ならそうしますし、あるいは先ほどの分権改革も大胆にやります。そのことを重ねて申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

 

 

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